ポーランドが続いていましたが、久しぶりにフランスの作曲家です。
ビゼー カルメンより闘牛士の歌
成立年代 1873年から74年
時代区分 後期ロマン
形式 オペラ
形態 歌劇
アレンジ/使用場面 ピアノ(たくさん)・ほかも大量/使用場面もたくさん
ビゼーの代表作でありながら、実はこれがビゼーにとって晩年の作品群の一つとなるカルメンからの有名でありながら、ハバネラとカルメンの前奏曲に隠れる形になっている「闘牛士の歌」です。使用場面はたくさんあり誰もが知っているはずの曲ですが、それじゃあ何の曲だっけときかれると首を傾げてしまう人も多いと思います。ゆえにビゼーの一回目としてこの曲を紹介することにします。
カルメンのストーリーは一言でいえば一人のジプシーの女性「カルメン」をめぐる物語で、本来だったら牢屋に送られるはずだったカルメンに惚れてしまったホセは逃がしてしまいます。そこからホセは婚約者がいるのにカルメンに対する思いを募られていって、ついには再開を果たすのですが、既にカルメンの心は闘牛士に向けられていました。既に盗賊の一味として落ちてしまっていたホセ。しかしカルメンは既に闘牛士と恋に落ちていた。ある意味現代でいえばストーカーに化けてしまったホセは、最終的にカルメンを刺し殺してしまうという。今だったら**と**による物語という副題がついてしまいそうな話になっています。
で、このカルメン。色んな所でアレンジがあります。後に幾つか紹介はしてくつもりですが、一番有名なのはサラサーテのカルメン幻想曲です。(これは後で紹介する予定ですの今回ははずします)またカルメン自体が何度も再編平されたり、バレエにアレンジされたり、色々と編曲などが繰り返されています。また劇抜きで、曲だけを演奏会に持ってくるというのもよくありますので、聞こうと思えば割合どこでも聞くことができると思います。但し演じる方は大変です。あまりにも有名ですし、それゆえに比較対象が世界的なオペラ歌手たちですから、プロがこの立場に立ってしまうと正直どの超絶技巧を要する曲でも、それいじょうのものが要求されてしまうと思います。
しかしこの作品。実は内容は大幅改変のもとで生まれています。理由は単純でホセの立場。ホセは原作では盗賊団の一味に実を落とすというところまでは変化がないのですが、その理由が上司を殺してしまったゆえにというのが原作ではあります。さらにホセは登場人物を一人殺していますが、ビゼー版では逆に殺したのはカルメンだけになっています。また劇中では出る婚約者も、原作では出ず、カルメン自身も若干の悪どさが原作には入っているといいます。またラストシーンが微妙に違うのも特徴的です。原作派はそれを嫌ってか、大幅改変をビゼーは余儀なくされていますが、逆にその改変が見事にあたってしまう形になってしまいました。ある意味原作通りだったら、今までに残らなかった可能性もあったかもしれません。
次回はビゼーのもう一曲。