日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

「先生はナサケナイ!」と嘆く気持ちが実によく分かる!

2021年06月15日 07時30分33秒 | 政治
 先週末11日金曜日朝日新聞「声蘭」に掲載の山田紳のカリカチュア。タイトルは「ここ何年も、先生はナサケナイ」。教室で先生が顔をゆがめて何か「お説教」か?「小言」か?語っているようなのだ。黒板には「日本語の乱れ」と大書されていて、それに続いて箇条書きに「逃げる」、「すり替え」、「アサッテの話」と板書されている。
 授業を受けている児童はというと3人だが、一番手前に教科書を盾にして顔を隠し、先生の視線が届かないように防護している児童。この子の顔は紛れ無き菅義偉首相に瓜二つ。残りの二人の中の菅少年の隣りはどうやら二階俊博少年で、その右隣りは頭の真ん中に分け目の黒髪から想像するに加藤勝信少年のように見える。
 どうやらこの戯画、その二日前の9日に行われた党首討論における菅首相の迎撃態度などを嗤い飛ばそうというのであろうと筆者は読んだ? とにかく、あれは酷かった。使っている言葉は、多少の訛りは有るとはいえ、日本語には違いなさそうだったが、コミュニケーションが全く成立せず、言語の役割を皆目はたしていなかった。
 もとより対立する党派間の主張であれば語るところが異なるのは当然だが、互いに語り合う間に共通点を見出し、また相違点も相互に確認し合う、そのことが政治場裏におけるコミュニケーションであり、そのためにこそ党首討論は行われるようになったのであろうが、まるで異次元のディスコミュニケーションに終わったのである。その人が、「国論」の違いを残したまま一国を代表してG7サミットに出席するという事態、国際社会における一国の位置づけとしてまことに不出来としか言いようが無い。国民に向かって語れないリーダーが、世界に向かって何を語るのか??
 一方、この同じページに掲載されていた山丘春朗選「朝日川柳」には、「居酒屋で やるよな話 魔女アベベ」(神奈川県 雪本純一)が採録されていた。この討論の中で突然菅首相が順不同に繰り出した1964年東京オリンピック時の同氏の回想長広舌を揶揄したものに違いない。
 「よく新しいオリンピックについて聞かれるわけですけれども、実は私自身、57年前の東京オリンピック大会、高校生でした。・・例えば、東洋の魔女と言われたバレーの選手。回転レシーブというのもありました。食いつくようにボールを拾って得点を上げておりました。・・・マラソンのアベベ選手、非常に印象に残っています。・・そして何よりも私自身、記憶に残っていますのはオランダのヘーシンク選手、日本柔道が国際社会の中で初めて負けた試合でしたけど、悔しかったですけれども、その後の対応がすごく印象に残っています。興奮したオランダの役員の人たちがヘーシンク選手に抱きついてくるのを制して、敗者である神永選手に対して敬意を払った。あの瞬間というのは私はずっと忘れることができなかったんです・・・」
 「逃げる」、「すり替え」、「アサッテの話」に、「先生はナサケナイ」と嘆きたくなるのが能くよく分かるのである。国会では、今日15日、野党4党が内閣不信任案を提出するという。