現場知略

株式会社自動車情報センター、白柳孝夫の取材メモです。

水素の値段が決まった

2014年12月26日 09時27分14秒 | 燃料電池車

当社商用水素ステーション1号店の開所および水素販売価格の決定について.

  当社(社長:杉森 務)は、本日、神奈川県海老名市に当社の商用水素ステーション1号店を開所するとともに、水素販売価格を「1,000円/kg(消費税抜き)」とすることに決定しましたので、お知らせいたします。

   当社はこれまで、次世代自動車振興センター「燃料電池自動車用水素供給設備設置補助事業」の採択を受けて、23ヵ所の商用水素ステーションの開所に向けた準備を進めてまいりました。

  本日、「Dr.Drive海老名中央店」において、サービスステーション一体型の水素ステーションとして、水素の販売を開始いたしました。

  「Dr.Drive海老名中央店」は全国初のサービスステーション一体型の水素ステーションであり、燃料電池自動車(以下「FCV」)への水素充填をはじめ、洗車やタイヤ交換などのカーメンテナンスを行うことが可能です。

 今年度内には「Dr.Drive海老名中央店」に加え、東京、神奈川、埼玉、千葉および愛知の1都4県に合計11ヵ所(単独型水素ステーションを含む)の水素ステーションを順次開所し、水素販売を開始してまいります。

   水素販売価格につきましては、先般販売が開始されたFCVと同クラスのハイブリッド車に必要なガソリン代と同等の水準に設定いたしました。お客様の経済性を考慮した価格設定とすることで、FCV普及を積極的に後押ししていきたいと考えます。


水素販売価格 : 1,000円/kg(消費税抜き)

※本価格は、ENEOSの水素ステーションすべてに適用いたします。

※販売数量単位はkg(小数点以下2桁まで表示)です。

※水素価格は、経済状況や販売環境などの諸条件により変更する場合があります。

※お支払いには、現金、ENEOSカード、各種クレジットカードなど幅広い決済手段をご利用いただけます。

   水素は様々なエネルギー源から製造することが可能であり、エネルギー効率が高く、利用段階でCO2を排出しないことから、エネルギーセキュリティの向上や環境負荷の低減に貢献する、次世代の有力なエネルギーとされています。
   当社は、水素製造ならびに自動車用燃料供給に関わるインフラやノウハウを活かし、水素の「製造」・「輸送」・「販売」の効率的なビジネスモデルの構築を通じて、水素社会の実現に向けて貢献してまいります。

【Dr.Drive海老名中央店 水素供給設備 概要】

所在地 神奈川県海老名市中新田398-1
運営者 株式会社ENEOSネット
敷地面積(※1) 3,300m2(1,000坪)
水素の製造・輸送方法 オフサイト方式(圧縮水素を水素トレーラー等で輸送)
水素供給設備 圧縮機、蓄圧器(カーボンファイバー複合容器)、冷凍機、充填機など
供給能力(※2) 300Nm3/h
充填圧力(※3) 70MPa(メガパスカル)
充填時間(※4) 約3分間

※1サービスステーション部分面積を含む総面積。
※2FCV1台に充填できる水素量は最大50Nm3とした場合、1時間当たり5~6台に充填可能な能力。
※3現在販売されているFCVに搭載のタンク使用圧力に対応したもの。
※4国際標準規格に基づく70MPa(満タン)までの充填時間。
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EVへの電気の充電値段はなかなか決まらなかったが、水素の値段は直ぐに決まった。
膨大な設備投資の費用を入れたら、とてつもない価格になるだろう。
どうするのかな?と思ったら、同クラスのHV車に必要なガソリン代と同等の水準ということで、
議論の末に「エイヤッ」と決まったものと思われる。

1回充電したら650km走行可能ということは、次はいつ入庫するのでしょうか?と心配してみる。


水素供給・利用技術研究組合 2015年に向けて

2012年08月08日 07時36分45秒 | 燃料電池車

水素供給・利用技術研究組合は、水素供給事業と燃料電池自動車普及を目指す民間企業により2009年に設立された。
2015年での一般ユーザへの普及開始を目指し、 実証試験での水素供給を通じて水素供給ビジネス成立のための課題を検証し、解決することを目的に設立された技術研究組合である。

ハイブリッド、プラグインハイブリッド、電気自動車に関する記事は多いが、燃料電池自動車については、殆ど情報が出てこない。
しかし、すでに今年は2012年。2015年は3年後である。

燃料電池自動車の情報が外部に出てこないのは、この技術がガソリン・軽油などを燃やす従来のエンジン技術の延長にあるからだ。
電気自動車の場合は自動車メーカーでなくても参入が可能だが、燃料電池自動車は自動車メーカーが競合他社の動向を推察しながら独自で研究・開発を推進している。そのため開発状況は極秘扱いなのである。

なお、水素供給・利用技術研究組合の加入企業は以下の通り。
こちらは共通事項である燃料電池車の発売後の水素ステーションの運用について研究している。

JX日鉱日石エネルギー株式会社
出光興産株式会社
岩谷産業株式会社
大阪ガス株式会社
川崎重工業株式会社
コスモ石油株式会社
西部ガス株式会社
昭和シェル石油株式会社
大陽日酸株式会社
東京ガス株式会社
東邦ガス株式会社
トヨタ自動車株式会社
日産自動車株式会社
日本エア・リキード株式会社
株式会社本田技術研究所
三菱化工機株式会社
一般財団法人エンジニアリング協会
一般財団法人石油エネルギー技術センター

産業技術に関する試験研究を共同して行うことを目的に、技術研究組合法(昭和36年5月6日法律第81号)に基づいて設立された法人。

平成21~22年度は、経済産業省による公募事業「平成21年度水素利用社会システム構築実証事業」を受託し、都心、成田空港周辺、羽田空港周辺に3か所の水素ステーションを配置し、燃料電池自動車・バスの定期運行を行う「水素ハイウェイプロジェクト」、北九州市に水素のパイプラインを敷設し、定置用燃料電池の面的実証を行う「水素タウンプロジェクト」の2つの実証事業を推進している。