goo blog サービス終了のお知らせ 

現場知略

株式会社自動車情報センター、白柳孝夫の取材メモです。

オートバックスの車検安心保証

2014年08月06日 02時23分50秒 | 自動車整備

乗用車の平均車齢が8年を超えている現在、メーカーの保証期間はとっくに過ぎた熟年車両が多量に走行している。
従来からの整備保証は、整備工場で整備した箇所が故障したら保証するものである。
しかし、整備した箇所ではない部位が故障した場合は保証の対象ではない。
一方、自動車メーカーのワランティ期間を有料で延長する商品は、トヨタ自動車の「保証がつくしプラン」が最初であった。
アフターマーケットでは、オートバックスの「車検安心保証」が全国的なサービスでは最初であったと思う。

オートバックスが「車検 安心保証」を導入したのは2010年7月。今年で4年目となる。
オートバックスの店舗で車検を実施した場合、その車両(一部車両を除く)を対象に、次回車検までの21ヵ月間、エンジンなど車両の主要部位約80ヵ所における故障について保証するもの。
次回の車検までは24ケ月であるが、これが21ケ月になっているのは免責期間があるからで、車検後2ケ月と、時期車検前の1ケ月が免責期間となっている。

対象車種は個人名義または法人名義の国産自家用乗用車(軽自動車も同様) 3、5、7ナンバー車
初年度登録年月から10年後の同月以内であり、車検時の総走行距離が85,000km以内(軽自動車は80,000km以内)の車両。

個人名義車両は加入後の走行距離は無制限
法人名義車両の場合は年間走行距離が15,000km以内
EV、天然ガス車、LPG車、燃料電池車を除く。
HVはOK。

申込期限は指定整備記録簿の点検実施日から14日以内

保証項目・

①エンジン機能回復までの作業工程
②オートマチックトランスミッションが正常に機能するまでの作業工程
③オルタネータの機能回復までの作業工程
④スターター機能回復までの作業工程
⑤ウォーターポンプ機能回復までの作業工程
⑥電動ファン機能回復までの作業工程
⑦エアコン機能回復までの作業工程
⑧パワーウィンドウ機能回復までの作業工程
⑨上記保証部位のスイッチ類
*すべての項目について、部品代、作業工賃が含まれる。

ただし、以下は免責金となる。
①エンジン乗せ換え及びオーバーホール時  50,000円(税込)
②ATミッション乗せ換え及びオーバーホール時 30,000円(税込)

価格は初度登録年別、車種別に設定されている。

初度登録から8年目、9年目の1800cc未満の登録車では1万7074円となっている。月813円程度。

以下の車両は保証の対象外。
・違法改造車
・保証部位を改造した車両
・事故車及び水没車
・国内自動車メーカーの一部海外生産車は対象となる。
-------------------------------------------------

 熟年車両が多い現在、今後はこうした保証商品が普及すると思われる。


リプロの整備工場にとっての「恐怖」

2013年04月21日 13時17分26秒 | 自動車整備

リプロとは「リプログラム」である。

ウインドウズのXPを使っている、多くの庶民は、ご存知と思うが、
自動更新にしておくと、
「ええ加減にせんかああ」と怒鳴りたくなるぐらい、次々と更新する。

 

それで、大きな更新があると、コンピューターのインターフェースが変わったりする。
記憶させていたIDなどが消えており「あれれ」と思うこともあり、フリーソフトが使えなくなることも、たまにある。

実は自動車も、コンピューターの「塊」になりつつある。
そのプログラムは、いつまでも更新しないのか?

実は更新しているのである。
新車発売以降の初期不具合に対応して、プログラムを修正するのは、ままあること。これは新車保証期間、定期点検時に、リプログラムされる。

このレベルなら、それ程の「恐怖」ではない。
ドイツ車では、新車販売以降、かなり時間が経っても継続的にリプログラムがされるようである。

それも、ディーラーで「あ、この車、新しいプログラムが出ていたな?」とメカニックが気付いてリプロするのではなく、OBDに純正のスキャンツールと接続すると自動更新されるらしい。
ディーラーのスタッフも知らない内に自動更新。
これが、パソコンの自動更新と同じである。

これが、何故に整備業者に恐怖かというと、お客さんがディーラーのサービス工場に車両を持ち込むと、自動的にコンピューターがリプロされる。

その後、整備工場に入庫して、汎用スキャンツールを当てる。
ところが、新しいプログラムに対応してないので、故障コードが出ない。

そこで、メカニックが聞く?
「お客様、最近、ディーラーに行きませんでしたか?」
「先日、オイル交換に行ったよ」
「ギャー、行っちゃだめなのに・・・」
「何で?」

このようになるらしい。
まだ、日本のディーラーでは、ここまで進んでいないが、今後は、このようになる可能性が大きい。

米国ではリプロに対する規制があり、整備工場にも有料で公開されている。
日本でも、考えておく必要があるように思う。


手離れの悪い仕事の大切さ

2013年04月19日 00時24分58秒 | 自動車整備

いつごろだろうか?

仕事の「手離れ」が重視されるようになったのは?

「手離れ」が良いと褒められ、

「手離れ」が悪いと、無能、生産性低い、役立たず・・・と罵倒される。


その結果、誰もが「手離れの良い仕事」を好んでやり、

「手離れの悪い仕事」はやりたがらなくなった。


短時間車検は手離れが良い仕事である。

故障整備は手離れの悪い仕事である。


ワイパーブレード交換は手離れが良いが、

ディスクパッド交換は手離れが悪い。


その結果、手離れの良い仕事は競争が激化し、

手離れの悪い仕事は、顧客が対応してくれる整備工場を必死で探さないと見つからない時代になった。


そもそも「手離れ」が言われ始めたのは、

仕事を効率化させて、手離れを良くして、別の仕事をやろう・・と言う意味であった。

面倒な仕事をやるな・・・という意味ではなかったはずである。

面倒な仕事も、簡単な仕事も意識的に効率化しよう・・・との意味である。


しかし、実態として、面倒な仕事を減らすと、簡単に手離れが良くなるので、

誰もがこの方法に専念した。


でも、サービス業の仕事として、これは誤りである。

手離れの悪い仕事ほど、サービス業の腕の見せ所であるからだ。

 


ユーザーの拘りに対応できてますか

2013年04月18日 20時04分37秒 | 自動車整備

診断整備を実施している、ある整備工場を訪問した。
預かり車両の嵐である。
工場長の言葉で、一番、印象に残っているのは、「ユーザーは、クルマの調子に拘るものである」との台詞。

「今は、クルマは下駄代わりじゃないのですか」と私。
「100万円もする下駄がありますか?」と工場長。
確かに、その通りである。
「クルマは下駄代わり」の台詞は、業界側が売れない言い訳に作った言葉かも知れない。

確かに、私の妹などまだ10年前の旧型のイストに乗っているが、
その理由は「モデルチェンジしたスタイルが趣味に合わなくなったから代替できない」とのこと。
「軽は乗り心地が直ぐに悪くなるのでやーよ」とのことだ。
軽のユーザーも、コンパクトカーのユーザーも拘りはある。
でも営業マンは「クルマは下駄代わりで良いという層で、
このまま壊れるまで乗り続けると言ってました」と上司に報告するだろう。

クルマの乗り心地についても、ユーザーは拘る。
「その、拘りについて、言う場所がないのですね、今のユーザーは。ディーラーは調子が悪いならクルマを買い換えるように誘導する。一般の整備工場では短時間・格安車検ばかりに熱心で、話を聞いてくれない」

「とにかく、話を聞いて、スキャンツールや様々なテスタで診断する。そして、診断データをもとに説明する。
お客様が言っていたのは、これですね。
すると、ほぼ修理を受注できる。修理は、部品お手配から整備・調整まで掛かりますので、どうしても、お車を預かることになる」
外車ユーザーのみならず、国産車のユーザーにも拘りがある。
業界は、長くユーザーの拘りに背を向けて来たのではなかろうか?


低年式車に課税?の前にやることがある

2012年08月01日 09時22分47秒 | 自動車整備

今日の日刊自動車新聞によると

国土交通省は、2013年度税制改正で自動車取得税・重量税の廃止に加え、電気自動車(EV)など次世代車に対する優遇措置の拡充を優先的に求める。
また、自動車取得税の廃止に伴う「見合い財源」として、低年式車に対する自動車税の割増税率や対象を拡大することも検討。
今後、関係業界からの意見聴取を経て、経済産業省や環境省などと正式な要望事項を月末までに詰める。

・・・とある。

自動車取得税を廃止するが、低年式車のユーザーには割増課税するという案。
これは酷いのではないか?

高価なハイブリッド、プラグインハイブリッド、電気自動車を購入する富裕層には補助金を付けて購入を支援。
一方、新車を買い換える余裕の無いが、自動車は生活に必要なので手放せない貧困・生活困窮層には重税を課す。
これを悪政と言わずして、何を悪政と言うのか?

何故、新車に買い換えないのかとアンケート調査すれば、
「まだ乗れるから」
「気に入った新車が無い」
「今の車を気に入ってるから}
等の意見がでる。

こういう人も居ない訳ではないが、大部分は「新車を買い換える余裕が無い」というのが本音である。
夫婦で月に14万円程度の年金しか入らない老夫婦が、どうやってプリウスのプラグインハイブリッドを買えるのか。

財務省から車体課税の年間税収約9千億円分(取得税約2千億円、重量税約7千億円)に相当する「見合い財源」の提示を求められる。
これは新車を買えない貧乏人への重税で解決・・・・と結論を出して、良いわけは無かろう。 

そしてもう1つの問題がある。
自動車整備の位置付けを無視している。

新車であってもメンテナンスを怠れば、その環境性能はダウンする。
古い車であっても適切に整備すれば、高い環境性能を維持する。
「古い車は環境に悪いから重税を掛けてやる」と言えるのか?

そもそも日本の車検時(継続検査)の排ガス検査は、相変わらずCOとHCだけである。
欧米ではCO、HC、CO2、O2、NOXの4ガス検査(O2、NOXの選択は国により差がある)が、かなり前から定着している。

さらに検査基準(ガソリン車)も、日本は全車種共通で2ランクしかないが、
ドイツでは、車種ごとに基準が異なり、それも各車種の工場出荷の状態から少し悪くなればアウトである。
環境への影響で重税を掛けるなら、ここまでやらないと説得力が無かろう。
当然、欧米で車検時に行なっているOBD検査を早く導入する必要がある。
ドイツではOBD検査を導入した時にアイドリング状態の排ガス検査は不要とした。

低年式車への課税の前に、やるべき事がある。


2009年度の車検総件数(継続検査)は3166万件(修正)

2010年08月02日 19時39分00秒 | 自動車整備

国土交通省及び軽自動車検査協会が発表した
2009年度(2009年4月~2010年3月)の全国車検(継続検査)総件数は
登録車が対前年比 2.1
%減の2171万件。
軽自動車は同 2.3%増の 995万件。
総合計は同 0.7%減の 3166万件となった。

国土交通省も軽自動車検査協会も、発表数字は検査業務量であり、これは検査した件数である。
件数=台数にならないのは、不合格による再検査があるからだ。
もちろん再検査台数は、それほど多いわけではないが件数=台数ではない。




現場知略

                                

登録車については、
車検件数の多い年(表年)と少ない年(裏年)が入れ替わる状態が
1983年の乗用車3年車検導入から続いていたが、

2009年度は表年であったが、対前年度比2.1%の減少となった。


現場知略


軽自動車については保有台数の増加に支えられて、順調に増加しており、
2009年度は同 2.3%の増である。


現場知略


 

日整連の「リース車両の請負整備料金に関する調査」

2010年07月21日 16時20分23秒 | 自動車整備

 

日本自動車整備振興会連合会(日整連)は、自動車リース会社が発注する、リース車両の請負整備料金に関する調査を実施する。
この取引の場合、リース会社(親事業者)は、整備事業者(下請事業者)と契約を結びユーザー車両の整備を行うため、
「下請法」の規制を受けるとの解釈で調査を行うもの。

メンテナンスリースのメンテナンス下請け取引において、その取引条件が一般顧客との取引に比べ、
整備事業者にとって著しく不利だという報告が数多く寄せられていることから、その実態を把握する。

調査内容は

1)取引をしている理由
2)基本料金に関する説明の有無
3)リース車両と一般車両のレバーレート
4)車検整備料金
5)使用部品の供給方法

調査サンプルは270社(整備工場180社、ディーラー90社)
9月上旬をめどに調査票を回収し、11月上旬にも集計を完了する計画。


青森整備振興会の「次世代自動車取扱店」制度

2010年07月13日 10時59分56秒 | 自動車整備

 「青森県自動車整備振興会はハイブリッド車(HV)・電気自動車(EV)に対応できる整備工場づくりを支援する」と今日の日刊自動車新聞が伝えた。次世代自動車(HV・電気自動車)取扱整備工場であることを証明する「ハイブリッド車HYBRID取扱店」と明記した独自の看板を制作するという。

この制度は本年の9月からスタートする予定。
同振興会が行う講習等を受講して合格した整備事業者が認定されることになる。

講習会はHVやEVを取り扱うために必須となる低電圧取り扱い等の基礎講習から高度な技術を学ぶための特別講習まで総合的に研修を行う計画。取扱店として認定されるには代表者など最低1人以上の受講が条件となるという。
-----------------------------

この研修の中身については、記事に出ていないが、最近はHV研修の内容も、かなり充実したものになってきている。
スタートした当時は「HV研修=低電圧講習会」であった。
これは、HV車研修との表題なので、これを受けるとHV車が整備できると誤解する人もあるが、実はHV研修以前の話で「ハイブリット車は高電圧なので、知識無く作業すると感電しますよ。この部分は危ないので、触っちゃだめですよ」ということを教える研修なのである。 

すなわち、感電事故を起こさない為の最低限の知識と万が一の際の応急処置等を学ぶ講習で、整備工場の経営者は、メカニックに、この研修を受けさせずに、ハイブリッド車を触らせると、労働安全法の規制により、お咎め有るよ・・という資格である。

低電圧講習はHV車を整備するための研修ではない。
実際に修理・整備するには、さらに具体的な知識&ノウハウが必要になる。


イエローハットの車検台数

2010年07月09日 11時06分24秒 | 自動車整備

・イエローハットは今期中に国内で500店舗の出店網を構築する。
・現在の店舗数は491店舗である。
・今後はタイヤやオイル、バッテリーといった消耗品販売が行いやすい小型店を増やしていく。

・今期末までに指定・認証工場を前年比28カ所増の318工場に増やす・
・指定工場は20カ所増の65工場とする。
・昨年は約13万台の車検を行った。
・今後はポリマー施工といったピットメニューの拡大を図る。

 


登録車の車検台数推移

2010年07月07日 19時53分38秒 | 自動車整備

昨年より国土交通省が車検台数の月例動向を発表するようになった。
以下の数字は、登録車のみである。(軽自動車は軽自動車検査協会)
現場知略


 

2010年の4月は車検台数がかなり増えている。
自動車重量税の見直しに伴い、車検を受ける時期が延ばされた結果である。

http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr1_000011.html  

 

登録車の保有台数は減少しているので、車検台数も減少している。
現場知略

指定比率の推移である。ジリジリと上昇しており、4月は75%を記録した。