草 芳 春 雨
( 藤田淑子 句 )
夕方は/ ひと待つこころ/ 桜鯛
(芭蕉句)
山路来て/ なにやらゆかし/ すみれ草
此方では先日、山間部でほんの少し雪が舞った程度。
それに比べ、日本海の方々には今年の雪は大変です。
久 保 田 万 太 郎 句・・ ・ 刻 字 作 品
志ら怒万二/ 津もりし雪の/ 布可さか奈
高村光太郎の詩 〔 雪白くつめり 〕
雪白く積めり
雪林間の路をうずめて平らかなり
ふめば膝を没して更にふかく
その雪うすら日をあびて燐光を発す
・・・
路を横ぎりて兎の足あと点々とつづき
松林の奥ほのかにけぶる
・・・
十歩にして息をやすめ
二十歩にして雪中に座す
・・・
わずかに杉の枯葉をひろいて
今夕の炉辺に一椀の雑炊を暖めんとす
・・・
燐光の如きもの霊魂にきらめきて美しきなり
美しくしてとらえ難きなり
室生犀星の有名な詩の臨刻です。 ( 石飛博光書 )
ふるさとは遠くにありて思ふもの/ そして悲しくうたふもの
これと同じく、故郷の思いを謡った有名な漢詩の一つに、李白の「静夜思」があります。
犀星がこの漢詩に触れたかどうかは分かりませんが、参考に味わって下さい。
「 床前ヲ月光照ラス / 疑ウラクハ是地上ノ霜カト / 頭ヲ挙ゲテ山月ヲ望ム
/ 頭ヲ低レテ故郷ヲ思ウ 」
( 顔を挙げて山の端を見 掛かる月を仰ぐ / 顔伏せ遥か遠く 故郷への想いは深い )
漢詩『代悲白頭翁』の一部
「年々歳々花相似たり/歳々年々人同じからず」/言を寄せん全盛の紅顔子/
応に憐れむべし半死の白頭翁/この翁白頭真に憐れむべし/これ昔紅顔の美少年/
公子王孫芳樹の下/清歌妙舞落花の前。
漢詩『代悲白頭翁』の一部
「年々歳々花相似たり/歳々年々人同じからず」/言を寄せん全盛の紅顔子/
応に憐れむべし半死の白頭翁/この翁白頭真に憐れむべし/これ昔紅顔の美少年/
公子王孫芳樹の下/清歌妙舞落花の前。