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大阪市、入れ墨職員に最高評価…児童恫喝も「業務熱心」(産経新聞)>2012.5.24

2012年05月24日 | 過去記事

    




大阪市、入れ墨職員に最高評価…児童恫喝も「業務熱心」(産経新聞) - goo ニュース




<大阪市職員110人が入れ墨をしていると回答した全庁調査のきっかけとなった、児童福祉施設で入所児童に入れ墨を見せていた男性職員が、昨年12月に続いて来月支給のボーナス(期末・勤勉手当)の勤務査定でも、4段階で最上位のA評価を受けることが23日、分かった。

 職員はセクハラを理由に昨年9月、停職処分を受けているが、人事評価の点数に懲戒処分が反映されない上、年1回の評価が2度のボーナス査定に適用されるのが原因。橋下徹市長は制度改革を指示しているが、人事室は「現行制度ではやむを得ない」としている。

 この職員については昨年4月以降、腕の入れ墨を子供たちに見せたり、入所児童に暴言と恫喝(どうかつ)を繰り返したりしているとの告発が市側に複数寄せられた。

 市が調査中の同年6月、同僚女性に交際を強要した事実が発覚し、9月に停職2カ月の懲戒処分となった。市側は入所児童への問題行動も認定したが、事実を公表しないまま「セクハラ案件と合わせて重い処分を行った」としていた。

 ところが、市側は停職処分後、毎年11月に行う人事評価で、職員について「業務への取り組み自体は熱心」などとして高評価の点数を与え、職員は12月のボーナス査定でA評価を獲得。ただ直近に停職処分を受けていたため、手当基礎額から6割を減額された。

 来月のボーナスでは、この半年間に他の処分案件などがない限り、A評価の額がそのまま満額支給されるという。職員は今年4月に他部署に異動している。

 大阪市は、係長級以下はA~Dの4段階、課長代理級以上は5段階に分けてボーナスの支給割合に差をつけているが、昨冬のボーナスで市長部局職員2万2751人のうち、下位2ランクに入ったのは計12人(0・05%)のみ。

 現在、人事評価を相対評価にする職員基本条例案が市議会で審議中だが、成立しても今年度の評価は試行となる>








「週刊現代」の6月2日号。夜勤前になんとなく買ってしまったのだが、そこに新連載があった。1959年生まれの藤原敬之という元ファンドマネージャーが書いている「カネ学入門」という1ページのコラムだ。この人が「税金と罰金はどう違う?」というタイトルで面白いことを書いていた。さすがは「週刊現代」だと唸らされた。

氏は<一時期、私は長者番付なるものに載っていました>とのことで<時代が良く、運用成績も順調で、外資系でカリスマ・ファンド・マネージャーとして実績を上げていた>と書く。自分で「カリスマ」も結構だが、要するにウマく回っていたと、自分も会社も客も喜んでいたということだ。そしてその結果、報酬も増えることになった。長者番付に載るほど増えたわけだが、氏は<(感覚的には「いきなり」)支払う税金が増えます>と驚く。

<何の相談もなしに、当然のように支払い通知が送られてきます>とびっくりしている。そこで氏は考える。<税金と罰金はどう違うのだろう>となる。それから<これは税金じゃなく、罰金じゃないのか?>と思案し始める。さすがはカリスマである。

今年53歳になると思しき氏はこう解釈した。

<君は仕事を頑張った。ツキもあったが努力もした。そしてその見返りにたくさんの報酬を貰った。だから・・・・これだけ罰金を払え!!>

こうして氏は<気持ちが萎えてしまいました>となる。<正直、やる気がなくなり、国を信じられなくなりました。働くことを否定されたように思いました>とげんなりする。まったく同情を禁じ得ないが、氏の提案は画期的だった。さすがはカリスマである。

氏はアメリカの政治家のように「納税者のみなさん」と呼びかけをすべきだと。それから冗談半分<こんなに税金を納めてくれてありがとう!>と書いたA4用紙を贈ってくれたら嬉しいとする。さすがはカリカリスマスマである。この御仁は世のファンドマネージャーに謝罪した方が良い。世間から「ファンドマネージャーって阿呆なのか?」という誤解を生む恐れがある。ま、ファンドマネージャーが「週刊現代」を読むかどうかはともかく。

先ず、常識を書くと「罰金」とは刑事罰だ。これは前科になる。長者番付ではなく、犯罪人名簿に載る。交通違反の「反則金」やら行政上の手続き違反の際に喰らう「過料」は便宜上「罰金」と呼ぶが、正確には「行政罰」である。罰金とは行為者から強制的に金銭を取り立てる財産刑である。ぜんぜん違う。

比して税金、すなわち租税とは公共サービスの対価である。その費用調達である。民間でやれない、市場経済で成り立たない分野をそれで賄う。軍事や裁判、警察や公共事業がこれになる。支払額が違うのは「富の再配分」の理念があるからである。日本は福祉国家だからである。持てる者が持たざる者へ、ということだからである。だから国家は私的財産に干渉する。コレが嫌なら日本から出ていくしかないし、日本にはその自由もある。

日本の政治家はわざわざ「納税者のみなさん」と露骨に呼びかける必要もない。そこは「国民のみなさん」で十分となる。なぜか。それは日本国憲法第30条に書いてある。『国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う』がそれだが、だから朝日新聞は市民と書く。ホームレスを市民と書くのは「義務を果たしていないから」と既知だからである。

たいしたカリスマ・ファンド・マネージャーもいたものだが、支払うほうがこんなんだったら、それを使って仕事をするほうも刺青とか入れる阿呆が蔓延るかもしれない。

左巻きの阿呆はこれに「人権侵害」とか「表現の自由」と相変わらずだが、そこらの銭湯のオヤジにでも問うてみるがいい。「なぜ、オタクのお風呂は刺青お断りなんですか」と問えば、それは公共良俗に反するからだ、と返ってくることになる。公共良俗に反する人間が公共の仕事をする馬鹿さ加減に気付かんから、公務員が国歌斉唱しなくていい、とか抜かすわけだ。租税と同じく、権利の行使の前にはすべからく義務が発生する。公務員が刺青入れて叱られるのは、そこに公共良俗を順守する義務、率先垂範する義務が発生しているからだ。これはファッションとか、表現の自由という権利よりも優先される。当然だ。

これが法治国家、福祉国家、民主主義国家の大前提だ。違うというなら「権利だけでよろしい」という国を探してみればいい。ある、というなら、誰も止めないからそこに行けばいい。バカバカしい。

それにしても、だ。刺青入れて子供に見せて、セクハラで停職喰らっても賞与査定が「A評価」となれば、税金納める方もモチベーションが折れるのも無理ない話だ。このような納税意欲を奪う輩は追い出したほうが税収は上がる。円高デフレで増税するよりは現実的に効果があるだろうが、現政権一味を見れば、北の将軍様や大陸の国家主席様の刺青をしていそうな顔ばかり。もうしばらくは給与明細を見て腹立たしい日が続く。





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