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大海獣ダコラー(ジャイアントロボ第1話)

2006-10-29 23:04:32 | 特撮:ジャイアントロボ
 『ジャイアントロボ』といえば夏休み! 関東ローカルでは夏休みにヘビーローテーションで、毎年のように再放送が行われていました。「ハトヤホテル」や「ライオネス コーヒーキャンディー」のCMとともに、「夏休み午前中の記憶」としてビッシリとこびりついています。
 夏休みに再放送が行われていた理由は、全26話であるために夏休みの5週間の月~金曜日で放送するには適当であったから、というのが常識になっているようです。お陰で「午前中の涼しいうちに勉強すること」という学校からの注意は守れませんでした(^^ゞ

 昨日アップした『人造人間キカイダー』と同じくNET(現・テレビ朝日)で放映されていたので、プロデューサーは同じく宮崎慎一氏です。そして平山亨氏が制作していたので、当然第1話の脚本は伊上勝氏によるものです。


●「大海獣ダコラー」昭和42年10月11日放映 ダコラー登場
 放映第1話 脚本:伊上勝 監督:山田稔

 第1話として、「ギロチン帝王の来襲」「草間大作少年とU3(南 十郎)との出会い」「ロボと大作との出会い」などがテンポ良く語られていきます。そのため、ダコラーの脅威、ロボとの戦闘を描くシーンは時間的に短くなってしまっています。

 冒頭の「ギロチン帝王来襲」のシーンでは、まず宇宙空間が円谷作品に比べて明るいと感じます。しかし、マット画の地球には大気の層も描かれ、なかなか凝ったものに仕上がっています。
 そして、おそらく国防省や防衛軍といった架空の軍隊(戦闘機も架空のもの)による邀撃シーンでは、なかなか凝った操演が見られます。また、爆発は巧みな編集により迫力のあるものになっています。この爆発の描写はよくできていると感じられます。

 「草間大作とU3の出会い」のシーンは奇妙な会話が繰り広げられます。
 まるで大作に聞かせるかのようなU3の独り言に、「何か起きるの、おじさん?」と問う大作に対して、U3は「キミは何も知らないんだな。」と言います。そして事件のことを大作に教えてやると、大作は「そういえばハワイのおじさんが言ってた。」と言いますが、今度はU3は「キミは知っててこの船に乗っているのか!?」と驚きます。
 結局、大作は事件のことを知っていたわけですが、最初の「キミは何も知らないんだな。」というU3のセリフが何だか無駄です。U3の独り言に対して、大作が「ハワイのおじさんがそんなことを言ってた。」とすぐに反応してはいけなかったのでしょうか。
 このシーンには主題歌のメロオケ「口笛ver.」が流れますが、ロマンティックでヒロイックで、とてもセンスの良い選曲です。これから先、ともにBF団と戦っていく運命にある2人の出会いには、これ以上の選曲はなかったでしょう。

 その後、BF団のアジトとなっている島に漂着する2人ですが、そこで通信するU3は、送信できても受信できず‥‥。「おかしい、妨害電波が出ている。」と言いますが、だったら送信もできないと思うのですが‥‥。

 「ロボとの最初の遭遇」は偶然、廊下の突き当りがエレベーターになっていたわけですが、エレベーターのセットはよくできていてミニチュアとの一体感があり、ロボを製作している格納庫の広大さが感じられます。ロボの足の1/1モデルは足首の細さが気になりますが‥‥。
 ロボの全体像が映し出されるシーンは足元から上昇していくカメラワークですが、これが毎回のOPの一番最初のシーンとして流されます。マイスタージンガーの重厚なコーラスとともに、ジャイアントロボの巨大さを表わす名OPとなりました。
 「ドクトル・ガルシア」は、『仮面ライダー』第6・7話でナチスの鉄箱の秘密を知っている「ハインリッヒ博士」と同じジャック・オンガンという役者さんです。

 昔の特撮映画・番組では「放射能」というのが便利に使われていました。原因不明の事態を納得させるために、たびたび「放射能が○○を起こした」という表現が用いられました。ここでも「時限爆弾の爆発による『放射能』が、ジャイアントロボの電子頭脳にエネルギーを送り込んだ」ことになっています。
 それにしても、ロボは「日本」が何だかよくわかったなぁ。それよりも、大作もロボが「飛べる」ことをよく知ってたなぁ‥‥。

 ギロチン帝王はスパイダーに「ロボ奪還」を命令しますが、スパイダーはダコラーを使って東京湾を襲撃します。これがロボをおびき出す作戦なら良いのですが、ロボとダコラーが戦っている間はU3との銃撃戦ばかりで、作戦の真意は不明のままです‥‥。

  ●ダコラー

 名前と体にある吸盤から察するに、デザインのモチーフとして「タコ」が含まれるのでしょう。しかし全体的な印象では、全く自由にデザインされたと思えます。
 ロボの鋼鉄感を表現する色彩が単色なのに比べ、ダコラーは緑を主にして赤や黄色を加えて塗装され、派手な印象です。
 後に再登場しますが、この第1話では特に特殊能力の描写はありません。

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5 コメント

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Unknown (tirusonia)
2006-10-30 06:29:15
私もロボは夏休みの午前中再放送で見た思い出が強いです。「マッ!」と言い両手をあげるマネしてました。(^^)

このダコラーはフルタでなくヤマトから出たほうですね。ユニークなデザインですが人気は今一。タコとかイカでは強そうに見えないんでしょうね。
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フルタとやまと (get_better4u)
2006-10-30 22:01:42
 以前レビューでも書きましたが、やまとの方がバランスがいい造型ですネ。バンダイのHGと比べると少し小さめなのが難点ですが‥‥。

 「GR2」と「イカゲラス」もやまととフルタの両方からリリースされましたが、どちらもやまとの方がイイ出来でした。造型が良いのは、やはり単価が高いからですかネ。



 しかし、「グローバー」「サタンローズ」「ライゴン」「スパーキィ」などはフルタからのみリリースされましたので、コレクションには欠かせませんでした。
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コメント (スイートコーン)
2008-12-04 21:04:36
私も小学生の夏休みに見てた記憶があります。
ジャイアント・ロボは第1回より最終回の方が記憶に残っています。
これを見て泣いたのが結構いたそうです。
ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかわからない最終回でしたね。
あと最終回には小林稔侍がテロマンと言う役で出ていましたね。

私がジャイアント・ロボで出てきた怪獣、ロボットではガンガー、イカゲラス、GR2が好きでした。
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スイートコーンさん、いらっしゃい (自由人大佐)
2008-12-04 22:21:40
 最近はちょっと特撮作品を扱う率が下がっていますが、よろしくお願いします。

 夏休みの再放送では、私は実は最終話を見たことがありませんでした‥‥。なぜだったんだろう? のちに無事に見られましたが。現在はDVDでいつでも見られます。
 初めて見た時は、大作クンの命令を聞かないロボの顔に、覚悟を決めた使命感のようなものが感じられました。ロボってイイ顔をしていますよネ。

 私はグローバー、ガンモンス、イカゲラスが好きです。
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ジャイアントロボを愛する中学生 (三条帝)
2012-11-15 22:41:20
ダコラーは原作にも登場するジャイアントロボの世界で必要不可欠なロボットです 怪獣化するにあたってデザインまで頭が回らなかったのではないでしょうか
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