「脱原発」か「属原発」かを判断するための三つの基準
12月16日に投開票日を迎える第46回総選挙が本日12月4日に公示された。
この国の『未来』を決めることになる最重要の選挙になる。
私たち主権者国民は、「思慮深く」、そして、「積極的に」行動しなければならない。
メディアが懸命に情報操作をしているが、私たちはメディアの本質を見抜き、メディアの情報操作の餌食にならないように十分に気を付けなければならない。
2009年8月30日の総選挙で、日本の主権者国民は英断を下した。
日本の歴史上、初めて、民衆が民衆の判断で民衆のための政権を樹立したのだ。
この政権がわずか10ヵ月の短命で終焉してしまった理由は、既得権益の猛烈な巻き返しにある。
日本の既得権益が、「既得権益の政治」を打破して「主権者国民の政治」が確立されることを断固阻止しようとした。
その結果として鳩山由紀夫政権が倒され、「既得権益の政治」として菅直人政権と野田佳彦政権が樹立されたのだ。
同じ「民主党政権」ということになっているが、本質がまったく異なる。
鳩山由紀夫政権は「主権者国民の政権」だったが、菅直人政権と野田佳彦政権は「既得権益の政権」だった。
既得権益は、今回総選挙を通じて、二度と「主権者国民の政権」がこの国に誕生しないように、「主権者国民勢力」のせん滅を狙っている。
その目的に沿う行動が、これまでの「生活隠し」、つまり、小沢一郎氏を軸とする政治勢力に対する徹底的な「無視」、「誹謗中傷」の報道である。
この総攻撃に対して、小沢一郎氏が反撃ののろしをあげた。それが「日本未来の党」の創設である。
「日本未来の党」に総力を結集して、「主権者国民勢力」が「既得権益」に戦いを挑む。
「主権者国民勢力」のせん滅を企図する既得権益は、マスメディアを総動員して、「日本未来の党」の伸長を阻止しようとするが、日本の主権者国民が全体の構図を認識するにしたがって、「日本未来の党」に対する地滑り的な支持が広がる可能性が高い。
今回の総選挙に際して、超重要争点につき、改めて整理をしておきたい。
そして、この情報をすべての主権者国民に流布していただきたいと思う。
超重要争点は、原発、消費税、TPP(オスプレイ)だ。
日本の原発政策が問われている。
この論争に最終的な判断を下すのは日本の主権者国民である。
脱原発を決めるのか。それとも、原発利用を続けるのか。
極めて大きな判断だ。
物理的には、すでに「脱原発」は可能である。
酷暑だった今年の夏、電力不足が喧伝(けんでん)されたが、実は電力は原発を稼働しなくても賄えた。つまり、日本の電力供給体制は、原発稼働ゼロで需要を賄えることが証明された。
原発稼働ゼロを続けると、電力会社の収支が悪化して、いずれある程度の電力料金引上げは必要になるだろう。
しかし、電力料金の引上げ前に、電力会社のリストラを進めるべきことは言うまでもない。また、発送電分離で電力会社の競争を促すことも当然必要だ。
これらの措置で、電力料金引上げは最小限に食い止められるだろう。
もうひとつの問題は、2兆円規模の原子力産業が縮小せざるを得ないことだ。いわゆる「原子力村」の住民は仕事が減ることになる。
三点目の問題をあげるなら、それは、日本の「核武装のオプション」が基本的に消えることをあげられる。
これらを整理すると次のようになる。
「続原発」を主張する人々の論拠は、
1.電気料金が多少上がる
2.原子力産業の仕事が減る
3.日本が核武装できなくなる
という点にあるということだ。
裏を返して言うと、
1.電気料金の若干の引上げを容認し、
2.原子力産業の規模縮小を容認し、
3.核武装のオプションを捨てる
ことを覚悟すれば、いますぐにでも「脱原発」=「原発ゼロ」を実現できるということになる。
私たちが判断すべきことは、このことだ。
上記1.2.3.を容認して「脱原発」を決断するか。
それとも、上記1.2.3.を容認できないとして「続原発」で進むか。
判断するのは主権者国民だ。
電気料金が少し上がることと比較しなければならないことは、原発がひとたび事故を引き起こせば、私たちの存在そのものが脅かされ、費用としても数十兆円の負担が生じる現実があることだ。
常識で判断すれば、若干の料金引き上げなどは、非常に安い負担増だと判断できるだろう。
私個人の意見は、完全に「脱原発」である。
主権者国民が「脱原発」が何よりも重要だと思うなら、明確に「脱原発」を掲げる政治勢力に一票を投じる必要がある。そして大事なことは、当選可能性のある人にその一票を投じることだ。
「脱原発」票が分散すると、議席に結びつかない。だから、「脱原発」陣営での選挙協力が大事になるのだ。
「消費税」と「TPP」も超重要な問題だ。
この解説は次回、次々回に回すが、結論だけを示すなら、
いま消費税増税を決めることは、必ず大きな災厄を招く。1937年に米国ルーズベルト大統領は超緊縮策を実行してルーズベルト不況を招き、この延長上で世界は第二次大戦に突き進んだ。消費大増税恐慌が発生することは確実だ。
TPPは関税引下げ交渉ではなく、一国制度の米国化であるとの認識が何よりも大事だ。これを踏まえるなら、日本は絶対にTPPに参加するべきではない。
主権者国民はメディアに流されずに、原発・消費税・TPPについて自分の判断を持ったうえで、同じ判断を掲げる政党に投票するべきである。