【刻字の樹】ブログ

「遊び心」で、【作者の心根】を想い臨刻し、木肌の持つ美しいさを生かした作品の紹介させて頂いています。  

【 心月輪 】

2017-05-12 10:19:33 | 刻字と俳句、詩

      良寛書 「 心月輪 (しんがちりん) 」の作品(ニス仕上げ:一位)です。

                 

   昨夕は妻と庭に出て、薄絹に包まれたような柔らかな朧月を、ゆっくりと眺めることができました。

    誰訪(と)いて/ 心満たさん/ 夕朧  (林翔句)

          


【 うてや鼓の春の音 (藤村詩)】

2017-05-05 11:26:04 | 刻字と俳句、詩

     こゝろなきうたのしらべは
      ひとふさのぶだうのごとし
       なさけあるてにもつまれて
        あたゝかきさけとなるらむ

           (島村藤村の若菜集)

      誰もが一度は触れた 若菜集の中の「うてや鼓」

          

       〔 うてや鼓 〕

      うてや鼓(つづみ)の春の音
      雪にうもるゝ冬の日の
      かなしき夢はとざされて
      世は春の日とかはりけり

        ・・・・・・・
      
        小蝶こちょうよ花にたはぶれて
        優しき夢をみては舞ひ
        酔ゑふて羽袖はそでもひら/\と
        はるの姿をまひねかし

          緑のはねのうぐひすよ
          梅の花笠ぬひそへて
          ゆめ静しづかなるはるの日の
          しらべを高く歌へかし