歩かない旅人

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 民主党による「占領」の終了って大きい事です。 (4)

2013-02-05 11:05:14 | 月刊雑誌。週刊雑誌を読んで
 雑誌 『WiLL』3月号の巻頭論文に、「第二次 安倍政権の世界的使命」という題で、評論家の、西尾幹二氏が18ページにわたって述べている貴重な論文がありますが、その冒頭に、民主党政権のことを、〔 新左翼集団の呪いの炎 〕という小題で書かれています。新左翼とは1960年代に出現した「全共闘」だというのです。
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 言われてみればもっともだと思います。その中で・・「左翼の独裁」という思想は旧左翼、すなわちスターリニズムに対する否定、日本で言うと日本共産党や民青に対する拒否、このような動きの中で、反帝・反ソといって、アメリカの帝国主義にもソ連の帝国主義にも反対するという形で出てきたイデオロギーだというのです。
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 西尾氏は改めて考えてみると、と言う書き方で、仙谷由人、枝野幸男、海江田万里、小平忠正、千葉景子、赤松宏隆、と民主党の各氏は全共闘の活動家であり、他の人も多く同時期に学生であり菅直人、鳩山由紀夫も似たようなものだと言います。小田実のべ平連に代表される勢力も形を変えて、生き残り、今やマスメディアの中枢に潜り込んでいると言うのです。
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 そして、NHKの深部まで侵入し、TBSや朝日新聞に代表される、左側の論調は、殆どのメディアに浸透しました。しかもそれらがどういうわけか、特亜と結びつき、日本に対してこれを壊そうとする勢力になってしまったのは、ただただ唖然とするしかありません。しかし小堀桂一郎氏の論文から、その経緯は大変わかり易く書かれていると思います。
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 中でも、昭和二十年九月末に、連合国司令官官房の発した、「新聞と言論の自由に関する新処置」と称する指令により、当時は新聞、書籍の報道機関は、「日本」の公的機関ではなくなった。いわゆる無国籍になってしまったのでしょう。今でも、朝日をはじめとして各マスメディアは無国籍状態になってしまいました。少しでも日本の、「国益」に関することを言えば、右翼扱いを受けます。この程度で右翼なら特亜三国はどれだけ右翼でしょう。
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 それでは今日は連載されていた、小堀桂一郎氏の論文の最終回になりますが、書き終えたいと思います。小堀氏は安倍氏がスローガンにした、「戦後レジームからの脱却」を、あえて、「戦後体制の克服」と言い換えて書いています。どっちがいいかは、分かりませんが、横文字を使いたくない気持ちは分かります。
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 《 雑誌 『 正論 』 3月号より 》
 
 [ 特集 安倍政権を襲う 難題 ]
 
 【 「戦後体制克服」の肝所 】   四回目
 
 ●、安倍首相が目指す、「戦後体制」からの脱却のあり方
 
  わが国が独立を回復した当時の吉田茂首相の行為から考える。
        東京大学名誉教授     小堀 桂一郎
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 ・・・・ピーアドの説く日米戦争の、「外観」は、簡単に言えば東京裁判史観である。それを従来日米両国、共に正当史観としての地位を与えて受容し、教科書的歴史記述の基礎に置いていた。それに対して彼が長い歳月に亙り心血を注いで究明した、「実態」は当初その主張者たちに、「修正主義者」との綽名が付けられることによって、多年正当史観に対する、異論としての相対的位置しか与えられていなかった。この相対化は今後もなおそう簡単には解消しないであろう。
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 だが、東京裁判史観の正統史観が米国においてよりもはるかに大きな影響を揮い続けているこの日本においてこそ、ピーアドの究明した日米戦争の、「実態」についての認識は広く普及すべき必須の要請を受けている。幸いなことに、昨平成二十四年十一月、日本会議政策担当研究員の、江崎道朗氏が数年来、雑誌、『正論』や、『別冊正論』に米国での取材も含めた旺盛な研究成果として発表されていた諸論文が、
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 『 コミンテルントルーズベルトの時限爆弾・・・迫り来る反日包囲網の正体を暴く』(展転社)と題する一冊にまとめられ、刊行された。題名はやや刺激的であるが内容はいずれも真摯な文献的研究であって、それがピーアドの考察が論究する機関の前史の部分での米国の対日戦準備の実態を明るみに出している点が基調である
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 江崎氏の研究はその全巻が、「戦後体制の克服」に共鳴する政治家・知識人にとっての必読の参考書であるが、就中いわゆる歴史認識の問題に関しては第三章、「アメリカで東京裁判史観見直しが始まった」が重要である。それは、ピーアドの指摘する、「外観」を正当化してきたリベラル達の時流に抗し、「実態」を正視せよと説く修正派の史観がピーアド没後半世紀余を経て今や、現実に力を得てきた様相を的確に考察している。
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 その考察の結果、日米同盟強化の担い手としてのアメリカの保守主義者と日本の保守派との連携を説き、東京裁判史観打破の上に立って、〔 強い日本こそがアジアに安定をもたらす 〕 との認識の確立を訴える江崎氏の論旨はまさに安倍氏への抱負へのあらかじめの共鳴として響く。
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 すでに、与えられた紙幅は尽きかけているのだが、江崎氏の研究にふれた以上、別の機会に廻すのではなく本稿の枠内で少しでも述べておきたい項目がもう一つある。安倍氏は同じ談話の中で、一昨年の暮れに宮内庁長官が持ち出した女性宮家創設案を白紙に戻し、今後内閣の検討課題とはしない旨を断言された。
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 これは、きわめて真っ当な見識であって、よくそれを言明して下さったと感謝したい重要な発言である。女系天皇容認論と、それに一皮かぶせた偽装である女性宮家創設案なるものは、所詮宮内庁とその奥座敷に当たる外務省あたりに潜伏している隠れ共和主義者的革新官僚の陰謀の所産である。その巧言に誑かされた一部のリベラル系御用学者が文字通り曲学阿世の学説を振り回して尤もらしい正当化の立論を執拗に続けている。
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 その、「阿世」と言うときのこれらの学匪が阿っている、「世」とは何かと言うことであるが、それを筆者及び、同憂の研究者たちは、GHQによる日本国破壊工作まではさかのぼらせてその淵源と考えてはいた。具体的な文献で言えば、戦後民主主義という名で需要を強いられた、〔 現存統治形式変革の方向に関する米国の希望 〕(昭和20年9月通達、「降伏後における米国初期の対日方針」)への迎合である。
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 江崎氏のこの度の研究は、この、〔米国の希望 〕には中西輝政氏の紹介によってその名は漸く広く知られるようになったあの、「ヴェノナ文書」が、翳を落としている、と指摘している。この文書にこそ、〔 いわゆる女性宮家問題の根本原因を解明する糸口がある 〕というのである。詳細は同書を参看して頂くとして、筆者にも、女性宮家創設案に対し声高に賛成を唱える論者たちは所詮コミンテルンの亡霊の走狗に過ぎないとの直観的判断があり、
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 これに伴う嫌悪感は激しいものだったが、只それは結果としてその様に見える偶然の符合なのではないかとの疑念の範囲内であった。江崎氏の研究が両者の間に存する事実上の因果関係を指摘してくれた以上、この期に及んでなお、女性宮家への固執を唱える党派の中の、(気分的賛成論の大衆はともかく)、確信犯的論者になると、これはもう、コミンテルンに淵源する国体破壊工作のの国内工作人と看破するより他なくなる。何とも浅ましい事態である。
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 安倍首相が、〔 皇位継承は男系男子 〕によるとの自らの信念を語ってくれたことは、実にありがたいが、それが氏の政治上の方針である、と言うに留まるのであれば困る。それでは同じく一つの政治的必要に発する施策であった小泉内閣の、「皇室典範に関する有識者会議」の招集に始まり民主党内閣に受け継がれて女性宮家創設案に衣装を変えて現れた謀略との対照的位置に置かれ、政治的に相対化されてしまうと言う弱味がついて回る。
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 ここは、そうした相対化を超えて、一連の女系天皇容認論とは日本の国体の崩壊を企む潜在敵国の破壊工作の一手段に他ならないとの事態を判然と認識すべきである。そして、男系男子による皇位継承伝統の堅持こそが、皇室の尊厳を守ることによって蒼生(国民全体)の安寧を万世に向けて確保する方途なのだ。との悠久の将来を見据えての思想闘争の次元で問題を捉えて頂きたい。
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 ページ数こそ10ページですが、文字の密集度は、半端ではなく、ページは真っ黒です。今時のタレントの本などを本屋でちょこっとのぞいてみると、その余白の多さに驚きます。昔の人たち、活字で育った人たちの文章はさすがに違います。もう使われなくなった漢字も小堀氏にとっては、その文字以外にないと言う信念で書かれたものと思います。
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 マスメディアの横暴に心痛めていますが。彼らに日本の心が失せて、無国籍者になってしまった状況です。朝日新聞社も、NHKもニュース番組や記事に。反日の機運がこんなに高まっていて、それに対抗する勢力も動き始めました。どうでもいいと言う考え方は。将来に重大な禍根を残すでしょう。