【刻字の樹】ブログ

「遊び心」で、【作者の心根】を想い臨刻し、木肌の持つ美しいさを生かした作品の紹介させて頂いています。  

【 落葉 (ヴェルレーヌの詩) 】

2016-10-29 15:04:23 | 刻字と俳句、詩

                   「落葉」にヴェルレーヌの詩を添えた作品 (銀杏の木目)

                

   〔 ヴェルレーヌの詩(上田敏訳)〕

  秋の日の/ ヴィオロンのためいきの/ 身にしみて/ ひたぶるにうら悲し


【 竹裏館 (王維詩) 】

2016-10-18 11:41:26 | 刻字と俳句、詩

        秋の夜の漢詩の一つ

           『竹裏館』 (王維詩)

         獨り座す幽篁の裏/ 琴を弾じて復長嘯す

         / 深林人知らず/ 明月来りて相照らす

              

  人ひっそりと、竹林の中に座し/ 琴を弾いたり、声を延ばし歌 う

 /深森の中、知る人は誰もいない/ 明月が降り注ぎ、私を相照らす 


【 達磨絵 「縦暢」 】

2016-10-14 09:13:03 | 刻字と俳句、詩
    • 刻字『縦暢』は「上に向かってのびのびと生きる」と云うことのようです。
    • 達磨絵に合った梵語の字は「あ」添えました。
  •                                                                                               梵語の「あ」については、開口健さんの「開口」が中国音のa~nで「あ~ん」のことで、口唇性の母音(口腔や喉頭を閉じ声を発しない声)に因んだ名前だったことを思い出しました。
  • ドンドンディドン シュビダデン オデェーオー ~ 』 のサントリーコマーシャルソング、覚えておられませんか。                                              
  • 開口健さんのコマーシャルは、釣り好きでその度ウイスキーを飲んで楽しみ、人間らしく人生を愛した感じます。                                                           

【 落日満秋山 (王維詩) 】

2016-10-13 12:03:13 | 刻字と俳句、詩
  王維詩「帰嵩山作」の一節 ・・・ 「落日満秋山」の臨刻作品
 
東北の方では」、早くも紅葉の季節。落日に映える秋山の美しさも
また、紅葉に包まれたように、美しく見れるのかも知れない。
 


  「帰嵩山作」の訳

 嵩山のふもとの清んだ川は草木の間を縫って流れ
 川沿いを行く車馬はゆるゆると進む
 
 流れる水も何やら懐かしげであり
 夕空を飛ぶ鳥たちは連れ立ってねぐらに帰る
 
 寂れた城壁が古い渡し場に面して立ち
  「落日満秋山」
 夕陽の光は秋の山に満ち満ちている
 
 遥かなる嵩山の麓
 私は其処に帰っていき、しばらく門を閉ざし自分を見つめなおす事にしよう

  ※嵩山は中国五岳の一つ。仏教寺院の少林寺がある。
 
 
  
 
    秋山の紅葉の好きな一句
 
  上り行く/ 道あたたまる/ 紅葉かな  (広瀬直人句)
 
 

【「夜更けて燈前独り座す・・」(国木田独歩詩)】

2016-10-06 16:23:00 | 刻字と俳句、詩

  小説「武蔵野」で知られる国木田独歩、詩人として数多くの詩を残す。

     夜更けて/燈前独り座す/哀思悠々/堪ゆべからず (独歩詩)


     「秋の夜」の好きな句    

      子にみやげ/ なき秋の夜の/ 肩ぐるま  (能村登四郎句)


【 「好古」 ・・・ 邯鄲(添絵) 】

2016-10-04 12:15:04 | 刻字と俳句、詩

 故事に、「邯鄲の夢」と云う言葉がある。

鳴き声は単調だが、ル・ル・ル・ル・・・・と鳴き続ける邯鄲の絵を、篆書体の「好古」に添えた作品。  

   邯鄲を/ 聞きとめてをる/ 遠目かな  (千代田葛彦句) 

  (虫の声を聞きながら、古きことに想いを寄せるのも・・・。)