
この「失われた時を求めて」の「東映等身大ヒーロー」のカテゴリーには『人造人間キカイダー』『仮面の忍者赤影』、そしてなぜか『特捜戦隊デカレンジャー』が含まれます。
『キカイダー』も『赤影』も、そして別のカテゴリーに分類した『ジャイアントロボ』も、第1話は伊上勝氏による脚本です。これは制作・企画の平山亨氏からの発注だったようで、平山氏は伊上氏に全幅の信頼をおいていたそうです。
第1話で生き別れた、ミツ子の父でありジロー=キカイダーの設計者である光明寺博士の捜索を縦軸に、不完全な「良心回路」を持つが故に苦悩し、人間に近付こうとするジローの成長を横軸として、物語に深い味わいがあります。同じく不完全な「良心回路」を持つ、ジローの兄弟ともいうべきゴールドウルフの登場や、光明寺博士の脳を頭部に持つハカイダーの登場なと゜、長坂秀佳氏の脚本が要所で物語の幅を広げています。
敵組織ダークのアンドロイドの造形は多少情けないものもありますが、物語の深みという点では後世に残る傑作シリーズに成長したと思われます。
キカイダーのデザイン・造形は全身の右左が青と赤で分けられ、それぞれが正義と悪を象徴しています。不完全さを表現している赤い左半身、特に内部の機械部品が見えている頭部が秀逸です。キカイダーの駆るサイドカー「サイドマシン」は、カワサキ製の500SSをベースに大陸モータースがモーターショーのために製作した「MACH III」が、塗装を変えてそのまま使用されています。
キカイダー自身の赤と青、そしてサイドマシンの黄と、3原色が同居する色彩デザインですが、奇跡的にしっくりと馴染んでいるように感じられます。(変身前のジローも黄色いシャツと青いGジャン・ジーパン、赤いギターと、3原色が同居しています。)このカラフルな設定は、濃緑と黒という暗い色彩デザインでスタートした『仮面ライダー』との差別化によるものでしょう。
シリーズ後半に登場するハカイダーは、光明寺博士の脳が露出した頭部を持ち、インパクトが非常に大きいです。ハカイダーは黒一色で、搭乗するマシーン「白いカラス」は銀色に塗装された「MACH IV」が使用され、黒と銀という色彩が悪のヒーローを的確に表現すると同時に、3原色のキカイダーと好対照でした。
ではさっそく、チェーンジ! スイッチ・オン!!
●「恐怖のグレイサイキングは地獄の使者」昭和47年7月8日放映 グレイサイキング登場
放映第1話 脚本:伊上勝 監督:北村秀敏
『仮面ライダー』との差別化を狙い、その決意を確かめるように『仮面ライダー』の第1話のロケ地である小河内ダムでロケが敢行されました。
その小河内ダムでのジローとダークのアンドロイドマンとの戦闘シーンでは、ダムのコンクリート壁を駆け上るアンドロイドマンのシーンがマスク合成されるなど、目立たないところで意欲的な表現を狙っています。
今回のジローは、ダムの貯水壁の上に立って登場。
アンドロイドマンは、ショッカーの戦闘員よりもバク転が上手く、動きが敏捷です。常に薙刀(子どもの頃は槍だと思っていました(^^ゞ)を持っていることも、『仮面ライダー』との差別化でしょう。
第1話であるために、その後には見られない(聞かれない)表現も多くあります。アンドロイドマンは第7話からは「ギル!ギル!」という奇声を発しますが、ここでは(第6話まで)「ダーク!ダーク!」と叫んでいます。また、後の戦闘シーンではジローが殴った時には「コキン、カン」という金属音が定着しますが、まだ普通の殴る音です(第4話から改善されます)。サイドマシンの走行音も違っています(これも第4話から変わります)。必殺技も第1話だけは「ジ・エンド!」です。
そしてダーク破壊部隊のアンドロイドは、第1話のグレイサイキングと第2話のグリーンマンティスだけはダークのマークの腕章(?)を着けています。
グレイサイキングとの第1回戦では、グレイサイキングが自分の能力を誇って岩を破壊した爆煙の中から姿を現すキカイダー! ヒーローの初登場としてのカタルシスに溢れるシーンです。頭部の左半分のメカが点滅して作動している描写のアップは、キカイダーがアンドロイドであることを強烈に印象付けています。
キカイダーが姿を現したシーンに、ジローのギターが流れています。しかし、キカイダーがギターを弾いているわけではありません。「キカイダーの体内に仕込まれたスピーカーか何かからギターの音が発せられている」ということなのでしょうか。ということは、ジローが弾いているギターも、ジローは本当はギターを「弾いている」わけではないのかも‥‥。
キカイダーはグレイサイキングとの決着をつけずにダークの秘密基地内の、光明寺博士の研究室に作られた秘密の地下室に帰還してしまいます。(「秘密基地の中の『秘密の地下室』」というのが意味不明ですが‥‥。そんなものを建設されるまで気付かなかったプロフェッサー・ギルって‥‥。)
地下室のシーンでジロー誕生のいきさつが語られますが、その後ギルに見つかって襲われてしまい、炎にまかれて光明寺博士を救出できなかったジロー‥‥。アンドロイドであるジローが炎のために光明寺博士を助けられないというのは、描写としては強引と言うか弱いと言うか‥‥。違和感の残る展開です。
プロフェッサー・ギルに呼ばれて、影絵でダーク破壊部隊のアンドロイドが名乗りをあげるシーンがあります。「グレイサイキング」はこの第1話に登場するので当然ですが、「グリーンマンティス」「オレンジアント」「ブルーバッファロー」「イエロージャガー」「ブラックホース」「カーマインスパイダー」「シルバーキャット」「ピンクタイガー」もその後のエピソードに実際に登場します。
ところが、「ゴールデンバット」というどこかで聞いたことのあるような名前のヤツは「キンイロコウモリ」と名前を変えて、「サソリホワイト」は「サソリブラウン」と色を変えての登場となりました。「レッドスネーク」「スカーレットドッグ」という、実際には登場しなかったヤツも含まれています。(それにしても「レッドスネーク」って‥‥。東京コミックショーじゃないんだから!)
●グレイサイキング
「ダーク破壊部隊で最強の力を持つ」と豪語し、腕力は10万馬力、走力は時速900kmを誇ります。自分でそのように言い放つあたり、自分の能力がお気に入りのようです。
ドリルのような回転する角を持っていて、キカイダーも避けるしかない突進力を見せます。
着ぐるみはアンドロイドの硬質感を表現できていません^^;
第1話に登場する敵がサイをモチーフとしているというのはかなり異色だと思います。
『キカイダー』も『赤影』も、そして別のカテゴリーに分類した『ジャイアントロボ』も、第1話は伊上勝氏による脚本です。これは制作・企画の平山亨氏からの発注だったようで、平山氏は伊上氏に全幅の信頼をおいていたそうです。
第1話で生き別れた、ミツ子の父でありジロー=キカイダーの設計者である光明寺博士の捜索を縦軸に、不完全な「良心回路」を持つが故に苦悩し、人間に近付こうとするジローの成長を横軸として、物語に深い味わいがあります。同じく不完全な「良心回路」を持つ、ジローの兄弟ともいうべきゴールドウルフの登場や、光明寺博士の脳を頭部に持つハカイダーの登場なと゜、長坂秀佳氏の脚本が要所で物語の幅を広げています。
敵組織ダークのアンドロイドの造形は多少情けないものもありますが、物語の深みという点では後世に残る傑作シリーズに成長したと思われます。
キカイダーのデザイン・造形は全身の右左が青と赤で分けられ、それぞれが正義と悪を象徴しています。不完全さを表現している赤い左半身、特に内部の機械部品が見えている頭部が秀逸です。キカイダーの駆るサイドカー「サイドマシン」は、カワサキ製の500SSをベースに大陸モータースがモーターショーのために製作した「MACH III」が、塗装を変えてそのまま使用されています。
キカイダー自身の赤と青、そしてサイドマシンの黄と、3原色が同居する色彩デザインですが、奇跡的にしっくりと馴染んでいるように感じられます。(変身前のジローも黄色いシャツと青いGジャン・ジーパン、赤いギターと、3原色が同居しています。)このカラフルな設定は、濃緑と黒という暗い色彩デザインでスタートした『仮面ライダー』との差別化によるものでしょう。
シリーズ後半に登場するハカイダーは、光明寺博士の脳が露出した頭部を持ち、インパクトが非常に大きいです。ハカイダーは黒一色で、搭乗するマシーン「白いカラス」は銀色に塗装された「MACH IV」が使用され、黒と銀という色彩が悪のヒーローを的確に表現すると同時に、3原色のキカイダーと好対照でした。
ではさっそく、チェーンジ! スイッチ・オン!!
●「恐怖のグレイサイキングは地獄の使者」昭和47年7月8日放映 グレイサイキング登場
放映第1話 脚本:伊上勝 監督:北村秀敏
『仮面ライダー』との差別化を狙い、その決意を確かめるように『仮面ライダー』の第1話のロケ地である小河内ダムでロケが敢行されました。
その小河内ダムでのジローとダークのアンドロイドマンとの戦闘シーンでは、ダムのコンクリート壁を駆け上るアンドロイドマンのシーンがマスク合成されるなど、目立たないところで意欲的な表現を狙っています。
今回のジローは、ダムの貯水壁の上に立って登場。
アンドロイドマンは、ショッカーの戦闘員よりもバク転が上手く、動きが敏捷です。常に薙刀(子どもの頃は槍だと思っていました(^^ゞ)を持っていることも、『仮面ライダー』との差別化でしょう。
第1話であるために、その後には見られない(聞かれない)表現も多くあります。アンドロイドマンは第7話からは「ギル!ギル!」という奇声を発しますが、ここでは(第6話まで)「ダーク!ダーク!」と叫んでいます。また、後の戦闘シーンではジローが殴った時には「コキン、カン」という金属音が定着しますが、まだ普通の殴る音です(第4話から改善されます)。サイドマシンの走行音も違っています(これも第4話から変わります)。必殺技も第1話だけは「ジ・エンド!」です。
そしてダーク破壊部隊のアンドロイドは、第1話のグレイサイキングと第2話のグリーンマンティスだけはダークのマークの腕章(?)を着けています。
グレイサイキングとの第1回戦では、グレイサイキングが自分の能力を誇って岩を破壊した爆煙の中から姿を現すキカイダー! ヒーローの初登場としてのカタルシスに溢れるシーンです。頭部の左半分のメカが点滅して作動している描写のアップは、キカイダーがアンドロイドであることを強烈に印象付けています。
キカイダーが姿を現したシーンに、ジローのギターが流れています。しかし、キカイダーがギターを弾いているわけではありません。「キカイダーの体内に仕込まれたスピーカーか何かからギターの音が発せられている」ということなのでしょうか。ということは、ジローが弾いているギターも、ジローは本当はギターを「弾いている」わけではないのかも‥‥。
キカイダーはグレイサイキングとの決着をつけずにダークの秘密基地内の、光明寺博士の研究室に作られた秘密の地下室に帰還してしまいます。(「秘密基地の中の『秘密の地下室』」というのが意味不明ですが‥‥。そんなものを建設されるまで気付かなかったプロフェッサー・ギルって‥‥。)
地下室のシーンでジロー誕生のいきさつが語られますが、その後ギルに見つかって襲われてしまい、炎にまかれて光明寺博士を救出できなかったジロー‥‥。アンドロイドであるジローが炎のために光明寺博士を助けられないというのは、描写としては強引と言うか弱いと言うか‥‥。違和感の残る展開です。
プロフェッサー・ギルに呼ばれて、影絵でダーク破壊部隊のアンドロイドが名乗りをあげるシーンがあります。「グレイサイキング」はこの第1話に登場するので当然ですが、「グリーンマンティス」「オレンジアント」「ブルーバッファロー」「イエロージャガー」「ブラックホース」「カーマインスパイダー」「シルバーキャット」「ピンクタイガー」もその後のエピソードに実際に登場します。
ところが、「ゴールデンバット」というどこかで聞いたことのあるような名前のヤツは「キンイロコウモリ」と名前を変えて、「サソリホワイト」は「サソリブラウン」と色を変えての登場となりました。「レッドスネーク」「スカーレットドッグ」という、実際には登場しなかったヤツも含まれています。(それにしても「レッドスネーク」って‥‥。東京コミックショーじゃないんだから!)
●グレイサイキング
「ダーク破壊部隊で最強の力を持つ」と豪語し、腕力は10万馬力、走力は時速900kmを誇ります。自分でそのように言い放つあたり、自分の能力がお気に入りのようです。
ドリルのような回転する角を持っていて、キカイダーも避けるしかない突進力を見せます。
着ぐるみはアンドロイドの硬質感を表現できていません^^;
第1話に登場する敵がサイをモチーフとしているというのはかなり異色だと思います。
ハカイダーの歌が聞けます
http://www.youtube.com/watch?v=yLDFdNGzNTI
キカイダーOPの歌はこちら
http://www.youtube.com/watch?v=AWpUn0wjRK8
屈折しているようにも見えますが、深い世界観です‥‥。
最終話が切ない‥‥。