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「漂流ハケン社員」給料ダウン、結婚絶望、夢は……[前編]

2012-03-04 23:47:05 | 日本ニュース

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「漂流ハケン社員」給料ダウン、結婚絶望、夢は……[前編]
プレジデント 3月4日(日)10時30分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120304-00000002-president-bus_all


 
事業所規模別派遣労働者が就業している事業所数の割合(%)

派遣労働者保護の動きが高まっているが、彼らの生活は苦しくなる一方のようだ。将来を描けず、思い悩む彼らの声を拾っていく。

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 2008年秋のリーマン・ブラザーズの倒産が引き金となった、世界的な金融危機。日本にも多大な影響を及ぼし、経営不振に陥った企業は、大規模リストラに踏み切った。真っ先に対象となったのが派遣労働者たちだった。
「雇用の調整弁」として製造業で働く派遣契約者を中心に、いわゆる「派遣切り」によって多くの人が職や住まいを失った。08年末には日比谷公園に「年越し派遣村」が出現し、人々に衝撃を与えた。

 今でこそ「派遣受難」 の時代だが、昔からそうだったわけではない。
「短大卒業後、寮のある会社で正社員として働いていたんですけど、一人暮らしもままならないほど給料が安かったんです。派遣のほうが、収入がよくなるので派遣で働くようになりました」
 38歳の女性、藤田めぐみさん(仮名)は、1999年に派遣社員になったきっかけをこう語る。当時の時給は1800~1900円が主流、1日8時間労働で月20日勤務すれば約30万円の収入となる。20代半ばの事務職の女性で、これだけの収入を確保するのは困難だろう。しかも、残業した分も支払ってもらえる。

 しかし、それが景気の悪化とともにみるみる下がっていき、今の派遣先での時給は1650円だという。
「どんどん目減りしていきました。交通費込みで1600円台はまだいいほう。昔に比べると随分変わりましたね」
 と溜め息をつく藤田さん。同じく38歳の女性、中村千早さん(仮名)も、「確かに昔は断然、『派遣のほうがいいじゃん!』って感覚がありましたね」。と、かつての様子を振り返る。

 中村さんは短大卒業時に就職氷河期に見舞われた。内定を得ることができず、社会人1年目から地元の広島で派遣として働くこととなった。当時は腰掛け程度の軽い気持ちだった。99年に上京し、派遣で働いた後にそのまま正社員として7年半在籍。その会社を退職してからは、再び派遣での勤務を続けている。
 そんな中村さんは横浜市内で一人暮らし。派遣では別途交通費は支給されないことが多い。時給が下がれば、その分交通費を捻出するのが苦しくなる。
「以前働いていた会社は、1日7時間勤務でした。それで1カ月約3万円の定期代が自腹となるとかなり厳しいので、1日8時間以上働ける職場に変わることにしました。もう少しお金に余裕があれば、趣味を持ったり、友達と気軽に飲みにいったりすることもできるのですが……」
 中村さんによると、横浜市内の時給相場は、都内と比べて100~200円は違う。需要も都内のほうが圧倒的に多いが、都内に住めば生活費がかさむ。だから中村さんは交通費を多めに負担してでも、都内での仕事を選ぶことにしている。

 彼女たちは派遣先で長く働き、職場で実力を認められても、時給が上がることは滅多にない。人材派遣会社に登録し、そこから企業に派遣されていて、直接の雇用関係にあるのは人材派遣会社。時給の値上げを希望する場合、人材派遣会社に申し出なくてはいけない。中村さんは思い切ってかけあってみたことがある。
「『今、派遣業界は凄く厳しいんだから、そんなことを言ったところで、うちが切られるのがオチですよ』と言われ、値上げ交渉に応じてもらえませんでした」
 人材派遣会社としても、得意先である派遣先企業の機嫌は損ねたくはない。もっと安い人材派遣会社に変えられてしまっては元も子もないからだ。

 派遣先企業から人材派遣会社に「負担が増えてもいいから、時給を上げてやってくれないか」と申し出てもらえることもあるが、極めて稀なケースだ。
「契約は基本的に3カ月更新なのですが、大丈夫なはずと思いつつも、更新時期はいつも気になってしまいます」
 と藤田さんが語るように、時給を上げてもらいたくても、契約更新のことが頭をよぎり、結局は何も言い出せないまま働き続けるしかないのだ。


■収入3割減で実家に出戻り

 大手メーカーのシステム部門でエンジニアとして働き続けてきた坂本義信氏(仮名)。雇用形態は請負契約だが、16年もの間にわたって、本社に常駐して日々の業務をこなしていた。
「請負といっても、決まった仕事だけすればいいというわけではありません。一人で打ち合わせや出張にも行きますし、基本的には社員と全く同じ。雇う側からすれば一番使いやすい形でしょうね。システムの運用から開発まで何でも頼めますし。外注すればお金がかかりますから」

 そんな坂本氏はリーマン・ショック後にある日突然、契約の終了を言い渡された。まさに青天の霹靂だった。それまで自分が請負契約であることを意識することもなく、「この状態がずっと続くはず」と漠然と考えていた。在職中に、安定した正社員になるために、あえて別の会社を探すこともしなかったという。
 ただ、「社員にならないか」と誘われたことは何度かあった。
「今の仕事はなくなりそうになかったですし、正社員になる必要性を特に感じていませんでした。むしろ社員になると収入が下がりますし、異動の可能性も出てきますから」

 あっけなく契約終了を迎え、知り合いに声をかけるなどして新たな仕事を探し始めた坂本氏。しかし、リーマン・ショックの影響が大きすぎて仕事は皆無。インターネット経由で人材派遣会社5社に登録したが、徒労に終わった。当時の坂本氏は45歳で、数少ない求人を見つけても、35歳以下という条件に阻まれた。
「私が若い頃は未経験者歓迎で、若い人を自社で育てるというのが前提でした。でも、今の企業は即戦力を求めています。新卒より経験のある人をいい給料で採用するほうが、効率がいいからです。しかし、即戦力の人材は年齢が上がるにつれて、仕事が少なくなっていく。SE業界にはそんな悪循環がありますね」

 契約終了から3カ月後、坂本氏は何とか新しい仕事に就くことができた。ただし、派遣契約で収入は約3割減。それまで自宅の家賃と実家の住宅ローンを両方支払っていたが、一人暮らしをやめ、実家に戻らざるをえなくなってしまった。
 ようやく新たな職を見つけても、いつかまた切られるのではないかという不安は常につきまとう。
「同じような条件で働く同僚が何人かいます。なかには精神的に病んでしまい、会社に来なくなった人もいますね」
 正社員であれば残業が一定時間を超えると、産業医によるカウンセリングを受けられるといったフォローがあるが、派遣には一切ない。あくまで自己責任だ。少ない人数で仕事をこなしているため、休みも確保しづらい。個人の負担は、精神的にも肉体的にも増す一方だ。

 坂本氏は、システム部門を派遣の人材に頼る危うさも指摘する。
「景気が悪くなると、特に中小企業では情報システム部門は真っ先にコストダウンの対象になります。派遣や請負の技術者に任せきりだったのが、次々と入れ替わり、やがて辞めさせられてしまいます。引き継ぎが不十分で現場の正社員もシステムを把握できないようになり、大きなトラブルを起こす危険性も高まります」
 坂本氏を含む現場の人間は、自らの雇用や将来、システムへの不安を抱えつつ、日々の仕事に忙殺されている。


(「漂流ハケン社員」給料ダウン、結婚絶望、夢は……[後編] に続く)


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吉川明子=文

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「漂流ハケン社員」給料ダウン、結婚絶望、夢は……[後編]
プレジデント 3月4日(日)10時30分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120304-00000003-president-bus_all


 
派遣労働者を就業させる理由別事業所数の割合(%)

■「派遣の分際で」と見下す女性社員

 厚生労働省が09年に発表した「平成20年派遣労働者実態調査」によると、派遣労働者が就業している事業所の割合は13.8%。これを事業所規模別に見ると、1000人以上の事業所では93.3%と、企業の規模が大きいほど派遣社員の労働力に依存していることが明らかになっている。
 派遣労働者を就業させる主な理由で最も多いのは「欠員補充等必要な人員を迅速に確保できるため」(70.7%)。次いで、「一時的・季節的な業務量の変動に対処するため」(35.1%)という理由が続く。まさに派遣社員の労働力が「雇用の調整弁」として見なされていることが浮き彫りとなっている。

 前述の中村さんは、大手飲料メーカーで派遣社員として働いた経験がある。
「自分が絶対に入社できそうにない大企業に行けるというのは、派遣のメリットの一つ。そこで大きな仕事を経験できたり、いろんな人と知り合えたことは、私にとってプラスとなりました」
 そう語る中村さんだが、いいことばかりでもない。正社員と同じ仕事をしても、給料面では歴然とした差があるからだ。
「部長さんが体育会系のノリで、『僕は社員も派遣社員も一緒だと思ってるから』とおっしゃって、同じ仕事を任されていました。その気持ちはうれしいのですが、給料があまりにも違いすぎます」
 本当はもっといろんな仕事がしたい、もっと能力が発揮できると思っているが、つい自分でセーブしてしまう中村さん。
「これを私がやってしまうと、自分が大変になるだけだし、給料にも見合わない」と考えてしまい、自己嫌悪に陥るという。

 藤田さんも同じような経験がある。
「会社に総務関係のソフトが導入されたとき、なぜか私に『全国に出張して各担当者に使い方を説明してきて』と言われました。そんなことをいきなり言われても困るし、かといって断ることもできず、いやいや行きましたけど……」
 新入社員に手取り足取り仕事を教えるのは日常茶飯事。こちらが指示される立場のはずなのに、逆に正社員に教えなくてはならないことにストレスを感じる。またあるときは、顧客からのクレーム対応の矢面に立たされたこともあった。
「確かに電話を取るのは派遣の業務の一つですが、本来ならクレーム処理は正社員の仕事ですよね?」
 と話す中村さんは、大手飲料メーカーを辞めるとき、同僚の一人に「え、派遣さんだったの? 今まで知らなかった!」と驚かれたという。

 また、自分が頑張れば頑張るほど、正社員の存在が気になり始める。彼らと同じかそれ以上の仕事をしている自負はあるのに、そこには歴然とした格差が横たわっている。中村さんは言う。
「派遣はやっぱり立場が下なんですよね。例えば長く仕事をしていると、ここを改善したらいいのにと思うことが出てきます。でも、それを言える立場にないんです。言ったら言ったで『派遣は言われたことさえやればいい』と言い返されたり。その兼ね合いがすごく難しい」
 また、中村さんは派遣社員への敵意をむき出しにした女性社員にも遭遇した。
「大きな会社では、『派遣の分際で』って口もきいてくれない女性社員の方もいらっしゃいましたね。自分たちの社内での立場が、優秀な派遣に脅かされるんじゃないかという気持ちもわからないでもないのですが、こちらの仕事へのモチベーションは確実に下がります」

 そして一番寂しさを感じるのはボーナスの時期。同じ職場で同じ仕事をこなしていても、派遣社員にボーナスは出ない。
「クレジットカードのボーナス一括払いもできません。ボーナスがなくても平気だと思えるくらいのお給料をもらっていた時期もありましたが、時給が下がった今ではそんなこともありません」
 そんな中村さんや派遣社員の気持ちを察してか、ボーナス時期に「ランチに連れていってあげる!」と誘ってくれる上司もいるという。
「でも、毎回それがかえって苦痛だったりもするんですよね……」
 派遣社員は気苦労が絶えないようだ。


■頭のなかをよぎる生涯独身の寂しさ

 派遣社員のデメリットにばかり目がいきがちだが、もちろんいいところもある。藤田さんは、働きたいときにすぐ働ける点を挙げる。
「派遣会社に登録して希望を伝えれば、自分に合った仕事を探してくれます。正社員になるよりずっと手軽。これが私にとって一番のメリットです」
 正社員を希望する場合、求人情報を探して履歴書を書き、書類選考に通過したら面接を受けて……、とすべて一から自分でやらなくてはならない。派遣であれば、時給や仕事内容などの条件面についても、派遣会社の担当者に相談できる。

 2年前に結婚し、派遣社員として働く31歳の女性、松川裕子さん(仮名)も、派遣会社経由で働くことに魅力を感じる一人だ。
「派遣社員は就業時間や仕事の内容など、ちゃんとした取り決めがあったうえで就業しているので安心です。もし派遣先で条件と違うことがあれば、すぐに担当さんに話して対処してもらえます」
 松川さんは美容師を目指していたものの、体調を崩してしまい、その夢を断念せざるをえなくなった。
「知人の紹介で編集プロダクションでアルバイトをさせてもらっていたのですが、そこの派遣さんに『アルバイトより派遣のほうが時給がいいよ』と言われ、派遣で働くことに決めました」

 31歳という年齢を考えると、「正社員になるなら今しかない?」と思い悩むこともある。しかし、妊娠したら会社を辞めてしまうことになるかもしれない。
「私は結婚していて家庭のこともあるから、残業がほとんどなくて、拘束時間がきちんと決まっている派遣のほうが合っているんだと思います」(松川さん)
 働く女性にとって結婚や出産、子育てと仕事の両立は大きな課題だ。採用する側もおのずと敏感になってしまう。松川さんは言う。
「正社員の採用試験では、結婚しているだけで、面接で必ず『子どもはどうするんですか?』と聞かれます。『どうせ辞めちゃうんでしょ?』という感じで」

 出産して子育てする権利は法律で定められている。たとえ派遣社員でも、一定の条件を満たせば、産休や育休も取得できる。しかし、実際のところ妊娠したら退職する人が大半だ。
「私の周りで産休を取った派遣なんて聞いたことがないし、もし取ったとしても、次の人をすぐに雇うでしょうから、同じ職場には戻れないかもしれません」
 派遣という働き方に満足している松川さんだが、産休については少し不安そうな表情を浮かべる。

「働きたいときに働けるのがメリット」と語った藤田さんも、じわじわと年齢の壁を感じつつある。
 労働者派遣法では派遣先が契約前に面接を行ったり、年齢や性別を指定することを禁じている。しかし、実際は形骸化しており、「打ち合わせ」と称した面接が横行している。
「本当は聞いちゃいけないはずなのに、『差し支えなければ年齢を教えていただけますか?』って聞かれます。そりゃ差し支えありますって……」
 正直に38歳であることを告げた藤田さんだったが、あまりいい気はしなかったという。同じく38歳の中村さんも似たような経験がある。
「それなりに経験を積んでいる人を求める企業もあるので、まだ30代後半だとニーズもあるようです。ただ、40代になっても今と同じように採用してもらえるか、といえば不安になりますね」
 年齢の壁は男性にも立ちはだかる。前述の坂本氏の知人は都内で仕事が見つからず、現在は妻子を東京に残して名古屋に単身赴任中だという。
「正社員ではないので、当然、単身用の住まいは自己負担です」(坂本氏)

 派遣で働き始めた頃は時給がよく、融通のきく、自由な働き方に満足していた。やがて40代に近づくにつれ、派遣社員たちは不安に苛まれていく──。
「今、どうしたらいいかわからないというのが正直なところ。派遣先で中途採用の選考をしているのですが、やっぱり年齢から見ているんですよね。よくて30代前半までで、それ以降はもうだめ。そういうのを見ていると、もし私が正社員を希望しても面接にすらたどり着けないんだろうな、って思いますね」(藤田さん)
 一方、中村さんは紹介予定派遣を希望したことがある。これは、一定期間派遣社員として働き、期間内に派遣先企業と本人が合意すれば、派遣先企業で直接雇用されるという制度だ。
「履歴書と職務経歴書を提出したのですが、即座にノーという返事がきました。本当の理由はわかりませんが、おそらく年齢のこともあるようです。私は短大卒で学歴もあまりよくないですし」

 それでも、仕事の幅を広げるための努力は惜しまない。現在、藤田さんは証券外務員の資格取得を目指している。
「今の派遣先が証券会社で、会社が『費用を出すから受けてみたら?』と言ってくださったので、頑張って勉強しているところです」
 中村さんは、医療事務の資格取得を検討し始めた。
「派遣の友人がこの資格を取って調剤薬局で働いているんです。結構お給料がいいみたいなので、彼女に詳しい話を聞いてみようかなと思って」

 現在独身である二人は、縁があれば結婚したいと考えている。
「もちろん結婚して出産したいと思っていますが、もしそうなったとしても継続して働ける場所は確保しておきたい。でも最近になって、一生このまま一人でいることも考えなきゃいけないのかなという気持ちになってきました」
 と中村さんの心は揺れ動いており、明確な答えを出せずにいる。


[了]


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吉川明子=文

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派遣にとっては大問題!「待機中」の対処法
(更新日:2010年11月30日)
http://focus.allabout.co.jp/gm/gc/372680/?from=dailynews.yahoo.co.jp


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派遣スタッフにとっては大きな問題
派遣で働く人にとって、「待機中」ほど微妙な時期はないかもしれません。次の仕事があるのかないのかはっきりしない。次の仕事があるかもしれないから、本腰をいれて転職活動をする気にならない。でも、収入は途絶えている。モチベーションの維持も難しい……。

難しい問題ですが、少しでもヒントになればと今回のテーマにしました。


「待機」はどういう状態を指すのか?
「待機」という表現、実は派遣スタッフによって意味が違います。1つは、登録型派遣で働くスタッフの、派遣=雇用契約が終わって、ただの登録状態に戻って次の派遣=雇用契約を待っている期間です。もう1つは、特定型の派遣会社で働く派遣スタッフの、雇用契約は続いているが、次の派遣先が決まらず宙ぶらりんな状況。

以前、派遣スタッフの休業手当について調査したことがあります。会社都合による休業の場合、労働基準法で雇用主(派遣スタッフの場合は派遣会社)が最低でも給与の6割を払わなければならないと決められています。ところが、その調査では、派遣先や派遣会社の都合で自宅待機や休職を求められているのに、休業手当が0円だと回答した人が結構な数いたのです。

派遣スタッフが法律を知らないことをいいことに、悪徳な派遣会社がふみたおしたのかもしれません。ただそれだけでは説明がつかないくらい、休業手当0円が多い。派遣スタッフは休業だと認識しているが、実際は雇用契約が終了している待機中が混ざりこんでいると考えた方が自然ではないかと、その時思ったのです。(詳細はワークス研究所中村天江「間接雇用における休業手当の考察」をご覧ください)

登録型派遣では、ふつうこのような雇用契約がない、ただの登録状態を「待機」と呼びます。


「待機」のもう1つの定義
ところが、派遣で働く人たちに話を聞いていると、「待機」というフレーズに別の意味をこめている人に出会います。それは、ITなどの技術系派遣の人たちです。彼・彼女らは、特定派遣の派遣会社で正社員や、有期雇用契約であっても比較的長期で働いている。雇用契約はそのまま続いているけれども、担当していたプロジェクトが一段落して、次のアサイン(派遣)先が決まるまでの間のことを待機と表現します。

雇用契約が続いているので、派遣会社は研修などで時間を有効に使うよう指示を出しますし、給与や休業手当を支払っています。


待機期間中に発生する2つの問題
登録型派遣と特定型派遣で状況が微妙に違う「待機」。待機期間中に起こる問題も違います。

前者は、収入が途絶えるにもかかわらず仕事が決まらないこと。

後者は、一定の収入はあるのだけれども、モチベーションが下がることです。それまで忙しく働いてきた人が、ふと時間ができると、「このままでいいのかな」「もっといい仕事があるのではないか」と考えだし、転職活動のスイッチが入ることは少なくありません。

 

「収入が途絶える問題」の対処法
 
収入が途絶える心配
登録型派遣の「待機」は2種類あります。1つは失業保険の申請をするまでの期間のこと。もう1つは、失業保険とは関係なく、次の仕事が決まらない状態です。

失業保険の申請については、2009年に制度(慣行)が変わったのを知っていますか?仕事を失うと、会社都合であれば7日間、自己都合であればさらに3カ月後には、失業保険の申請ができます。ところが2008年まで、登録型派遣では派遣会社が離職票を出してくれず、ハローワークでも失業保険をもらう手続きができない状態が1カ月以上あったのです。派遣スタッフはその間、失業保険の申請もできず、次の派遣先が見つかる確約もありません。

リーマンショックでこのような状態に陥る派遣スタッフが続出したため、2008年末に厚生労働省から通達が出て、派遣契約が終わるまでに次の派遣先が見つからない場合、派遣スタッフが希望する場合を除き、すぐに離職票を発行しなければならなくなりました。

失業保険がもらえれば、待機期間中もそれでしのげます。派遣スタッフの中にはまだこのことを知らない人もいますし、中にはスムーズに離職票を発行してくれない派遣会社もあるので気をつけてください。派遣会社が離職票の発行をしぶる場合は、上記の書類を見せたり、どうしてもダメな場合は労働局に相談しましょう。

次に仕事がなかなか決まらないケースについてです。雇用情勢はまだまだ厳しく、思うような仕事につけない人がたくさんいます。希望条件を緩めたり、コネや人脈も総動員して転職活動をするしかない時期です。もし、派遣で仕事を探すとしたら、派遣会社に積極的に働きかけることをオススメします。この点については「希望の仕事が見つかる「派遣の求人サイト活用法」」も参考になさってください。

なお、生活の目途さえ立つなら、いっそ仕事以外の趣味や家庭生活など、ほかのことに目を向けるのにいい時期ともいえます。


「モチベーションが下がる問題」の対処法
 
モチベーションを維持する秘訣は?
仕事はなくても給料がもらえる。理想的と思う人もいるかもしれません。けれども、現実には「ただの暇ほどつらいものはない」という人がたくさんいます。とくに派遣エンジニアの場合、納期死守の仕事が多く、日々の緊張感が高い。仕事がなくなると、最初はたまった疲れをとるのにちょうどいいのものの、長く続くと不満が出てきて、会社側もマネジメントに苦労するようになります。

他の職種に比べ、エンジニアは慢性的に人手不足です。ところが、リーマンショック後の景気の落ち込みは激しく、ユーザー企業が開発をストップしたり、運用の人員を減らしたため、派遣会社に戻される派遣エンジニアが多数発生しました。現在、ニーズは緩やかに回復しているものの、派遣の案件数は最盛期におよびません。そのため、特定型派遣の派遣エンジニアの待機期間が、これまでに比べ長期化しています。

この待機期間をどう乗り越えるか?

まずは、研修や自己啓発でスキルアップの期間にあてることが考えられます。

次に、独学や有料講習への参加に限界がきたら、他の派遣エンジニアに声をかけて勉強会を開催するのもいいでしょう。顧客とのやりとりやトラブルの乗り越え方、勉強したいと思っていた他の技術分野の吸収など、テーマはつきません。何より、人に教えることは自分の勉強にもなります。

これでも限界を達してしまった場合は、派遣料金がゼロでも(少なくても)いいから現場に出してもらえないか、派遣会社に相談する方法が考えられます。実務をつむことが、一番スキルアップにつながるからです。具体的には、同じ派遣会社の派遣エンジニアのアシスタントやチームメンバーとして、業務支援をしながら実務を積むことになります。

ちなみに、これらはガイドの創作ではありません。リーマンショック後、派遣エンジニアの能力開発のために実際に行われた事例をご紹介しています。


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チェーン越し15センチの隙間から説得 事務所社長が「聞いてくれ!中島」

2012-03-04 23:46:27 | 日本ニュース


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チェーン越し15センチの隙間から説得 事務所社長が「聞いてくれ!中島」
スポニチアネックス 3月4日(日)7時36分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120304-00000058-spnannex-ent

 
拡大写真
都内のホテルに滞在し、関係者からの説得が続けられる「オセロ」の中島

 ◇「オセロ」中島 家賃滞納問題

 家賃滞納問題の渦中にある「オセロ」の中島知子(40)は、所属事務所関係者らによる“奪還”成功後、東京都内のホテルにいることが3日、分かった。

 “奪還”に成功したのは家賃滞納訴訟の判決が出た先月28日深夜。不動産管理会社社員2人が午後7時15分ごろ、マンションに入り、その5分後に所属事務所社長や弁護士ら数人が続いた。

 知人によると、中島宅のインターホンが切断されていたため、事務所社長らはドアを叩きながら呼び掛けた。昨年末から中島の両親が相談していた警視庁渋谷署の署員も同行。管理会社社員立ち会いのもと鍵を開け、ドアを開けた瞬間「ガン!」と鈍い音が響いた。内鍵のチェーンがかけられていたためだ。

 チェーン越しの15センチほどの隙間から、事務所社長が「聞いてくれ!中島」と呼び掛け、説得は深夜にまで及んだ。最後は「内鍵ですから外からは開けられない。中島さん自ら開けたようです」(知人)。


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カンニング竹山キレた!オセロ中島の「連絡先?知らねーよ」

 

 

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