【刻字の樹】ブログ

「遊び心」で、【作者の心根】を想い臨刻し、木肌の持つ美しいさを生かした作品の紹介させて頂いています。  

偽りの/なき世なりせば/いかばかり・・・・

2018-11-10 08:04:43 | 刻字と俳句、詩

    「 壺 中 天 」  と ( 人 生 一 楽 )

   

     「壺中天」は、テレビの「美の壺」でも知られている言葉です。

    

    人生の楽しみは、ほんの少しの余世。多くのことを望まず、一つの

   小さな楽しみを求めるだけででも良いのではと、今は感じます。 

    

   ☆瓢箪(壷)の中の酔いの天国、人生一つのささいな楽しみを求めては

     如何なものでしょう。

    偽りの/ なき世なりせば/ いかばかり/ 人の言の葉/ うれしからまし

                               (よみ人しらず)

   そろそろ 紅葉、落葉の季節です・・・・・

 

                                      北原白秋の詩 ・・・ 「落葉」

                

                                                

                                                      落 葉 焚 け ば   お も  しろ

                      櫟 の 葉 は     ふ す ふ す

                        萱 の 葉 は    ち ょ ろ ち ょ ろ

                          松 の 葉 は    ぱ ち ぱ ち

           

                よろこべば/ しきりに落つる/ このみかな  (富生句)


【 静夜思 (李白詩)】

2018-11-03 13:37:36 | 刻字と俳句、詩

 早くも霜を感じるような、寒い朝でした。

 李白三十一歳のとき、「絶句」と共に有名な詩です。

「 霜かと見まごうばかりの、冴え冴えとした月の光。

 どこから差し込むのかと見上げれば、山の端にかかる

 満月が見える。さすらいの身の李白にとってこの山上

 の月は、山国の故郷への慕情をかきたてる。」

 

 

 

   床前月光照らす/ 疑うらくは 是地上の霜かと

 頭を挙げて照月を望む/ 頭を低げて故郷を思う

      


【 聴蜀僧溶弾琴(李白)】

2018-10-12 13:58:47 | 刻字と俳句、詩

 李白の詩「聴蜀僧溶弾琴」の末尾二句

  覚えず 碧山の暮れ /秋雲 暗きこと幾重

 (気が付かないうちに緑の山が暮れ、秋の雲が幾重にも立ち込めている)

  ・・・僧侶の弾く琴の音に、一時俗世を忘れると云う。

        

  

        秋風や/ 白木の弓に/ 弦張らむ 


【白髪三千丈・・・「秋浦詩」】

2018-09-15 11:07:06 | 刻字と俳句、詩

  白髪三千丈/縁愁似個/不知明鏡裏/何処得秋霜 ・・・ ( 漢詩)「秋浦詩」

   「 訳 」

  ( 私の白髪は三千丈。愁いゆえにこんなに長くなってしまった。鏡に映る自分の姿に、

    この様に霜を受けたように、何処で成ったのだろうと思いを依せる。)

        


【 座 花 /酔 月 】

2018-09-11 09:03:07 | 刻字と俳句、詩

          座 花 / 酔 月  ( 吾亦紅の絵添え )

               

      初秋山野に咲いて、地味で目立たない紅がどこか心ひかれると云う、吾亦紅の

     絵を添えた作品です。

           吾亦紅/ うらわかければ/ まだ青し (飴山実句)


【 柚子の香/ほのぼの遠い/山波(山頭火)】

2018-08-19 08:08:23 | 刻字と俳句、詩

           秋刀魚は美味しい庶民の魚も、今年は不漁で残念ながら値が高い。

   この秋刀魚と味わう柚子が、もう収穫されだしたとか。

     

       山頭火句 の 柚子を謡った俳句の 作品

       

                         

    「 柚 子 の 香/ ほ の ぼ の 遠 い/ 山 波 」


    五年ほど前、松山に山頭火の終の住処「一草庵」を訪ね、全国に三百余とある

   句碑の写真集を見乍ら、ボランティアの方の接待を受けた。より庶民的な親しみ

   深い俳人であることを感じた約二時間でした。


    山頭火も一草庵から道後に出かけ、お湯に入って旅の疲れを癒したのでしょうか。

       朝 湯  こ ん こ ん /あ ふ る る ま ん な か の/ 私