昨今、おそらくはどこの企業でも、ある種のP2Pソフト――いわゆるファイル交換用ソフトによる業務データ漏洩でやたらナーバスになってるのではないかと思いますが、いやなってないところもあるかもしれんですが、私が所属している企業もなかなか大変です。まああまり詳細は書けませんが、なんかこう下請けさんの社内パソコンは大丈夫かとか、社員の自宅のパソコンは大丈夫かとか、そりゃもうやたらうるさいですな。
私自身そういったファイル交換ソフトとかを取り締まったりする社内的ポジションを演じているのでナンですが、メディアとかエライ人とかはちょっとナーバスになりすぎというのは不謹慎でしょうか。
まあ実際にいろんな漏洩が起こっているので無理もない部分もありますが、だいたい漏れる漏れるってそんなに漏れたら困るもんなのかと問いたいところです。確かに「漏れる経路が存在する」こと自体が大問題であるというロジックもわかるんですが、なんかだんだん考え方が抽象的・象徴的な方向に行っちゃって、P2Pソフトを持ってるだけで危険人物扱いでもう大変なんてことになると、どうも座り心地の悪い世の中だなあとか思ったりします。
私は是々非々でものを考えることを是とするもので、一概にくくって考えることは出来るだけ避けようとするんですが、たとえばちょっと前に、原子力発電所のどっかの部位にヒビが入ってさあ大変……なんて話がありました。電気新聞なんかではいろいろ記事が出ていましたが、実はヒビといったっていろいろある訳で、世界の原子力発電所業界(?)ではぜんぜん問題になっていないような種類のヒビに関してまで「ヒビが! ヒビがあったニダ!!」みたいな感じで報道する一般メディアの姿勢というのは問題あるんじゃないかと思いましたね。とにかく一括でヒビがあったら全部ダメという態度が結果的に隠蔽とかそういう状況を生む一因(主因ではないにしろ)になったという気がした訳ですな。
ここんとこのファイル交換ソフトに関しても、それがどの種類のものでどんな性能をもっててどのくらい危険でそもそもそれは稼働していたのか、などなどの諸条件を適切に勘案して考えるべきだよなあ、などと思うんでありますが我が輩ナガイモノには巻かれるでありますよ。
写真は牡蠣鍋。そろそろいい季節ですなあ。