【刻字の樹】ブログ

「遊び心」で、【作者の心根】を想い臨刻し、木肌の持つ美しいさを生かした作品の紹介させて頂いています。  

【 雪月花 】

2017-03-30 11:02:18 | 刻字と俳句、詩

   桜の開花もそろそろ・・・

  「雪月花」に、篆書の「花ヲ賞デ魚ヲ釣ル」を加えた楠板の刻字作品。(スズメの絵を添えて)

         

    もの思ひ/ すべなき時は/ うち出でて/ 古野に生ふる/ なづなぞ摘む  (良寛句) 

    霞たつ/ ながき春日に/ 子供らと/ 手毬つきつつ/ この日くらしつ   ( 〃 )





【 高村光太郎詩 】

2017-03-18 15:15:47 | 刻字と俳句、詩

        高村光太郎の詩 臨刻

                                 〖 うつくしきもの みつ 〗( 油蝉 添絵 )

                                 

       油蝉は、彫刻家としても有名な高村光太郎の「油蝉」(木彫)

          天上にひヾき 光 とよもす

          夏の日の うたのうたいて

          さびしき 小蝉

 

   高村光太郎の書は著名な彫刻と同じく、その筆跡のなかに鋭さと力強さが見られると云う。(日本の名書より)

  ぜひ彫りたいと、この度思った主な理由です。

  

   光太郎の「道程」は、末尾七行がよく知られているが、すぐ前の数行をここに上げる。 

     「 道 程 」

    ああ、人間の道程は遠い

     そして、其の大道はない

    自然の子供等が 全身の力で拓いて行かなければならないのだ

     歩け、歩け

      どんなものが出てきても 乗り越して歩け

       この光り輝く風景の中に 踏み込んでゆけ

 

  「 僕の前に道はない

    僕の後ろに道は出来る

       ああ、自然よ

      僕を一人立ちにさせた広大な父よ

      僕から目を離さないで守る事をせよ

    この遠い 道程の為

    この遠い 道程のため           」