ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

スイート・ホーム・シカゴ(6)ウンチク前編

2008-12-13 | ガラスの器/ スイート・ホーム・シカゴ
空港とか、たくさんの人が動く場所で、向こうから来る人が手を振っている。だれだかよく思い出せないけど、とてもうれしげに手を振り、親しげに近づいて来るので、てっきり自分の知り合いかと思って、手を振り返そうとしたら、実は、自分へではなく、自分の後ろにいる人にだった。

皆さんも、似たような経験をされたことがあるのではないでしょうか。私などは、数えたらきりがないので、何回あったか、まったくわかりません。

今回のストーリーは、そんな勘違いが生んだ、苦いラブ・ストーリーです。

住み慣れた土地をシングルチケット一つ手に飛び立つという寂しさの上に、とんだオマケガついてしまいました。その原因は、彼の言葉を、確証もなく、勝手に自分への言葉だと思い込んだところです。

この種類の思い込み、教会の中でも、けっこうあるのです。

「とてもいいお話でした。感動しました。」こう言って帰る方に、この勘違いが見られる傾向が多いように思います。(そう言っている人はみんな勘違いしている人、と断定しているわけではありませんから。よろしく)

ストーリーの女性は、彼の言葉が自分への言葉ではなかったと、自分の勘違いに気がついたから、まだよかったのですが、教会の中で、この手の思い込みをした方々は、思い込んだまま、帰ってしまうので、大変なのです。

(次回は、解決の糸口をウンチクります。)