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官僚・大資本高笑いの消費税大増税を許すのか

2012-12-13 20:20:55 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

官僚・大資本高笑いの消費税大増税を許すのか




12月16日の投開票日まで、あと3日だ。


各種調査で自民党の優勢が伝えられている。


メディア情報操作の表出でもあるが、いわゆる「次点バネ」が利いているという側面もある。


2009年に成就された政権交代が生かされていれば、新しい政治が定着するはずだが、2009年の政権交代は日本の既得権益に粉々に破壊されてしまった。


この新政権に対するイメージが当時の反対政党に対する投票の流れを生む主因になっている。


2009年の政権交代後の経緯については、拙著『日本の独立』(飛鳥新社)に詳しいので、詳細はこちらをご参照賜りたい。



2009年に発足した鳩山由紀夫政権は主権者国民の政治の実現を目指す政権だった。この政権が維持されていれば、歴史はまったく異なるものになったはずだ。


同時にこの政権の主軸は小沢-鳩山ラインだった。


この小沢-鳩山ラインが既得権益から集中攻撃を浴びた。


その理由は、小沢-鳩山ラインが、既得権益による日本の政治支配構造を破壊する方向に進んだからである。


既得権益は小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏を集中攻撃した。


普天間問題、西松事件・陸山会事件の政治謀略、鳩山由紀夫氏の政治献金問題が激しく攻撃された。


この攻撃に加わったのが民主党内の既得権益勢力である。その中心に位置したのが菅直人氏、野田佳彦氏、岡田克也氏、前原誠司氏、仙谷由人氏などの面々だ。


2010年6月に民主党内既得権益派はクーデターを挙行し、政治権力を主権者国民派から強奪した。その後は、民主党の政権公約を端から破壊し尽くした。その結果として、民主党に対する絶大なる失望が生み出されたのである。



野田佳彦氏は11月16日に衆議院を解散し、民主党大敗の選挙を導いているが、惨敗の道をあえて選択したとの見方ができる。


最大の目的は、既得権益の政治を破壊しかねない小沢新党のせん滅である。


民主も自民も維新も、既得権益の政治を指向する点で違いはない。


この日本で二度と、主権者国民の政治が実現しないよう、小沢新党をせん滅することが目指されている。


すべての情報操作もこの一点に的を絞ったものであったと言える。


西松事件・陸山会事件の政治謀略がなければ2009年には小沢一郎政権が誕生していた。そして、2010年9月の民主党代表選で小沢一郎氏が選出され、小沢一郎政権が誕生していたはずだ。


真実の歴史が破壊され、ねつ造された歴史が横行し、いま、小沢新党のせん滅が画策されている。


歴史に対するこうした暴虐を私たち主権者国民は絶対に許してはならない。


既得権益に抵抗し、主権者国民の政治を最後には勝ち取らねばならないのだ。それが、主権者国民レジスタンス戦線の目標である。



今回総選挙の主要争点である消費税増税。日本の主権者国民は、これを容認するのかどうかを思慮深く考察しなければならない。


日本の国税収入は1990年度には60.1兆円あった。それが、2009年度には38.7兆円に減った。


日本の国税収入のうち、主要税目になっているのが所得税、法人税、消費税の三つである。





所得税は1991年度に26.7兆円だったものが、2009年度に12.9兆円になった。半分以下に減少した。


法人税は1989年度に19.0兆円だったものが2009年度に6.4兆円になった。3分の1に激減した。


このなかで、唯一増加したのが消費税である。


消費税は89年度に3.3兆円だったのが2010年度に10.0兆円になった。この期間に3倍になった。


消費税の国税収入に占める比率は、1990年度に7.7%だったが、2009年度には25.3%になった。


フランスやスウェーデンなどの欧州諸国では、税収全体に占める付加価値税の比率が4分の1程度であり、日本の消費税の国税収入に占める比率はすでにこれに匹敵するものになっている。



1990年から2010年にかけて、所得税収が半分になり、法人税収が3分の1になるなかで、消費税収だけが3倍になったという厳然たる事実が存在する。


このなかで、野田政権は法人税減税を先行実施して、消費税大増税を決めた。


消費税を上げる前にやらねばならないとした「シロアリ退治」は闇に葬った。


いま進んでいることは、法人税の減税を断行し、官僚の天下りとわたりの利権を維持したまま、消費税の大増税に突き進むことである。


財務省は、


「若者の負担を軽減するために消費税増税が必要」


などと言っているが、冗談ではない。


低所得で苦しむ若者にも消費税大増税は襲いかかる。


社会保障で恩恵を受ける豊かな高齢者に消費税を負担させると言うが、高齢者がすべて豊かと言うわけではない。


消費税大増税は、こうした豊かでない高齢者にも容赦なく襲いかかる。


法人税について政府税調は、2007年11月に「抜本的税制改革に向けた基本的考え方」を発表し、「日本の法人税負担は国際比較して高いとは必ずしも言えない」と発表した。


それなのに、法人税を減税し、消費税大増税の対応が取られている。



世界経済のグローバル化進展に伴い、労働賃金が低下の一途を辿っている。


このなかで政府に求められる政策は、格差助長ではなく、格差是正である。


税制においては、「能力に応じた課税」がより重視されねばならない。しかし、いま進められている政策の方向は完全に逆だ。経済的弱者をさらに苦しみに追い込む政策が進められている。


こうした現実を踏まえて、私たち主権者国民は必ず選挙に参加して、私たちの意志を表明しなければならない。







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