koshiのお部屋2

万年三歳児koshiの駄文のコーナーです。

広がる被害

2008年06月15日 22時08分50秒 | 時事問題,ニュース

犠牲者は現時点で9人となった。
土砂に飲み込まれるように崩落した栗駒山麓の駒ノ湯温泉では,くりはら田園鉄道(旧栗原電鉄)存続のため現地を訪れていた交通博物館の学芸員も犠牲になった・・・。


宮城県北部は,海岸部と西部の旧玉造郡を除くとすべて旧栗原郡で,築館・金成・岩ヶ崎・鶯沢・花山といった町村によって構成されていた。
それが,近年の町村合併(今まで度々私が批判してきた平成の大合併)によって,県北部の田園地帯から秋田県境までの栗駒山南麓にかけて,広大な栗原市となった。
古代末期の前九年合戦の際には,各所で奥六郡(胆沢,岩手,和賀,江刺,稗貫,紫波)を治め南下してきた安倍氏の軍と,国府のあった多賀城から派遣された陸奥守の軍(前半は藤原登任,後半は源頼義)が度々矛を交えた。


また,宮城県からただ2つ,直接秋田県へ抜ける国道の1つである398号線沿線には,温湯,湯ノ倉,湯浜と3つの鄙びた温泉宿がある。
特に湯ノ倉と湯浜は電気の通らないランプの宿として知られ(電線が無く,電話線のみが通る),通には知られた存在らしい。
今一つの秋田へ抜ける千秋サンラインこと108号線は,栗原市の西隣の大崎市西部(旧玉造郡鳴子町)の鬼首地区から秋ノ宮温泉郷を抜けて,湯沢市を結ぶ。
鬼首は古代に鬼切部と呼ばれ,やはり前九年の役の古戦場で,安倍貞任・藤原(亘理)経清軍に源頼義・義家父子が大敗を喫した地でもある。
この2つのルートは,いずれも土砂崩れのために不通になっている。


一方,岩手県で被害の際立っている奥州市。
東京都武蔵野市と良い勝負のネーミングだが,合併前は水沢市と江刺市,胆沢郡前沢町,胆沢町,衣川村だった。
江刺は,上記藤原経清が住し,その子である藤原清衡も館を構えた地である。
すぐ南方には,陸奥の黄金文化の象徴とも言うべき平泉があり,これまた歴史的に見所の多い地域である。
個人的には,専ら江刺名物の岩谷堂羊羹が話題となっているが,幾度となく私が足を運び,陸奥の黄金の時代とも言うべき11~12世紀に思いを馳せた地でもある・・・。


一週間前の通り魔事件といい,今回の阪神淡路大震災と同等規模の地震といい,暗澹たる気持ちになることばかりで気が滅入りそうだ・・・。
こうして私が自宅でPCに向かっている間も,避難所で不自由極まりない生活をしている方たちや,民放の報道番組で映されて何とも気の毒だった遺族の方々は,どんな思いでいるのか,と思うと心が痛む。
昨日に比べて余震は減ったようだが,一週間以内にM5を越える余震が来る可能性は90%以上とも聞く。
ライフラインと交通網の復旧,住居の確保が急務と思うが,梅雨入りの前までに何とか目途をつけて欲しいものである・・・。


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2 コメント

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Unknown (とめぞう)
2008-06-19 21:00:53
国道108号は普通に通れますよ。
宮城県のホームページでも、通行止めになっている398号の迂回路として案内されていますよ。
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情報ありがとうございます (koshi)
2008-06-19 22:41:25
とめぞうさん,今晩は。
そうですか,108号線通れますか。
地震当日,不通とラジオで聞いたのですが,開通したのでしょうか・・・。
しかし,花山地区から岩出山,鳴子を経てですから,随分と398号から迂回することになりそうです・・・。
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