OBDとは車載式故障診断機のことである。
このシステムの活用法については平成15年(2003)から国土交通省を中心検討されている。
国土交通省の広報資料では排気ガスの異常がメインとなっているが、これは米国のOBD規制が排気ガス規制としてスタートした名残である。実際にはブレーキ、ABS、エアバックなどの安全装置を始め、車両の様々な部位の故障情報がOBDに蓄積される。
この車に搭載された故障診断装置へのアクセスは、車が整備工場に入庫した時にスキャンツールと接続して行うわけだが、ユーザーが工場に来て戴けないと取り出すことができない。
そこで、OBDとスキャンツールを繋ぐ部分に通信機を取り付けて、故障情報を電波で飛ばせばリアルタイムに車に状態が把握できる。
ボッシュはBCSを対象に展開中だが、まだ本格的な普及状態ではない。
整備工場としては「入庫したらスキャンツールに繋げば良いんじゃないの」ということで「ディーラーがテレマテックスを活用し整備情報を収集し、営業攻勢を掛けてきたら考えるわ」という状態だ。
なお、ランチテックの商品は電波では飛ばさない。小型のカプラー内に記録するというものである。
こういうシステムは理論的には数年前から考えられており、既にスタートしているのもあるが、未だに「実験的に・・」スタートしている段階で、次に進まない。
その理由は極めて簡単である。
OBDに蓄積された情報を読み解き、修理できるメカニックが圧倒的に不足しているからである。
この米国のシステムも、最後はメカニックのリストに至る。
実力のあるメカニックが求められている。
大阪ガスと住友商事が「スカ」を引いたことばかりが報道されているが、
三菱商事の開発の経緯は以下の記事にくわしい。
http://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/mclibrary/business/vol2/