食品のカラクリシリーズ/林修先生のことば検定・食べ物の名
から揚げ①|元々は「空揚げ」と書いたが世の中のすう勢が「唐揚げ」に変わった
◆「空(から)揚げ」の「空」の文字はマイナスイメージなので「唐」に転じた?
から揚げが嫌いな人は、まず、いないでしょう。から揚げについて、2回に渡りお伝えします。唐揚げの文字を使う以上は、唐(とう)王朝に由来があるのか? 答えはNO!です。様々な資料を読んだ上での投稿者の見解を示します。そもそも唐王朝が繁栄したのは、7~10世紀頃です。漢・隋・明・清と変わり、その頃から今日に至るまで中国には日本のような鶏のから揚げ文化はなかったのです(日本に来て初めて食べた中国人が多い)。中国では、元来、魚の素揚げを食べてきました。日本にも17世紀後半の文献に、まるまる一匹の魚を油で素揚げしたものを「空揚げ」と記されています。中国や朝鮮半島などから渡来したものを「唐物(からもの)」と言っても、一連の経緯から鶏のから揚げに「唐」の字を充てるのは強引と考えます。
鶏肉に軽く小麦粉をまぶして揚げた鶏の空揚げは、明確に日本発祥です。半世紀前には「空揚げ」の字を充てていたことを、高齢者の方はご存じと思います。しかし空揚げと表示すると若い方から“誤植”と指摘されるように、もはや世の中のすう勢が「唐揚げ」に変わってしまいました。「空(から)」には空回り・空振り三振などマイナスイメージが強く、鶏肉を揚げたものに限り音が同じ「唐(から)」を使ったと考えます。今となっては、明確に答えられる専門家もいないようです。間違って使う人が多数になれば、間違ったほうが「正しい」ということになってしまいます。その影響で、新聞・TVも「から揚げ」の書き方を主体に使いながら、「唐揚げ」でもOKの流れに変わってきました。それはともかく、昔、高級中国料理店で回転テーブルの数人で取り分ける、まるまる大きな白身魚一匹をそのまま素揚げした空揚げ、それにあんかけを掛けた料理は美味しかったな~。
次号/から揚げ②|チコ情報◇から揚げと「フライドチキン」はどこが違うのか?
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テレビ朝日「林修先生のことば検定」、NHK「チコちゃんに叱られる」
池上彰氏などのTV情報番組、新聞・書籍を参考にしました。
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