ピーター・コリントン/作 BL出版
昨日に引き続き、ピーター・コリントンの
文字なし絵本です。
「聖なる夜に」原題 A Small Miracle
まさにクリスマス・イブに起こった奇跡のお話です。
床板のこわれたトレーラーハウスに住むおばあさんは、
イブの朝、食べるものもたきぎもお金もないことに気づき、
ありったけの服を着て、
愛用のアコーディオンを持って出かけます。
教会には聖家族の人形が置かれ、街はクリスマスの
買い物で忙しそうに行きかう人でいっぱいです。
でも、その街角でアコーディオンを弾くおばあさんに
気をとめる人は誰一人としていないのです。
仕方なくおばあさんは、愛用のアコーディオンを
質に入れお金にかえますが、外に出たとたん、
バイクに乗ったひったくりに、
なけなしのお金をとられてしまうのです。
おばあさんはトボトボと教会へ向かいます。
そこに出くわしたのが、さっきのひったくり。
おばあさんは、教会の献金を取り返し、
教会の鍵をしっかりかけます。
ふりかえって中を見てみれば、クリブ(馬小屋)と
聖家族の像は、無残にも蹴散らされ、
ばらばらに横たわっています。
おばあさんは、一体一体を両手で大事そうに抱えて
元通りにし、献金も横に戻して、教会をあとにします。
が・・・
雪が降る中、もう何の力も残っていないおばあさんは、
家に行き着く前に倒れてしまうのです。
その後起こることがまさに奇跡!
あー、おばあさん本当によかった。
いつも弱いものに目を向けられる細やかさと、
悪に対して毅然と立ち向かう正義感。
大事なことだなぁと思います。
シンプルだけど、実際は難しいこと。
せめてクリスマスくらい、正直な心持ちで迎えたい!と
思っています。
それと、せめてクリスマスを迎えるこの一週間、
胸が痛くなる事件が起こりませんように。
少々疲れ気味のトゲトゲしがちな心を、
少しやわらかくしたいなぁと
この絵本を見ながら思ってしまいました。
自分のブログにも書きましたが「聖なる夜に」は、いいですよね!
毎年、これを読んでは涙してしまいます。
コリントンの文字なし絵本は、静かで細やかで、そして優しい絵本なので大好きです。
絵本についてあまり詳しくありませんが、絵本はホッとくつろげるので、これからもブログを読むのを楽しみにしています。
「聖なる夜に」読ませてもらいましたよ~!。今日はまさに聖なる夜ですね。
8時からの山の上の修道院夜ミサに出るべく、娘と出かけてきます。
hitsujiさんの書かれている絵本は、私もどれも好きなものばかり。
絵本だけでなく、美術館やバレー評もとても興味深くて、こちらこそ楽しみにしていますよー。