モーツアルト 交響曲 ジュピター (カール・ベーム+ウィーンフィルハーモニー)
第1楽章
第2楽章
第3楽章
第4楽章
成立年代 1788年
時代区分 古典
形式 交響曲
形態 オーケストラ
アレンジ ピアノの2台連弾と2台とソロ 2楽章と4楽章のみピアノ3重奏
モーツアルトの交響曲の中でも有名かつ最後の交響曲ナンバーになるジュピターです。同じような曲で、歌手がカバーしたものがありますが、それは作った人が違います。(ホルスト作曲)ここで言うジュピター(由来は「神」だが)というのは惑星のことではなく第4楽章に見られるド→レ→ファ→ミと続く音の進行形のことです。モーツアルトはこの進行形が好きらしくこの曲以外にも何曲にこの形を使用しています。最初と最後のナンバリングされた交響曲がこの新興を持っていたというのは、何らかの運命を感じます。
モーツアルトは交響曲を41曲作曲しているとされていますが、この時代の作曲家の宿命であるようにやはり偽作(2番・3番は確定)やその疑惑もあったりしているので正確な数はわかりません。さらに、喪失してしまった物、他の作品からの流用とか、スケッチだけが残っている物、断片が残っている物。その断片ですら偽作の疑惑がかかっているものもあり、モーツアルトの作品で正式にカウントされていないものをふくめるとはないのかというは20曲以上あるのではないかと思われています。
モーツアルトは脅威的な速さで作曲をしたことを知られていますが、結構前に作曲していたものをモチーフとして使用することが多々有ります。曲も長調の作品が多く比較的引きやすい物特徴的ですが、これには当時の作曲家の周辺にあった一つの影があります。それは貴族の注文によって曲が作られていたということ。当時は音楽は庶民のものという状況ではなく、権力者のものだったがゆえに陰湿な曲よりも、明るい曲のほうが好まれていました。そのためモーツアルトの場合人生の最後半になるまでは、なかなか短調の曲というのは多くはありませんでした。父親(教育者としては偉大な部類に入るのだが、父親としては毒の部類に片足を突っ込んいるようなタイプ)という拘束がなくなり、ようやくある程度自分が望むものの作曲ができるようになりましたが、さあこれからという段階で病に倒れてしまいます。
次回はその地位と出自、さらには立場のせいで歴史と派閥争いに翻弄されることになるサリエリ。