【刻字の樹】ブログ

「遊び心」で、【作者の心根】を想い臨刻し、木肌の持つ美しいさを生かした作品の紹介させて頂いています。  

【 「心月輪」(良寛) 】

2016-04-28 09:47:22 | 刻字と俳句、詩

  心根の/ 一輪ほどの/ 光満つ (良寛) 

 良寛(「守静老」)さんの詩…「心月」満月のように子供をあいする心 (しんがちりんと読む)

   山茶花の/ 花一輪咲きて/散る 友の/今良き妻在るや /厳の月

 

           良寛さんの短歌

             かすみたつ/ ながきはるひに/ こどもらと/ てまりつきつつ/ けふもくらしつ

             このみやの/ もりのこしたに/ こどもらと/ あそぶはるひは/ くれずともよし


【 「芳春」(莫山書) 】

2016-04-27 12:26:38 | 刻字と俳句、詩

                     色紙形の刻字 ・・・「 芳春 」 莫山の書

              左右の造形的なバランスとひびき合を考慮して、少し行儀が

              よくない、ゆらゆらと揺さぶった形で書いたものと云う。

              (ちなみに、名前の莫は本字が「暮」、夕暮れの山との意味。)


【 「絶句」(杜甫詩) 】

2016-04-22 12:26:22 | 刻字と俳句、詩

        杜甫の有名な句の一つ。

      望郷の寂しさを詩ったもので、春の景色を美しく色鮮やかに詩ったものです。

 江碧鳥逾白/山青花欲燃/今春看又過/何日是帰年

 

江碧ニシテ鳥逾(いよいよ)白ク/山青クシテ花燃ント欲ス/今春看(みすみす)又過グ/何ノ日ニカ是(また)帰年ナラン

・・川の水は深いみどり色をして/その上を飛ぶ鳥はひときわ白い/山の樹々は新緑に映え

 /咲く花は燃え立つばかりに赤い/ああ今年の春もまた、みるみるうちに過ぎ去っていく

 /私はいったい何日になったら、あの故郷に帰れるのだろう・・・


【 「帰去来の辞」 】

2016-04-20 07:50:41 | 刻字と俳句、詩

    【帰去来の辞】は陶潜の漢詩、「帰りなんいざ‥」で知られる名文です。

  県令を四十一歳で退き、郷里に帰える心境を詩ったもの。

  (帰去来と併せて「飲酒」が連作されています。)

  晩秋‥菊を摘み‥山を眺め‥鳥が帰って行くのを見る‥この情景にこそ真意がある。

  何か、今に通ずるものを感じます。(真意:真実の人生とは何か、自分に問い掛けること。)

帰りなんいざ/田園将に荒れんとす/既に自ら心を以て形の役と為す‥夫(か)の天命を楽しみて、復(ま)た何をか疑わん