忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

2009.1.6

2009年01月07日 | 過去記事
マスメディアも稀に役立つことがある。例えば「タクシー=強盗殺人」という危険性の周知である。テレビだけではなく、年末から年始にかけての三面記事には「タクシー強盗」の文字が躍っていた。▼無論、単なる「強盗事件」ならば、コンビニ強盗の数には敵わない。警察庁の資料によれば、平成9年には137件だったが、平成15年には742件と激増している。そこから「コンビニ強盗」は周知され、防犯ビデオ設置率が100%となる。▼外国の映画を観ると、タクシーには「防犯板」が当然のように設置されている。リカーショップなどのレジも防弾ガラスで囲まれているのを観ることがある。それをみて「外国は治安が悪い。ここが日本でよかった。」と思ったこともある。▼コンビニなどの店舗に押し入る強盗は「金を出せ」と言う。目的は「金」であり、金さえ渡せば危害は加えないということだ。しかし、年末に殺されたタクシードライバーは防御創すらなかった。つまり、「金を出せ」と言われる間もなくだった。▼被害金額は数万円。タクシーの水揚げは、よくてもそんなものらしい。犯人も当然知っている。その程度の金額を奪うだけなら、後部座席から刃物を出し、強盗らしく「金を出せ」と言えばいいものを、問答無用で首筋を切り裂く。▼理由はいくつか思いつく。犯人にとって「殺して奪うほどの金額」か、「殺すことをリスクだと感じない人間」なのか、それとも「日本語を発すること」をためらっているか。


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