【刻字の樹】ブログ

「遊び心」で、【作者の心根】を想い臨刻し、木肌の持つ美しいさを生かした作品の紹介させて頂いています。  

【 知らぬ間に積りし・・・(万太郎句)』

2019-01-28 14:08:44 | 刻字と俳句、詩

 此方では先日、山間部でほんの少し雪が舞った程度。

 それに比べ、日本海の方々には今年の雪は大変です。

    

   久 保 田 万 太 郎 句・・ ・ 刻 字 作 品 

                                    志ら怒万二/ 津もりし雪の/ 布可さか奈

         

      高村光太郎の詩   〔 雪白くつめり 〕

              雪白く積めり

              雪林間の路をうずめて平らかなり

              ふめば膝を没して更にふかく

              その雪うすら日をあびて燐光を発す

              ・・・ 

              路を横ぎりて兎の足あと点々とつづき

              松林の奥ほのかにけぶる

              ・・・

              十歩にして息をやすめ

              二十歩にして雪中に座す

              ・・・

              わずかに杉の枯葉をひろいて

              今夕の炉辺に一椀の雑炊を暖めんとす

              ・・・

              燐光の如きもの霊魂にきらめきて美しきなり

              美しくしてとらえ難きなり

               


【 故郷は遠くにありて・・・(室生犀星詩)】

2019-01-24 12:49:31 | 刻字と俳句、詩

 室生犀星の有名な詩の臨刻です。 ( 石飛博光書 )         

    ふるさと遠くにありて思ふもの/ そして悲しくうたふもの


 

 

 

 

 これと同じく、故郷の思いを謡った有名な漢詩の一つに、李白の「静夜思」があります。

犀星がこの漢詩に触れたかどうかは分かりませんが、参考に味わって下さい。

  「 床前月光ラス / 疑ウラクハ是地上カト / 頭ゲテ山月 

    / 頭レテ故郷ウ     

( 顔を挙げて山の端を見  掛かる月を仰ぐ / 顔伏せ遥か遠く 故郷への想いは深い )