月下、飲んだり読んだり

~何はなくとも一杯の酒~

『シモネッタの本能三昧イタリア紀行』

2011年05月09日 16時01分58秒 | イタリア語
イタリア語同時通訳者の田丸公美子さんの著作。
今までどうして読まなかったのかと思うほど面白い筆致。しびれる~。

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ローマは、私に“自由と寛容”を教えてくれた街でもある。そのきっかけとなった強烈な光景は、今も静止画像のまま私の脳裏に鮮明に印画されている。1981年、季節は5月、時は午後3時半。ボルゲーゼ美術館に行くため公園を横切っていた私の眼にとんでもない光景が飛び込んできた。こともあろうに、真っ昼間、ハイティーンのカップルがベンチで「こと」に及んでいたのだ。(エロ描写中略w)そして、そのすぐそばでは7~8人の小学生たちが夢中でサッカーボールを追っているのだ。なんという“シュールな”光景だろうか! 私は、夢と現実のはざまのごとき光景に魅せられ、しばし見入ったのだった。(講談社文庫『シモネッタの本能三昧イタリア紀行』第1章より)
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表紙にはこう書いてある。「Viaggio in Italia: dove guida l'istinto.」――本能を引き起こす場所、イタリアへの旅、なんていうつまらない訳ではない。『本能三昧イタリア紀行』だ。いい訳だなあ。裏表紙に載っているこのエピソードも面白かった。

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車を盗まれがっくりしていると、翌日お詫びの手紙とオペラのチケット付きで戻ってきた。「洒落た泥棒じゃないか」とオペラに出かけて帰ってみたら家は空っぽ――。
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全作読めないほどではないので、是非今年中に攻略しようと思う。イターリア!なんて面白い国だろうか。読んでいない面白い本があるって、なんて幸せなんだろうか。イタリア語やっててよかった@パート2、なう。(´∀`)


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