少数派シリーズ／東アジア・海外の知識Ｐａｒｔ５ ヨーロッパ・中東・その他海外（ウクライナ侵攻７）
古賀攻氏◇ウクライナから来日２０人「難民」と言わずに法律にない「避難民」と呼ぶ曖昧さ
■根本には日本が外国人の定住という課題に正面から向き合ってこなかった歴史がある
投稿は毎日新聞を活用しております（趣旨）／国連難民高等弁務官事務所が推計するウクライナからの国外難民数４２１万人の０．０００５％。４月５日に羽田に到着した２０人の割合を計算するとこうなる。遠く離れた極東の島国だから、欧州での大規模な受け入れと同列には並べられない。とはいえ日本とウクライナはともに忌まわしき侵略国ロシアを隣国に持つ。それは地政学上の共通点でもある。ウクライナ難民について、出入国在留管理庁は３月１５日に就労可能な資格「特定活動（１年）」を取得できるとホームページで通知している。ではどんな手続きでこの意思決定がなされたのかを聞くと、「特にない」らしい。調べてみると、３０種類近くある在留資格のうち「特定活動」は法相が「個々に指定する活動」とされ、就労できる範囲もワーキングホリデーなどに制限される。つまり今回の受け入れ枠組みは裁量行政の一環だった。明確なルールがないから曖昧さがつきまとう。政府が受け入れ者を「難民」ではなく、法律にない「避難民」と呼ぶ理由がここにある。
それはおかしいと、立憲民主党は3月末、「戦争等避難者」という新たな在留資格を設ける法案を衆院に提出した。行政の裁量には委ねずに、国際機関の見解に沿った基準で認定し、就労制限なし、期間は更新可能となっている。法案作りを主導したのは昨秋に初当選したばかりの立憲・鈴木庸介衆院議員（４６）だ。ＮＨＫ出身。「ウクライナだけではなく、ミャンマーやシリアから逃れた人にも適用していけば、日本はまともな人権国家になれる」と語る。根本には、日本が外国人の定住という課題に正面から向き合ってこなかった歴史がある。多くの職場が技能実習生や留学生なしには回らなくなっているのに、一時的な労働力としてしか見ないから、共生活動が育たない。日本の難民認定者数が他国より極端に少ないのは、もう耳タコの話だ。ロシアの非道な侵略で世界は変わった。外国人政策が従来通りでいいはずがない。全国からのウクライナ支援の申し出が、転機になればと思う。（毎日新聞専門編集委員）
投稿者によって、タイトル付けを行いました。 ■投稿者の文章｜政府専用機で難民来日は７月参院選への人道的支援の"やってる感"を見せるため
コロナ禍においても技能実習生や留学生はどんどん入国させる一方、「難民」受け入れを固く閉ざす日本政府。実習生など経済だけに眼を向け、難民を不条理にも断る姿勢は許されない。結果、中国・ベトナムなどの外国人の在住は優に２００万人を越えているにも関わらず、２０２０年の日本での難民申請者３９３６人に対し認定されたのは４７人。認めようとしないのは、国情が乱れる、税金を使われるなどの右翼思想に支配された自民党議員の愚かさだ。全く国際感覚がなく、国粋主義が見え隠れする。その根底には、国民の難民受け入れの賛否が半々の理由もある。もう１つ、今回、来日された方２０人の選ばれ方が不可解。ＴＢＳラジオによると、日本に滞在するウクライナ人の家族・知人・団体ら５０人が各自複数人の来日を要請したが、政府は無しの礫。どうやって選ばれたか分からない、全く別の２０人が到着した。何か恣意的な演出（政策）があったのだろうと番組コメンテーターは言う。また政府専用機に搭乗させたのは、いかにも日本が、あるいは岸田首相が国際的貢献・人道的支援をアピールしたかったのだろうとの見解。７月の参院選のために、と追加する。投稿者は、いつもながらの"やってる感"だけを見せるためだろうと思う。実態は目立たない所（ニュースにならない陰）で、相も変わらずの「難民排除」を行っていることは許されない。本当に援助姿勢を見せ、真剣な取り組みを求める。
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