日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

日本史「三悪女」の入れ替えを提案する

2020年06月18日 07時23分30秒 | 政治
 日本史上の「三悪女」といえば、「北条正子・日野富子・淀君」というのがほぼ定説になっている。この評価はなにも永遠不変のものではない。時々入れ替えを考えるのも悪いことではないはずだ。そこで現代、改めて三人を選ぶとすれば、誰を誰に置き換えるのが適切か考えてみた。そして、筆者は、日野富子を降ろして元防衛大臣・元自民党総務会長で現東京都知事小池百合子氏をそのアトガマに据えることを提案する。
 日本史上の「三悪女」といえば表記の3女史と決まっている。北条正子は田舎侍の娘だてらに天皇家を源流とする清和源氏の嫡流源頼朝を篭絡してファーストレディーに納まったのはともかく、究極自らの実家に実権を委譲してしまう政治的「悪女」。鎌倉時代150年は彼女の実家北条一族の時代となった。日野富子はおのれの子息を将軍につけようとして骨肉相争う中で応仁の乱という大戦争を呼び込んでしまった母性的「悪女」。淀君は、齢甲斐もない老いぼれの色情を手玉に取って得た権勢によってすべてを失った小悪魔的「悪女」。
 そこでまず何故日野富子と入れ替えるのかであるが、その理由は、2017年秋の衆議院選挙を前にして民主党が四分五裂となって迷走していた時、当時東京都知事の小池氏はその混乱を「希望の党」として掌中に追い込みながらも、彼女のお眼鏡にかなわない者を「排除します」と言い出して政界を大混乱に陥れた。この時、彼女の師匠筋にあたる細川護熙元首相が、「応仁の乱みたいにぐちゃぐちゃになってきた」と評したことがあった。「応仁の乱」はそれこそ細川家の遠い祖先もその渦中にあったのだが、その縁故つづきの細川元首相の口から小池氏の影響が「応仁の乱」級と評価した以上小池氏の存在は日野富子に劣るものでないことが「確証」されたからである。
 小池百合子いう「政治家」、良くも悪しくもその極大のプレゼンスを保ち続けてきたし、今もまた選挙を前にしてその毀誉褒貶は最高レベルに高まっている。それも常人の神経では耐えられないレベルに。しかし、彼女は決して激さず、冷静に、決して真正面に刃を受けとめるようなへまはしない。だから彼女は出血したことが無い。血を失わないから、顔色が変わることもなく、憎らしい程に平然として屹立している。乏しい筆者の経験では、こういう人物を見たことが人生の末路に至った今もなお無いのである。
 宿痾となった「学歴問題」がまた今巷を賑わせている。大方が「今度こそ」と思ったとその時当のカイロ大学学長が卒業を保証すると言ったという。世界のありとある大学の学長で、特定のヒトについてその卒業を証明する発言をした例を知らない。それが彼女の身辺ではこういうユニークなことが起こる。
 首都東京におけるコロナ感染は決して褒められるような経緯をたどりはしなかった。オリンピックを前に騒ぎを嫌った小池氏はその発生状況を小出しにし、その延期が避けられなくなると今度は前面に出て得意の横文字を多用しつつプレゼンスを最高潮に高め、選挙告示を前に「東京アラート」を緑色にし、休業要請の全面解除も併せた。このリカバリー能力の高さは尋常一様のものではない。三悪女に列席するに十分過ぎる資格と見てここに小池百合子氏を推挙するものである。
 最後にここに「悪」の字は、悪源太義平(源頼朝の異母兄、源義平)とか悪七兵衛景清(藤原景清)などと言うような場合に使われた「悪」であることを断っておく。