雪

昨夜から雪が降り始めました。雪の降る夜はとっても静か。いつもは真っ暗な遮光カーテンも、雪の夜だけはぼうっと白く浮かび上がります。

朝になっても雪はしんしんと降り続け、ビルの谷間に追いやられた空を白く染め、汚れた都会の空気を白く染め、トラックが吐き出す騒音を白く染め、最後に私の胸の内を白く染め上げて大地に下り立ちます。雪は、都会の喧騒を結晶の中に閉じ込め、作為に満ちた街の色を消し、バスを止め、電車を止め、人の足を止め、いたずらっぽく笑いながら、そんなに先を急がないでって歌います。雪が深く積もるのは、人が忘れた記憶の地層が深いから。



キンカンの実にも、大きく咲いてたお花にも、つぼみにも雪。みんな寒そう。

雪が静かに降り積もる朝って大好きだよ。お部屋は寒いけど、心はいつもより温かいの。どうしてかな?