トランプ大統領は、イラン攻撃開始10分前に攻撃を思いとどまったそうである。その理由は、民間人の犠牲が150人に上るだろう、という報告を受けてのものだという。無人偵察機を撃ち落とされたという”犠牲”に比べて”引き合わない”ということらしい。考えてみれば、アメリカ側にも落ち度はある。ホルムズ海峡は”ほぼ”イランが制圧する地域であり、アメリカの無人機探査は、”挑発”と受け取られても仕方のない面はある。立場が逆であれば、きっとアメリカも撃ち落としたに違いない。歴史的なことを見ても、旧約聖書の記述を根拠として国を立てるのはまだ許せるところはあるが、それならば、イスラム教徒との宗教観の違いを乗り越える考え方を示すことが必要だろう。日本としてはアメリカに自制を促すなら、そうした”アメリカの落ち度”についても、友人としてしっかりと指摘していくべきだ。イスラエルが数百発の核兵器をもっていて、イスラム教国には許さない、というのも偏狭な考え方であろう。そこは忌憚なく意見を言うべきであろう。
香港デモの問題は、日本ではマスコミの”自粛”によって既に風化しつつある。トランプは批判しても中国のことはあまり批判しない。ひどく言わない。このダブルスタンダードな何であるのか？今、中国国内では公安当局による警戒が強まっていると言われている。それは、香港のデモが共産党の強権を押し返したことが広まっているからだという。”大規模でデモを行えば成功する”この実例を作られてしまった共産党としては、情報が広まることが本当に恐ろしいであろう。日本のマスコミは偽善者と呼ばれたくはなかろう。すでに多くの中国情報がネットに流れている中で、本当の中国の姿を国民に知らせない、自粛、これは本当に時代錯誤でありマスコミ本来の使命の放棄である。中国の民主化は日本にとっても安全保障上の重大事である。中国の真実をきちんと報道されたい。
日ロ共同経済活動が先送りになるそうである。新聞にとっては大事なことなのかもしれないが、本当はその合意の背後に本当の議論がある。日本にとって最も大事なことは”安全保障上の合意をロシアと結びたい”というものだ。ロシアにとってのメリットは、警戒すべき中国と結ぶよりも日本やその背後のアメリカとの経済的結びつきをとりたい、というものであろう。どうやら、マスコミの問題でこじれてはいるがトランプ氏とプーチン氏は本来馬が合う間柄のようである。トランプ氏の側もプーチン氏とは何らかの接近を持ちたいと思っているだろう、それはさて置き、日本にとって本当の本質的議論は「日露平和条約」である。孤立気味のロシアを西側に組み入れる役は日本にしかできない。マスコミには本質を見極めた報道を行って欲しいと切に願う。
日本人は素晴らしい民族である。寛容さがあり、思いやりがある。日本語教育推進法が成立した。これにより期待されるのは、人手不足と言われる業界の就労者だ。しかし、私が知人の経営者に聞いた話はそんな”綺麗事”ばかりではない。”安い”労働力を求めている現実があるのだ。自民党にはその”経済界の本音”がわかっているはずだ。本音と建前が交錯する世界では綺麗事を立てて汚い部分を”なかったこと”にする。結果、日本人の給料はいつまでたっても上がらないという現実の問題が浮き彫りになる。イギリスのブレグジットでは、英国人が労働者の受け入れにNOを突きつけた。しかし、勘違いしてはいけない。彼らは移民受け入れそのものに反対したのではない。”まず受け入れありき”のEUによる強制に、主権国民として「自分のことは自分たちで決める」という意思を表明したのだ。法制化するとまず”受け入れありき”になる。これが制度化の恐ろしい現実だ。国はヒューマニズムよりももっと国民に目を向けるべきだ。
