猫は、閉じていたもう片方の目を開けると、ゆっくりとのびをひとつしました。
それから、もうひとつのびをして、静かに立ち上がりました。
そして、音を立てないで、ピヨに近づいてきました。
花たちは、猫が近づいてくることに気がつきました。風と協力して、ピヨに危険を知らせました。
猫は、もうピヨに手が届くギリギリのところまで近づいていました。
ピヨは、おおあわてで、飛び立ちました。
ピヨが飛び立つと、猫も、いっしょにジャンプしました。
ピヨは、あまりにもあわてていたので、自分が高く飛べることを忘れていました。いっしょうけんめい、遠くへ、遠くへ、速く、速く、飛びました。猫も、やっきになって、ピヨを追いかけてきます。
ピヨは、自分がどこに向かっているのか、まったくわかりませんでしたが、目の前に現れた柵の間をくぐって、そのまま、真っ直ぐ飛びました。
猫は、柵の間を抜けられないので、くやしそうに、ピヨの行き先をにらみつけていました。
ピヨは、猫が追いかけてこないことに気がつきました。そして、やっと、自分がどこにいるのか、周りを見渡しました。
そこは、薄暗くて、少しひんやりしています。木もなければ、花もありません。その代わりに、冷たい箱のようなものが、いくつかありました。見たことのあるものは、何一つありませんでした。
「ボクは、どこに入り込んでしまったんだろう。」
ピヨは、その薄暗くて、ひんやりしたところから、早く出たいと思いました。飛び上がってみましたが、少し行くと、硬くて、大きなものが、目の前に現れます。がんばって、一番高く、飛んでみました。でも、上にも、硬くて、大きなものが現れました。
ピヨは、あっちにも、こっちにも、とにかく、思いつく方向全部に、飛んでみました。でも、どこに行っても、少し行くと、硬くて、大きなものがあって、先に進めないのです。
ピヨは、出口のない洞窟の中に、迷い込んでしまったのです。
(つづく)
それから、もうひとつのびをして、静かに立ち上がりました。
そして、音を立てないで、ピヨに近づいてきました。
花たちは、猫が近づいてくることに気がつきました。風と協力して、ピヨに危険を知らせました。
猫は、もうピヨに手が届くギリギリのところまで近づいていました。
ピヨは、おおあわてで、飛び立ちました。
ピヨが飛び立つと、猫も、いっしょにジャンプしました。
ピヨは、あまりにもあわてていたので、自分が高く飛べることを忘れていました。いっしょうけんめい、遠くへ、遠くへ、速く、速く、飛びました。猫も、やっきになって、ピヨを追いかけてきます。
ピヨは、自分がどこに向かっているのか、まったくわかりませんでしたが、目の前に現れた柵の間をくぐって、そのまま、真っ直ぐ飛びました。
猫は、柵の間を抜けられないので、くやしそうに、ピヨの行き先をにらみつけていました。
ピヨは、猫が追いかけてこないことに気がつきました。そして、やっと、自分がどこにいるのか、周りを見渡しました。
そこは、薄暗くて、少しひんやりしています。木もなければ、花もありません。その代わりに、冷たい箱のようなものが、いくつかありました。見たことのあるものは、何一つありませんでした。
「ボクは、どこに入り込んでしまったんだろう。」
ピヨは、その薄暗くて、ひんやりしたところから、早く出たいと思いました。飛び上がってみましたが、少し行くと、硬くて、大きなものが、目の前に現れます。がんばって、一番高く、飛んでみました。でも、上にも、硬くて、大きなものが現れました。
ピヨは、あっちにも、こっちにも、とにかく、思いつく方向全部に、飛んでみました。でも、どこに行っても、少し行くと、硬くて、大きなものがあって、先に進めないのです。
ピヨは、出口のない洞窟の中に、迷い込んでしまったのです。
(つづく)