忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

さよなら、かっちゃん

2010年06月12日 | 過去記事
「濁りえの にごりに 魚はひそむとも などかわせみの とらでおくべき」

仇討を恐れる吉良方がガチガチに守りを固める。大石内蔵助は、臆病で猜疑心が強い仇を欺くため遊蕩三昧を行う。大石を深く信じていた者でさえ、度が過ぎる「廓遊び」には呆れ果ててしまう。大石が立ち寄る茶屋の主人も「大石も軽石も漬物石も知らぬ。情けない男だ」と軽蔑する。そこに「濁った池に身を潜める魚を狙うかわせみ」が描かれた掛け軸を持った男が現れ「大石が来たら、この軸に賛を書いてもらえ」と主人に命ずる。酩酊する大石に主人は賛を願い出た。襖の奥、一人になった大石がとった「不覚」である。

大石はその軸に冒頭の賛を墨痕鮮やかに記してしまった。大石内蔵助は馬鹿男のふりをしながら、その心の奥底では「濁りに潜む吉良上野介を、かわせみのようにギラリと狙っていた」わけだ。目的を果たす意思の強さ、信念からでた「本音」である。敵を欺くにはまず味方からと、口だけでやるやる言うのではなく、周囲から味方から馬鹿と呼ばれても、己の信念を貫き通す覚悟が伝わってくる。という、ま、有名な話である。


http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100609/stt1006092109015-n1.htm
<「小沢氏が民主党を大人に変えてくれた」鳩山前首相が感謝>

5月末、日本テレビの「スッキリ」で勝谷誠彦はこう発言した。

<人口密集地にある普天間基地をとりあえずなくそうという前向きの話で、今の着地点としては日米共同声明の線しかなかったわけでしょ。東アジアが平和になれば、将来は(海兵隊ヘリコプター基地)いらなくなるかもしれないわけで、そういう出口まで見て、10年ほど我慢してくださいというお願いの仕方だったらわかる話ですよ。今回の決定はまだそのプロセスのうえ、現実を見れば、普天間基地問題は少しはマシになるのだから、認めたらいいじゃないですか>

他にも、鳩山由紀夫がスタンフォード大学で「オペーレーションズリサーチ」なるものを学んでいると紹介し「鳩山さんの頭の中では解決している。周囲が分からないだけ」という意味のコメントもよくしていた。ハイヒールのりんご姉さんも困っていた。

私は以前、勝谷誠彦の有料メールを購読していたが、更新時期になにやらわけがわからなくなり、本当は再度、こちらからメールすれば問題解決するだけの話であったが、なぜだか面倒くさくなり、そのまま配信を停めた。正解だった。月に800円かなんかだったが、それなら店の近所の喫茶店でコーヒー2回飲んだほうがいい。

鳩山由紀夫という政治家は政権交代、総理大臣になって、ようやく世間に「頭の中がはとぽっぽ」だとバレた。勝谷誠彦は去年の夏の総選挙における民主党の大勝をして「(自民党支持者に対して)お前らに勝ったんじゃぼけー!」と「たかじんの委員会の動画」の中で、不愉快極まりない暴言を吐き、さらには「もう一度自民党政権がいいならそうしないさい、だったらもう、僕はこの国出ますから」と不特定多数の視聴者を小馬鹿にしつつ、他の番組などでも普天間問題から政治と金による民主党の低迷は「衆愚大マスコミの扇動」と平然と言い切り、テレビマスコミに影響される「そのような国民」を愚民と蔑んでいる。ワイドショー、バラエティニュースとはいえ、あのような無理筋の民主党擁護コメントは多くの「自民党支持者ではない」視聴者からも支持されていたのだろうか。

自分は「掛け軸」を持っていた。そこには世間から非難され始めた小沢民主党、鳩山総理大臣の「本音」が揮毫されるはずだった。脳味噌の出来が悪い愚民どもは、如何に自分たちが「衆愚大マスコミ」に騙され、素晴らしい政治家、日本の宝である小沢一郎様が率いる鳩山政権のことを誤解していたのかと反省し、やっぱりタダの情報だダメだなーっと言いながら、さすがは勝谷さん、さすがはボクちゃん、私も「彼岸まで」とか買っちゃったけど、というか、勝谷氏の著作はほとんど買ってしまったけど、それにもめげずに新宿の東京麺通団には長蛇の列をなすことだろうと思っていたのだろう。しかし、その五星紅旗の裏に描かれた「鳩が南京豆喰っている姿が描かれた真っ赤な掛け軸」には墨痕鮮やかに・・・ではなく、油性のマジックでカラフルに「loopy」と書かれていた。

マトモな評論もできるのに、唸らせるコラムを書くこともできたのに、この「スッキリ」での普天間問題に対するコメントはもう、同じ人間から発せられたとは思えぬ支離滅裂ではないか。鳥越などの「ど左翼電波芸人」と比して変わらぬ論理破綻、いったい、何がどうなればそうなるのか。私が浅学で無知なことは認めるが、勝谷氏ほどの知識人になれば理解できるのだろうか。まったく理解不能、わけがわからないのである。


ま、

それにしても、この前総理の感謝の言葉「小沢氏が民主党を大人にしてくれた」とはなんだろう。この前総理が言うとおり、民主党は子供だったのか。だから、総理大臣が12億6千万円も子供手当をもらっていながら「知りませんでした」ということなのだろうか。

<会食は鳩山氏を慰労するために開かれた。約50人が出席し、鳩山氏があいさつすると拍手がわき、目に涙を浮かべた議員も少なくなかったという>

この目に涙を浮かべた50人が誰なのか興味は尽きないが、それよりも、このグループの名称に、私は思わず目に涙を浮かべるのである。


その名も「政権公約を実現する会」―――

政権公約を実現するのは政党の仕事ではないのか。その中に、わざわざ「会」を作らねばならんほどの「政権公約」だったのか。それに出来ていないんだから仕分けされろ。


ま、ともかく、政権公約を果たせず、というか果たそうともせず、言い抜けばかりで国民を呆れさせた「政権公約を実現する会」が中華料理屋で「小沢さんが大人にしてくれた!」と泣いている。そらもう、大石内蔵助どころか、大石大二郎も盗塁するはずだ(深い意味はありません)。

また、参院選の応援で大阪に来た蓮舫は街頭演説で「政治とカネの問題でもう2度とみなさま方にご懸念、ご疑念を抱かせないクリーンな政治をすることをお約束させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか!」と叫んでいたが、いかがでしょうか?もイカでしょうか?もあるまい。民主党議員はこの「いかがでしょうか」をちょいちょい言うが、これマルチ商法の手口じゃないのか。「どうですか?みなさん!」とか「ですよね?みなさん!」は、一方的に相手の意見を聞いていたわけではなく、なんとなく「自己決定した」という暗示をかける常套手段であろう。人は往々にして「決めた」ことを「考えたこと」と混同してしまう。「自分で決めたんだから」は「自分で考えた結果」とイコールしない。

また、言った尻から、こんなんが出る民主党。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100611/plc1006111229012-n1.htm
<荒井国家戦略相、事務所費問題でマンガ領収書は「間違い」修正へ>

「読売新聞に抗議したい」どころではなくなってきた。それに山岡は裁判投げ出すし、三宅の懲罰動議もどうなったのか。このキャミソールだかスキャンティ(なつかしw)だがしらんが、こいつも「したい」ではなく「する」と言えばよい。キャミソールも着たければ「着たい」と言えばよいだけだ。なにが秘書の息抜きだ、いや、秘書の自費だったが領収書が混ざっただぁ?ンなもん、パチンコ屋の経理部長にすら通じんぞ。にしても、民主党の大臣というのは経費の管理すら出来んのか?私も息抜きなら「ジョジョのBOXセット」は必要経費で認めてくれるのか?安モンのバーのオヤジですらつく分別が、民主党の大臣様にはわからんらしい。また、たしかに「杜撰」なだけなら法的に問題はないが、政治資金というものは、もう少し慎重に管理せねばならないのではないのか。

<荒井氏は「必ずしも適正でなかったものがあったことは反省している」としながらも「使い道はすべて説明できるお金であり、合法だと改めて申し上げたい」と強調した>

しかしまあ、上から下まで本当に教育上よくない政党だ。検察向いて政治しているのか?どこ向いてるんだ?民主党議員は?「秘書の領収書が混じってしまったんですよね!みなさん!どうですか?」と問うてみればどうか。「法的には問題ないんですよ!いかがでしょうか!」とやればいい。キャミソール着てスキャンティ履いて「どうでしょう!」とやれ。

勝谷誠彦も「普天間問題は前向きな話なんじゃぼけー!」とやれ。「10年ほど我慢してくださいよ、と言っただけなんじゃぼけー!」と言え。「普天間問題はマシになったんじゃ!ぼけー!」と言ってくれ。「政権交代はリハーサルだったんじゃぼけー!」と視聴者に言え。

私の書棚の話だが、勝谷誠彦の本は移動しておいた。隣には福島瑞穂が並んでいる。

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