この数日、ずっと雨が続いていました。こすずめのピヨは、退屈で仕方ありませんでした。だって、せっかく、飛べるようになったのに、どこにも行くことができないからです。
それが、今日は、ぽっかりといい天気です。雨に打たれてうつむいていた葉っぱたちは、きらきらひかって、ご機嫌です。木立の間を抜ける風も、楽しげに、あちこちを揺らしながら、駆け抜けて行きます。
「ボクも、どこかに行きたいな。」
ピヨは、巣から、頭を出して、遠くのほうを眺めました。遠くのほうといっても、ピヨの巣のある木のまわりに、あと何本か木があって、そして、家が並んでいます。それから向こうは、道が曲がっているので、それほど、遠くまで見えるわけではありません。
「あの曲がり角の向こうには、何があるのかな。」
ピヨが、これまで飛んだことがあるのは、木のまわりと、曲がり角の手前まででした。それより向こうには、行ったことがありませんでした。
(つづく)
それが、今日は、ぽっかりといい天気です。雨に打たれてうつむいていた葉っぱたちは、きらきらひかって、ご機嫌です。木立の間を抜ける風も、楽しげに、あちこちを揺らしながら、駆け抜けて行きます。
「ボクも、どこかに行きたいな。」
ピヨは、巣から、頭を出して、遠くのほうを眺めました。遠くのほうといっても、ピヨの巣のある木のまわりに、あと何本か木があって、そして、家が並んでいます。それから向こうは、道が曲がっているので、それほど、遠くまで見えるわけではありません。
「あの曲がり角の向こうには、何があるのかな。」
ピヨが、これまで飛んだことがあるのは、木のまわりと、曲がり角の手前まででした。それより向こうには、行ったことがありませんでした。
(つづく)