カタログに表示される燃費は、国土交通省が設定した基準により計測した燃費。
これと実際に車を走らせた時の実燃費とは大きな乖離がある。
日本のドライバーは、これを当然にことと受け入れて来たが、米国などでは「違うじゃないか」訴えるユーザーも居て、裁判になり自動車メーカーが敗訴することもある。
海外でもカタログ燃費と実燃費に差はあるが、日本は特に大きいのではないかと言う声を聞く。
日本自動車工業会も、毎年、発行している環境報告書に、最近はカタログ燃費と合わせて実燃費の推移を掲載するようになった。
こうした中で、国土交通省は、新たな自動車の燃費測定・表示方法を数年後にも導入する方針を明らかにした・・と日刊自動車新聞が報じている。エネルギー消費の多いエアコンやカーナビなどの影響を燃費値に反映させるほか、米国のように高速道路と市街地に分けて燃費値を表示する手法も検討するとのことだ。日本政府は、2014年春に国連で採択される世界的な排ガス・燃費試験方法「乗用車排ガス・燃費国際調和試験方法(WLTP)」の採用を決めている。国交省はWLTP導入に合わせ、走行実態をより正確に反映させた測定・表示方法を採り入れる考えだ。
自動車の燃費は省エネ法などに基づき測定や表示方法が定められている。
11年4月に導入されたJC08モードは従来の「10・15モード」に比べ測定時間や平均時速、最高速度を引き上げたほか、エンジンが冷えた状態から測定するなど、より実走行に近い条件に変更された。ただ、エアコンや電装品を使わない状態で測定するため、これらの機器による燃費悪化分は反映されない。
今後、制定されるWLTPでもエアコンや電装品の影響は燃費評価に加味されない見通しで、国交省は独自にこれらの補器類が燃費にもたらす影響について調査し、WLTPの国内導入にあわせて策定する新燃費モードに反映させることにした。