【刻字の樹】ブログ

「遊び心」で、【作者の心根】を想い臨刻し、木肌の持つ美しいさを生かした作品の紹介させて頂いています。  

【 一期一会 】

2018-06-16 07:59:30 | 刻字と俳句、詩

        一 期 一 会 

        

   先日、弓道部OB会に併せ、51年ぶりに同期7名が集まった。

  9名の同期全員が元気であり、まだ職場を持ち現役で活躍の者もいる。

   しばらく話に、名前と顔が合い口調にも懐かしさを感じた。

      梓弓/ 引きて静かに/ 淑気立つ

  「 友達と梅干は  古いほどよい 」 

  宇多喜代子さんの言葉だが、本当に古き良き友を得たと感じる同窓会

  であった。  

   〔追記〕  

   我がさぬき市の春を詠った、毎日新聞投稿句の一つ

     『 若嫁の/ 里へ鰆の/ 押鮨を 』


【 杏 (莫山書) 】

2018-06-05 10:11:30 | 刻字と俳句、詩

     書道家で知られる榊莫山の書「杏」

    石彫りの「杏」を欅板の刻字として彫った作品に、酒を愛好した莫山の

    「花アルトキハ花二酔ヒ」を添えたもの。

         

 

            「野の書」の石工の技に凄みを感じて、とうとう石に彫りたくなり、

            石を探し求めたと云う。

            そして思う石を大阪湾の岬海岸で見つけ、この「杏」を彫ったとか。

            石の彫りの深さを逆に凸に代えて、彫った刻字作品です。

                   


【 うてや鼓の春の音(藤村詩)】

2018-06-04 17:48:09 | 刻字と俳句、詩

 

  こゝろなきうたのしらべは
      ひとふさのぶだうのごとし
       なさけあるてにもつまれて
        あたゝかきさけとなるらむ

           (島村藤村の若菜集)

      誰もが一度は触れた 若菜集の中の「うてや鼓」

          

       〔 うてや鼓 〕

      うてや鼓(つづみ)の春の音
      雪にうもるゝ冬の日の
      かなしき夢はとざされて
      世は春の日とかはりけり

        ・・・・・・・
      
        小蝶こちょうよ花にたはぶれて
        優しき夢をみては舞ひ
        酔ゑふて羽袖はそでもひら/\と
        はるの姿をまひねかし

          緑のはねのうぐひすよ
          梅の花笠ぬひそへて
          ゆめ静しづかなるはるの日の
          しらべを高く歌へかし