
●「魔人サボテグロンの襲来」昭和46年7月3日放映 サボテグロン登場
制作第14話 放映第14話 脚本:伊上勝 監督:折田至
いよいよ2号ライダー・一文字隼人の登場! しかし放映当時は、主役が全く別人に替わってしまったことに戸惑いを感じました。
主役交替に関しては、制作陣の中でも様々な意見交換がなされたそうです。本郷猛死亡や、佐々木剛さんを本郷役としてそのまま続行するという案もあったそうです。過去に『悪魔くん』でのメフィスト役の吉田義男さんから潮健児さんへの交替の際に、弟として設定したことが成功したことが平山亨さん(『悪魔くん』と『仮面ライダー』の両作品のプロデューサー)の脳裏にあったのでしょうか。
たった1クール13話での主役交替ですが、ライダーのデザインの変更や、番組のアクション重視への変更など、いくつかの懸案事項の解決にも良い機会で、奇跡的なタイミングだったと思います。
主役が別人に替わったことで、「明るく頼もしいヒーロー」という主人公の設定の変更へもスムーズに移行できました。ルリ子が本郷とともにヨーロッパへ向かった設定により、女性セミレギュラー(通称:ライダーガールズ)の顔ぶれも一新できました。新しいメンバーには山本リンダさんも含まれ、話題性もアップしました。
また、佐々木さんは二輪の運転免許を持っていなかったので、変身シーンがポーズによるものに変更されました。そのお陰で爆発的な人気になったというのも奇跡的です。
佐々木剛さんは、劇団NLTの同期である藤岡弘さんの主役番組を取ってしまうのがイヤなのと、当時は既にレギュラー番組を2本抱えていらっしゃったので、一旦は断られたそうです。しかし、番組を存続させて藤岡さんを復帰させたいという平山Pの説得に心を動かされ、出演を受けられたそうです。
昨日のトークショーでのお話では、2本のレギュラーにさらに『仮面ライダー』が増え、心労から髪の毛の2/3が抜けてしまったそうです。また、番組の人気が落ちて、藤岡さんの戻るべき番組を無くしてしまってはならない、というプレッシャーが大きかったそうです。
ライダーガールズは、山本リンダさん(マリ)、沖わか子さん(ユリ。この後最終話まで出演されます)、中島かつみさん(ミチ。途中で消えます)が新加入で、島田陽子さん(野原ひろみ)は引き続きのご出演です。
本田じょうさん(史郎)はこの前後編で消えます。替わって今話から子役の三浦康晴さんが五郎として登場します。
おやっさんは「スナック・アミーゴ」を畳み、「立花レーシングクラブ」を発足させます(看板には「立花オートコーナー」と書かれていますが‥‥)。モトクロスの世界チャンピオンを狙っていた本郷との活動を本職にしたわけですが、当の本郷がいなくなってしまうとは‥‥。
オープニングには「仮面ライダー・一文字隼人は改造人間である‥‥」のナレーションがまだありません。クレジットには出ていますが、まだ仮面ライダーがだれなのかは伏せられているということでしょうか。
今話に登場するサボテグロンは、メキシコでの活躍が認められ、征服計画が遅れている日本支部に派遣された幹部です。この時期では「怪人=幹部」という設定で、作戦の指揮権を任されています。パラス・ダムの破壊の様子は『キャプテンウルトラ』からの流用です。
サボテグロンを追って日本にやって来るFBI捜査官に変装しているサボテグロン。サボテグロンへの変身は、一旦カメラのピントをぼやけさせてからサボテグロンの姿へ編集するという、この後のシリーズで多用される手法になりました。
戦闘員は今話からマスクタイプになりました。声はお馴染みの「イーーッ」です。
いよいよ登場する新ライダー! コンバーター・ラングが明るい色になり、マスクの中央の白いライン、クラッシャーも白に変更され、腕と脚には銀のラインが入り、派手なイメージとなりました。
今でこそシンプルな旧1号のダークな色合いに惚れぼれしますが、当時はこの派手な2号にワクワクしました。手持ちの1号のソフビに、父に白いペンキでラインを入れてもらったものです。その後、父のお供で浅草に行った時に、その浅草のおもちゃ屋で友だちよりも先に2号ライダーのソフビを手に入れたのが自慢でした。
おやっさんが忘れていったサイクロン号を届けに、レーシングクラブにやって来る隼人。カメラマンである彼が、リンダさん演じるマリを撮影しようとしないのは、過去に撮影した恋人が亡くなった悲しさを思い出すから、という裏設定を佐々木さん自らが考え、『改造人間哀歌』という演劇に昇華されているそうです。
ん? サイクロン号は日本にあるの? 第40話でスイスで1号が乗っているのは?
ショッカーのアジトとして撮影されているのは、伊豆のシャボテン公園にある「荒原竜」の像です。ショッカーの紋章に似ているので、ピッタリのロケ地です。
この「荒原竜」は、『ウルトラマン』第20話に登場する「ヒドラ」としても使われています。おやっさん役の小林昭二さんにとっては2度目のご訪問です。
再び滝とおやっさんの前に姿を現す隼人。飄々としたセリフと、爆弾である「サボテンの花」だと思って石を投げても爆発しないので首を傾げる仕草などで、コメディ要素もタップリな明るいお兄さんを感じさせます。しかし、初の変身シーンで見せる厳しい表情には、力強く頼れるヒーローであることも感じられます。藤岡さんも佐々木さんも、眼光が鋭くて頼もしいです。
この初の変身シーンは照れ臭さで何度もNGを出したそうです。そしてOKとなったテイクでも、本来は
上着のファスナーを下ろしてベルトを露出させてからポーズを取るところを、
ポーズを取ってしまってからファスナーを下ろし、途中からポーズを続ける
といった流れになっています。これ、NGじゃないの~?^^;
そして、改造サイクロンも初登場! 当時は違和感はありましたが、別の車体だとは気付いていませんでした。そんなものですヨ、私なんて。
通称「改造サイクロン」は、アクション用にオフロード・バイクをベースとした、カウルが分割されたサイクロンです。
サボテグロンとの2回戦は、ハイスピード撮影によるスローモーション。このあと、この措置はとられなくなり、ライダーのアクションはスピード感が重要になっていきます。
「サボテンの花」に向けてライダーが投げられ、危うしライダー! のシーンで次回へ。
●サボテグロン(岡田勝 声:鈴木利秋)

サボテンがウマくデザイン化され怪人にされています。
サボテン型棍棒と、「メキシコの花」と呼ばれる爆弾を使います。指先から小型ミサイルを発射する能力を持っています。
「暴れ足りん」などと、かなり年寄りっぽい口調で話します。
制作第14話 放映第14話 脚本:伊上勝 監督:折田至
いよいよ2号ライダー・一文字隼人の登場! しかし放映当時は、主役が全く別人に替わってしまったことに戸惑いを感じました。
主役交替に関しては、制作陣の中でも様々な意見交換がなされたそうです。本郷猛死亡や、佐々木剛さんを本郷役としてそのまま続行するという案もあったそうです。過去に『悪魔くん』でのメフィスト役の吉田義男さんから潮健児さんへの交替の際に、弟として設定したことが成功したことが平山亨さん(『悪魔くん』と『仮面ライダー』の両作品のプロデューサー)の脳裏にあったのでしょうか。
たった1クール13話での主役交替ですが、ライダーのデザインの変更や、番組のアクション重視への変更など、いくつかの懸案事項の解決にも良い機会で、奇跡的なタイミングだったと思います。
主役が別人に替わったことで、「明るく頼もしいヒーロー」という主人公の設定の変更へもスムーズに移行できました。ルリ子が本郷とともにヨーロッパへ向かった設定により、女性セミレギュラー(通称:ライダーガールズ)の顔ぶれも一新できました。新しいメンバーには山本リンダさんも含まれ、話題性もアップしました。
また、佐々木さんは二輪の運転免許を持っていなかったので、変身シーンがポーズによるものに変更されました。そのお陰で爆発的な人気になったというのも奇跡的です。
佐々木剛さんは、劇団NLTの同期である藤岡弘さんの主役番組を取ってしまうのがイヤなのと、当時は既にレギュラー番組を2本抱えていらっしゃったので、一旦は断られたそうです。しかし、番組を存続させて藤岡さんを復帰させたいという平山Pの説得に心を動かされ、出演を受けられたそうです。
昨日のトークショーでのお話では、2本のレギュラーにさらに『仮面ライダー』が増え、心労から髪の毛の2/3が抜けてしまったそうです。また、番組の人気が落ちて、藤岡さんの戻るべき番組を無くしてしまってはならない、というプレッシャーが大きかったそうです。
ライダーガールズは、山本リンダさん(マリ)、沖わか子さん(ユリ。この後最終話まで出演されます)、中島かつみさん(ミチ。途中で消えます)が新加入で、島田陽子さん(野原ひろみ)は引き続きのご出演です。
本田じょうさん(史郎)はこの前後編で消えます。替わって今話から子役の三浦康晴さんが五郎として登場します。
おやっさんは「スナック・アミーゴ」を畳み、「立花レーシングクラブ」を発足させます(看板には「立花オートコーナー」と書かれていますが‥‥)。モトクロスの世界チャンピオンを狙っていた本郷との活動を本職にしたわけですが、当の本郷がいなくなってしまうとは‥‥。
オープニングには「仮面ライダー・一文字隼人は改造人間である‥‥」のナレーションがまだありません。クレジットには出ていますが、まだ仮面ライダーがだれなのかは伏せられているということでしょうか。
今話に登場するサボテグロンは、メキシコでの活躍が認められ、征服計画が遅れている日本支部に派遣された幹部です。この時期では「怪人=幹部」という設定で、作戦の指揮権を任されています。パラス・ダムの破壊の様子は『キャプテンウルトラ』からの流用です。
サボテグロンを追って日本にやって来るFBI捜査官に変装しているサボテグロン。サボテグロンへの変身は、一旦カメラのピントをぼやけさせてからサボテグロンの姿へ編集するという、この後のシリーズで多用される手法になりました。
戦闘員は今話からマスクタイプになりました。声はお馴染みの「イーーッ」です。
いよいよ登場する新ライダー! コンバーター・ラングが明るい色になり、マスクの中央の白いライン、クラッシャーも白に変更され、腕と脚には銀のラインが入り、派手なイメージとなりました。
今でこそシンプルな旧1号のダークな色合いに惚れぼれしますが、当時はこの派手な2号にワクワクしました。手持ちの1号のソフビに、父に白いペンキでラインを入れてもらったものです。その後、父のお供で浅草に行った時に、その浅草のおもちゃ屋で友だちよりも先に2号ライダーのソフビを手に入れたのが自慢でした。
おやっさんが忘れていったサイクロン号を届けに、レーシングクラブにやって来る隼人。カメラマンである彼が、リンダさん演じるマリを撮影しようとしないのは、過去に撮影した恋人が亡くなった悲しさを思い出すから、という裏設定を佐々木さん自らが考え、『改造人間哀歌』という演劇に昇華されているそうです。
ん? サイクロン号は日本にあるの? 第40話でスイスで1号が乗っているのは?
ショッカーのアジトとして撮影されているのは、伊豆のシャボテン公園にある「荒原竜」の像です。ショッカーの紋章に似ているので、ピッタリのロケ地です。
この「荒原竜」は、『ウルトラマン』第20話に登場する「ヒドラ」としても使われています。おやっさん役の小林昭二さんにとっては2度目のご訪問です。
再び滝とおやっさんの前に姿を現す隼人。飄々としたセリフと、爆弾である「サボテンの花」だと思って石を投げても爆発しないので首を傾げる仕草などで、コメディ要素もタップリな明るいお兄さんを感じさせます。しかし、初の変身シーンで見せる厳しい表情には、力強く頼れるヒーローであることも感じられます。藤岡さんも佐々木さんも、眼光が鋭くて頼もしいです。
この初の変身シーンは照れ臭さで何度もNGを出したそうです。そしてOKとなったテイクでも、本来は
上着のファスナーを下ろしてベルトを露出させてからポーズを取るところを、
ポーズを取ってしまってからファスナーを下ろし、途中からポーズを続ける
といった流れになっています。これ、NGじゃないの~?^^;
そして、改造サイクロンも初登場! 当時は違和感はありましたが、別の車体だとは気付いていませんでした。そんなものですヨ、私なんて。
通称「改造サイクロン」は、アクション用にオフロード・バイクをベースとした、カウルが分割されたサイクロンです。
サボテグロンとの2回戦は、ハイスピード撮影によるスローモーション。このあと、この措置はとられなくなり、ライダーのアクションはスピード感が重要になっていきます。
「サボテンの花」に向けてライダーが投げられ、危うしライダー! のシーンで次回へ。
●サボテグロン(岡田勝 声:鈴木利秋)

サボテンがウマくデザイン化され怪人にされています。
サボテン型棍棒と、「メキシコの花」と呼ばれる爆弾を使います。指先から小型ミサイルを発射する能力を持っています。
「暴れ足りん」などと、かなり年寄りっぽい口調で話します。
かえってベルトの重要性を強調する事になったように思います。
(まあ確かにややぎこちない感じもしないでもないですが、、、)
こんどは変身ヒーロー番組の主役ですよ
主役!!!
12話のとちゅーから見たオバカな俺には
ライダーに変身するのは佐々木さんが初めてですから
そりゃコーフンしましたって!!
1983年ごろ 怪奇大作戦のVTRが出始めたとき VHSへ焼きつけ頼んでたビデオ屋の女主人はやたらに藤岡さんをヨイショして 佐々木さんを貶してましたけど
とんでもない!!
藤岡さんだってケガしたくてしたワケじゃなし
その後引き継いで人気番組にした佐々木さんのご苦労はどれだけのものだったか!!
ONの後に監督やって日本一になってた藤田元司さんが思い出されます
サボテグロンは頭部のデザインが秀逸。
最初に観たのがクラゲダールの話でしたからこの14話は再放送で観たのですが、変身シーンのインパクトは絶大で、それまでの本郷ライダーを知らなかっただけに尚更ショッキングでした。
「カッコイイ!!」
この第2]クールからアクション、殺陣も充実してきてこれぞ第二次特撮ブームのスタートいった感じでしたね。
ヘンシンブーム、正に一文字ライダーが巻き起こしたムーブメントだったと解釈しています。
佐々木さんの演じるキャラも見事でした。
明るく強く逞しい、それでいて時折見せる弱さ。
最高のヒーローです。
いいですね。
うなみにとってリアルでは隼人くん=仮面ライダーでした。
ご本人のキャラクターもあるやろけど、変身ポーズもまっさきに浮かぶのは2号一文字ライダーです。
大人になって見直すと本郷ライダーもええんやけどね。
なるほど、「気合を入れなおしてる」ようにも見えますネ。
初めて見た時にはこういう手順だと思って見たハズで、再放送やビデオ、DVDなどで見た時に私は違和感を感じたのでしょう。素直な目を忘れてはいけませんネ。
>tanbadaさん
なるほど、第12・13話には本郷の変身シーンはありませんでしたネ。あれでは本郷猛と仮面ライダーの関係がわからないですネ。
『柔道一直線』の記憶は薄れてしまったのですが、一文字の変身ポーズのようなポーズで構えるライバルがいましたよネ。変身ポーズは大野剣友会の方が考案されたのでしょうか。
そうそう、先日のトークショーで佐々木剛さんは、『仮面ライダー』の撮影現場に気心の知れた大野剣友会の方々がいらっしゃって、ずいぶんと心強かったとおっしゃっていました。
>tirusoniaさん
本郷は改造された悲しみを随所に見せるヒーローでしたし、真面目な雰囲気が漂っていました。一文字は初登場から飄々としていましたネ。
それまではおやっさんと史郎が笑いの担当でしたが、滝と五郎が加わり、ライダーガールズも一新、そして一文字も笑いの部分に参加して、華やいだ雰囲気になりましたネ。
第53話で本郷が復帰しますが、のちのゲルショッカー編では強大な敵に立ち向かう使命感が感じられ、本郷の真面目なキャラも必要ですが。
>海老隊長
戦闘シーンのアクションは、改造人間同士の戦いの表現に撮影現場が慣れてきて、よりリズミカルで激しいアクションが見られるようになりましたネ。
私の周りでも徐々に『仮面ライダー』の認知度が上がり、人気が出たのが2号編でした。ライダースナックの発売も昭和47年の2号編の時期でしたネ。