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現場知略

株式会社自動車情報センター、白柳孝夫の取材メモです。

三菱アイ・ミーブの販売台数

2012年04月11日 22時22分48秒 | 電気自動車

電気自動車の歴史は長く、毎年、何台かの電気自動車は販売されていたが、多くて年間10数台のレベルであり、2009年に三菱のアイ・ミーヴが発売されるまで、月100台以上の電気自動車が売れることはなかった。
この車は電気自動車の歴史において、まさに画期的なパイオニアである。

年間販売台数
2009年  986台
2010年 2340台
2011年 3326台
2012年  787台(1月~2月計)

2011年アイ・ミーブの販売推移

このグラフで分かるように2011年9月より販売が好調で、
月300台以上をキープするようになった。
2012年の2月は月販446台を記録した。


日産リーフの販売動向

2012年03月01日 20時47分34秒 | 電気自動車

日産リーフは2010年4月から予約が始まり、同年12月に発売された。
販売動向はグラフの通り。

     日産リーフ 2011年 月別の販売台数

2011年2月は、予約台数を一挙に納車したためと思われる。
その後、販売台数が激減するが、去年の秋から順調に伸びている。

日産は、この車を世界で生産し、販売する計画で、
米国は日本と同時期に発売、今後、世界へと広がる。

生産

2010年10月:日産自動車追浜工場
2012年:北米日産のスマーナ工場
2013年:英国日産サンダーランド工場
2013年:東風汽車有限公司花都工場

リチウムイオンバッテリーは座間事業所内のNECとの合弁会社
オートモーティブエナジーサプライ株式会社により製造。
2012年から米国、英国、ポルトガル、フランスでも生産される予定。

EV専用車として設計・デザインし、大人5 人がゆったりと乗ることができる室内空間と、
200kmの航続距離(JC08モード)を達成している。

価格は376万4,250円(消費税込み)からの設定。
日本全国の日産ディーラー全店舗(約2,200店)に200Vの普通充電ができる環境を整えた。
そのうち、約200店舗には、30分で約80%までの充電を可能にする急速充電器を設置。
充電網は、急速充電器設置店だけで、半径40km円でほぼ日本全国をカバー。


ゼロスポーツの倒産

2011年03月10日 20時05分00秒 | 電気自動車

ゼロスポーツが日本郵政と、郵便集配用車輌として改造電気自動車1030台を納入する契約をしたニュースは、
アフターマーケットにおける新規ビジネスの可能性という観点からも話題となった。

契約価格は34億7224万円の大型契約だ。

しかし、このような結果になろうとは・・・・


(株)ゼロスポーツは岐阜県に本社を置き、資本金1億8500万円、従業員80名。
1989年創業で1994年に法人改組された。
自動車メーカー向けのカスタムパーツの企画開発、特装電気自動車、ゴルフカートなどの製造、販売を手がけていた。
特に電気自動車の開発に長年の実績があり、中島社長は電気自動車普及協議会の代表幹事でもあった。

しかし、経営の方は、かなり厳しかったようである。
帝国データーバンクのよると、2006年8月期に約12億1900万円あった売上は、
2010年8月期には約5億5300万円まで落ち込んでいる。
不況の影響でカスタマイズ及びドレスアップ用品の市場が急速に縮小した影響も大きい。
こうした中で、郵政事業会社からの電気自動車の大量受注は、起死回生のチャンスであり、
同社は金融機関から運転資金を調達して対応していた。

しかし、生産計画が順調に進まず、2011年1月になって納期遅れを理由に郵便事業会社より契約解除を申し渡されたうえ、
違約金を請求され、金融機関への返済のメドが立たなくなった事から破産申請に至った。
負債は約11億7700万円。
納期の遅れはベース車両をスバルサンバーからダイハツのハイゼットに変更しようとした調整で、
日本郵政側と十分な調整ができなかったことにあるようだ。

内容の変更が契約不履行として日本郵便は契約解除を通告。
違約金の請求などで資金繰りが悪化し、破産申請に至った。


「コンバージョンEV」の世界

2010年08月30日 02時13分46秒 | 電気自動車

自動車メーカーが開発する電気自動車が話題を集める一方で、
既存のガソリンエンジン車等を電気自動車に改造するビジネスがある。
これがコンバーションEVの世界であり、日本でも多くの中小企業が参入しているものの、
政府による補助も無く、ビジネスとしては苦戦を強いられている。

こうした中で、コンバーションEVのメーカーが中心となり、
電気自動車の普及を目指す団体「電気自動車普及協議会」が設立された。
会長にはベネッセホールディングス取締役会長の福武總一郎氏、
代表幹事にはゼロスポーツ代表取締役社長の中島徳至氏。
幹事にタジマモーターコーポレーション代表取締役会長の田嶋伸博氏、
ナノオプトニクス・エナジー代表取締役社長の藤原洋氏が就任した。

8月28日現在、51社の企業・団体会員
13の都道府県・市町村会員が加入している。

協議会はEV関連の研究・普及活動を行う事業者、研究機関、各種団体をネットワークでつなぐことで、
情報共有を図り、現在は個々に行われている既存ガソリン車の電動化活動を支援し、
同時に既存および新規自動車メーカーのEV事業への参入を促進する。

活動戦略は「一般の生活者が、3年以内に電気自動車を現実的に検討・購入して街中で乗ることができる状態を目指す」とし、
活動内容として「情報供給」「規格の提唱」「技術教育」「政策提言」「実証実験」「資金調達」「共同購入」の7つの作業部会を運営、
それぞれの課題に対処していく。


電気自動車に乗る

2010年08月12日 19時57分06秒 | 電気自動車

将来、電気自動車が普及するとなると、
どんなものか知っておかねばならない・・・と、東京都内の部品商さんが購入。
さっそく、乗せてもらった。

現場知略


現場知略


ただいま充電中。この電線はどこに繋がっているのか???


現場知略

どこの家庭にもある100Vのコンセントより充電。
やや時間が掛かるが、どこででも充電できるので便利。

現場知略

運転中。エアコンも効いている。
車室も広く、大人3人が乗っても普通に走る。
都内で運転するには、全く問題ないのではと思う。

 

日本製の電動バイクが発進

2010年07月18日 18時24分19秒 | 電気自動車

昨日はパシフィコ横浜で開催された電気自動車技術展2010(EVEX)に出かけた。

会場でヤマハの電動バイクを見た。
当たり前のことだが「このバイク、マフラーがないが・・」と思った。
50CCバイクのマフラーの騒音は、かなり煩い。
大型バイクの音と違い、甲高いので耳に付く。
このバイクが普及すれば、町は静かになるだろう。
バイクの価格は約25万円。政府の補助は2万円とのこと。
http://www.cev-pc.or.jp/CEV/hojokin-toha/hojokin-toha-3.html

私はヤマハの電動自転車に乗っていたことがある。
初期のモデルで価格は15万円程度である。
電池を外して自宅の100Wコンセントから充電できる。
その後、電動自転車もどんどん安くなり、今では10万円程度と思う。
電動バイクの初期モデルの価格が25万円は魅力である。
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ヤマハの電動バイクEC-03(原付1種)は
9月1日より首都圏で、10月1日より全国で発売される。
三洋電機製の高エネルギー密度50V新リチウムイオンバッテリーを採用。
一充電当たりの走行距離43km(30km/h定地)を確保、
都市部での近距離移動に適した機能・走行性能を備える。

家庭用のアース付きAC100Vコンセントで充電可能なプラグイン充電方式を採用。
一充電あたりの電気代は約18円。

販売計画:1,000台(年間・国内)


ガソリン自動車を電気自動車に改造するビジネスは?

2010年07月17日 18時18分16秒 | 電気自動車

ガソリン自動車の電気自動車への改造は、
マニアの趣味のレベルでは、すでに多くの事例がある。
しかし、ビジネス化するのは、まだ大きな壁を乗り越えねばならない。

今回、EVEXに出展していたのは、タジマモーターコーポレーションとゼロスポーツであった。

詳しくは以下のサイトで・・・

<ゼロスポーツ>
http://www.zero-ev.com/

<タジマモーターコーポレーション>
http://www.naturalenergy.jp/

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会場で話を聞くと、改造キットの価格が100万円を超える状態であり、これを70万円程度に抑えないと価格メリットが出てこない。
この改造キット価格にプラスして、バッテリーが必要だが、使用条件により鉛蓄電池からリチウムイオンまで選択の幅がある。
種類により容量も異なる。
そして、個人で改造した人が一番、苦労したといわれる「改造申請」を、いかにスピーディに、
かつ費用を掛けずに行える体制を組むかも課題である。


リーフの予約始まる

2010年04月15日 12時43分11秒 | 電気自動車

日産自動車は4月1日より、電気自動車(EV)「リーフ」の予約販売を開始した。

発売は12月。

・・・で、なんぼ?

国内販売価格(税込み)376万円より
政府の補助金77万円を差し引くと、購入客の負担は299万円。

2010年度は国内で6000台の販売計画。
充電ネットワークは、ディーラー店舗を活用する。
リーフは満充電当たりの航続距離が160km
このため全国2200カ所のディーラー店舗に200ボルトの充電器を設置する。
さらに200カ所の店舗には急速充電器を設置し、
急速充電池設置店を中心にした半径40キロメートルの円で日本全国をカバーする計画。

 

<ランニングコスト比較>L=148円で試算

6年間の燃料代(リーフは電気代)
・ガソリン車は67万円
・リーフは8万6000円

これだけで試算すると、車両購入価格と燃料代(6年間)を合計したコストはとリーフが3万4000円安い計算になる
しかし、これにはバッテリーの消耗料金は含まれない。
控えめに車両価格の半分がバッテリー代と考えても188万円である。
このバッテリーが5年で消耗すれば年間37万5000円
10年で消耗すれば年間18万8000円である。

でも、それは言わない約束。
当初はバッテリーはリースを活用するとの話もあったが、この方法は導入しなかった。
電池を二次利用して下取りすることも研究中であるが、二次利用のビジネスモデルが具体化していない。

しかし、住友商事と検討しているとのことだが???
何が出来るのか?

なお、私は電気自動車ビジネスには偏見を持っている。
その理由は、最初に「補助金ありき」のビジネスだからである。
「CO2削減ありき」「補助ありき」のビジネスは、環境が変化すれば消失してしまう。
ユーザーニーズから需要が生まれているわけではないので・・・


電気自動車は進歩しているのか?

2009年07月06日 14時41分55秒 | 電気自動車

三菱自動車の新世代電気自動車「i-MiEV」を市場投入した。ちょいとお高い、高性能の軽自動車「アイ」をベースにしたものだ。

<販売計画>
本年7月下旬より法人・官公庁・自治体を中心にリース販売する(整備も含めたメンテナンスリース)。
販売台数は1400台を見込んでいる。
個人向け本格販売は2010年4月より。ただし、本年7月下旬に受付を開始する。
リヤ・ミッドシップレイアウトのアイの特長であるロングホイールベースを生かし、
大容量の駆動用バッテリーを床下に、パワーユニットをラゲッジルーム下に搭載した。
独自の高度な車両統合制御技術「MiEV OS」を導入することで、新世代の電気自動車にふさわしい高性能・信頼性を実現した。
アイの車両総重量は900kg、電気自動車にすると1100kgで、200kg重くなった。大人4人分である。

電気自動車はモーターだけで駆動するので、走行時にCO2は排出されない。しかし、電気を作る時にはCO2は発生する。
発電時のCO2排出を含めても、アイの約1/3のCO2排出量であるという(日本の平均的な電力構成をもとに三菱自動車が試算)

<走行距離>
一充電走行距離は10・15モードで160km。

日常ユースに十分対応できる走行距離を確保した。
全国のドライバーアンケート調査の結果、1日の平均走行距離は、平日では約90%の方 が40km未満、休日では約80%の方が60km未満となっている。(三菱自動車調べ)

<充電方法>
自宅でも外出先でも充電できる3WAY充電システムを採用している。
AC200VおよびAC100V の一般用コンセントから手軽に充電ができる普通充電(標準装備の充電ケーブルを使用)と、
今後各所で設置が進む急速充電器での急速充電にも対応した。

家庭での普通充電
AC200V(15A)の場合、 約7時間(満充電)
AC100V(15A)の場合 約14時間(満充電)

急速充電スタンド
約30分(80%)

<駆動用バッテリー>
リチウムエナジー ジャパン製の、エネルギー密度の極めて高いリチウムイオン電池を搭載した。計88個の電池セルを直列に接続した、大容量の駆動用バッテリーを車体床下中央に配置。
リチウムエナジージャパンンは、 GSユアサ、三菱商事、三菱自動車の3社にて、大容量かつ高性能な電気自動車用リチウムイオン電池を製造する合弁会社。2007年12月12日に設立。

<モーター>
小型・軽量・高効率な永久磁石式同期型モーターを専用開発。
発進時から最大トルクを発生し、軽快でトルクフルな走りを実現した。47KW.
減速時には、回生ブレーキ機能により、モーターを発電機として働かせることで、回収した電気を駆動用バッテリーに充電する。

<メーカー希望小売価格>
460万円弱(車両本体、消費税込)
経済産業省が実施している「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金」の対象になっており、一般社団法人 次世代自動車振興センターに申請し、交付決定されることにより、2009年度は139万円を上限として補助金交付が受けられる。

(車両登録前に、補助金交付申請を行い受理通知を受けていることが必要)
環境対応車普及促進税制に基づき、購入時の自動車取得税、および自動車重量税が免税となる。
なお、軽自動車アイの価格は2WDで146万円である。
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なお、トヨタが1997年に発売した電気自動車、RAV4EVは、出力50kWのモーターを搭載、最高速度は125km/hで1回の充電で継続走行距離は160km。価格は457万円だった。
これは、カリフォルニアの排気ガス規制(ゼロエミッション規制)に対応するために開発された。
モーター出力、一充電の走行距離、価格がほぼ同じなのである。違うのは電池が軽量コンパクトなリチウムイオンの変わったということだけだ。
電気自動車の未来に水を注すつもりはないが、一充電160kmということは、往復で160kmなのだから80kmしか遠くに行けないということだ。
一般ユーザーの一日の平均走行距離が40kmはわかるのだが、これは平均。
ある日は20km、ある日は5km、またある日は150kmと言うぐわいに平均すると40kmなのである。

自転車代わりに近所を走る時もあれば、裏磐梯の五色沼あたりにバードウォッチングに出かけようという日もある。
その平均が40kmということだと思う。

これだとEVは使えない。
近所の買い物はEVで、たまの遠出は新幹線で・・・とはならない。バードウォッチングの道具をどうやって運ぶのだ。
近所は自転車で良いので、遠出は自動車でというのがニーズであろう。
電気自動車に限界があったので、内燃機関が開発されたという歴史を忘れてはならない。
また、同様に電気自動車に限界があるので、ハイブリッドが開発されたのである