忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

カードの話。

2013年06月16日 | 過去記事
3年ほど前だったか、京橋の駅近くのパーキングで車上荒らしに遭った。もちろん、犯人は捕まらないし、盗られたバッグや財布、その他の思い出の品も戻らない。私はその朝、すぐに妻に連絡して銀行やカード会社に告げさせると、そのまま交番で被害届も出した。軽い二日酔いの朝、決して気持ちのよろしい行為ではない。

それから煩わしい思いをして免許証やらも再発行し、新しいカード類も届いた。すぐ妻に新しい財布を買ってもらい、仕方がないから早く忘れてしまおうと思った。それに怪我もなかったから儲けもんだと、京橋駅南口の御地蔵さんに感謝もした。

半年以上が過ぎてカード会社から連絡があった。「盗難の件です」だった。一瞬、嫌な予感がしたが、ちょっとマテ。私はたしか当日の朝、盗まれた深夜にさっそく不正使用されたのかと案じ、それを確認もしていたはずだ、と思い出して言うと「はい、それは大丈夫です」とのこと。なんだ、嗚呼、びっくりした、と笑いあったモノだ。

カード会社の担当者は「それでも一応、保険の手続きがありまして」と言う。私は「被害がなかったのに?」と言うと「形式上です」みたいな返答だった。必要事項を書く書類を送ります、とのことだったが忘れていると、後日、本当に届いた。

開けると何枚かのA4用紙が入っていた。でも、とても邪魔臭い。半年以上も前のこと、それを「場所はどこでしたか?」「盗られたモノはなんですか?」「そのときお客様はどこで何を?」「中身はなにが入っていましたか?」と警察に出した被害届よりも詳しい。

それにもう記憶も曖昧になっている。一応、記入しようと試みたが挫折した。書いた?と問う妻には「明日書く」と言ったまま、また忘れた。するとまた、数ヵ月後に連絡があった。仕事中だったので休憩時間にかけ直した。すると、まだ届かないンですけど、と言われた。私は謝った。忘れていた、と告げた。それからもう相当部分が曖昧だから、正確な日時とか、被害届と違うかもしれない、と不安を口にすると「構いません」と言った。「と
りあえず、出してもらえれば」とのことだった。邪魔臭いな、と思ったが、念のためにもう一度確認した。「不正使用はなかったんでしょう?」。

「はい、ありません」と言ったあと、邪魔臭いですよね、すいませんね、もあった。私はまあ、向こうも仕事だろうし、この会社とも長い付き合いだし、迷惑かけてもアレだしと反省して、今日帰ったら書いて送りますから、どうか御安心を、と言った。すると担当者は新たに書類を送りますから、それでお願いします、とのことだった。私は快諾した。

1週間ほどが過ぎたある日に帰宅すると、テーブルの上に封書があった。私は届いたのか、と思いながら着替えもせずボールペンと判子を出した。封書を破って中身を読むと、前回の文書と違う点がいくつかあった。先ずは「使用記録」だった。

9千円ほど使われていた。支払先はガソリンスタンドだ。たぶん、盗った阿呆が帰り途、盗難車にでも給油したのだろう。私が驚いてその先を読むと、なんと、保険の期限が切れておりますので、お客様負担になります、とかある。しかも、その続きには「当方から何度もご連絡差し上げましたが~」とか恨み節も付け加えている。要すればあんたが悪い、あんたの責任だから9千円払わんかい、と書いてある。これは初見だった。

私が怒ってナンダコラタココラになると、妻が「なんか間違いかも」と宥める。普段は逆、99%は私が宥める役だが、今回はうっかりナンダコラタココラになってしまった。

次の日、妻が電話で確認すると、残念ですが、しか言わない。「不正使用されてます」だ。担当者が代わりまして、と言うので、前の人は?と問うと「もういません」。転勤したのか、異動したのか、辞めたのかには「ちょっとお応えできかねます」。不正使用はありませんでしたよ、と言った担当者がいない。その記録もないという。あくまでも「お客様が最初の時点、あのときに書類を送付していただけていれば」ということだった。

翌日、今度は私が連絡する。妻から聞いていた「新しい担当者」の名を告げると、長らく待ったあとに男性の声がした。男性は妻にやった説明を繰り返す。「お客様が最初の時点で」だ。私はそのまま「なぜ、その最初の時点で不正使用されてます、を言ってくれなかったのか」を言った。それについては「前の担当の者がどう言ったかまでは…」で済まそうとする。冗談ではない。

不正使用があったかなかったか。これは盗難に遭った被害者からすれば最重要事項だ。それが「なかった」ならば、これはずいぶんほっとする。しかも、盗難事件から半年以上が過ぎ、こちらがもう忘れかかっていることをして、それほど緊張感を持ってカード会社のことばかり考えていられない。そもそもカードなんかは、便利だから使うのであって、これほど邪魔臭いならいらない。

私は「払わないとは言いません、ですが、この件はそういうことだけでもなさそうです」と告げた。幸い、被害金額もしれている。もちろんバッグや財布、所持していた現金、台湾で買った判子、その他「お気に入りの品々」を合わせると、総額は軽く20万円を超える。正直、嬉しいわけはない。胸糞も悪い。

また実際、私の携帯には数回、電話があった。しかし鳴るのは日中だ。こっちも仕事をしているから出られない。仕事が終わって思い出したら夜になる。もちろん、思い出さない日もある。というか、このバカタレは「留守電」を残していなかったりもした。それなら見知らぬ番号が残るだけになる。「かけ直す」のも躊躇うのは当然だ。

それにあちらはそれが仕事かもしれないが、こちらは日常生活を送りながら、になる。忘れることだってあるから、普通は家に電話してくる。もちろん、固定電話の番号も相手は知っている。こっちの留守番にも残せる。それに事情が事情なんだから、固定電話でアポをとり、指定された日時に家に来てもいいだろう。無論、来なくても結構だが、それならせめて携帯の留守電に「申し訳ない、実は不正使用が実はありました。そこで保険なんですが」と残すべきだろう。忙しい日中、携帯電話を何度か鳴らしたくらいで「当方から何度もご連絡差し上げましたが」もヘチマもあるか。

私は車上荒らしの詳細は失念したが、今回の件については記憶も明確だった。だから事の顛末を書面にした。そこにいくつかの質問も記載して、その担当者に送り付けた。結果の重大さからして「担当者が代わったから確認できません」は妥当かどうか、何度も連絡と言うが「留守電すら残さない」のは妥当かどうかなどを記載して、是非とも内容を読んで回答してほしい、とした。それから回答がない、あるいは現状通りの解決策しかないなら、それはもう、担当者レベルと話しても仕方がない、とも付け加えた。

すると、すぐに折れた。私はヤカラではないから、もちろん不正使用された金額は振り込みますけれど、も言った。要するにカネの問題じゃあないと。しかし、手の平を返したような「もう結構です、御心配、御面倒をおかけしまして」とかトンチンカンだった。だったら最初から連絡してくるな、ということだ。


悪い支那人が帰国直前にカードを作って仲間に売る。使った支那人は別人になるから、いくら請求を求めても「本人」は福建省かどこかで烏龍茶でも飲んでいる。外国人登録証明書だけでぽんぽん作れるからカードの偽造すら必要ない。だから本当は車上荒らしで盗むこともない。また、いまではもう、インターネットはもちろん、コンビニから小さな居酒屋まで、どこでもカードを使える世の中になった。便利でお得かもしれないが、そこにきちんとした管理が伴わないと不正使用のし放題だ。

そして有名大手のカード会社がこの始末。杜撰な仕事なら支那人の好き放題も無理はない。






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