夏の星座の一つであるへびつかい座。その南部には天の川が流れています。
その流れの中に、こんな天体が潜んでいるんですヨ↓
【 B72 】
デジタル一眼レフカメラ+口径20cm反射望遠鏡にて2005年5月撮影
※画像をクリックすると、大きい画像が別ウィンドウで開きます。
通称「S字状暗黒星雲」。欧米では "Snake Nebula"(蛇星雲)とも呼ばれてます。
名前の通り、天の川の中に見事なS字のシルエットが形成されていますネ。
実はこの黒い部分にも周りと同じように星があるのですが、
その手前に星の光を遮る「雲」のようなものがあるため、
星が無いように見えているんです。こういう天体を「暗黒星雲」といいます。
なお、この天体は米国の天文学者E.E.バーナードが作成した暗黒星雲リストの
72番目に登録されているため、"B72" というカタログ番号の名称を持っています。
暗黒星雲は星間物質と呼ばれるガスや塵(ちり)が濃くなったエリアであり、
銀河系の渦巻き円盤の面内を中心として、あちこちに散らばっています。
広角写真で見る天の川が中央で引き裂かれているかのようなイメージになっているのは、
銀河回転面付近に暗黒星雲が多く分布しているためなんですヨ。
それらの星間物質は今は輝いていなくても、いずれは集まって高温になり、
宇宙スケールの長~い年月をかけて星になっていくと考えられています。
つまり暗黒星雲は新たに生まれてくる星の材料だったりする訳です。
それにしても、この暗黒星雲は地球から見て偶然 "S" の形になっていて、
奇跡的な自然の造形という感じですネ。
コメント
あなたのブログにコメント投稿されたものです。
- キラリ [2009年7月1日 21:16]
- こんばんは。宇宙って凄い・・・
ホント黒いS字ですね。 - fornax8 [2009年7月1日 21:57]
- キラリさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
いやー、宇宙の造形には驚かされますネ。
もっと面白い格好の天体も多数ありますので、
追々紹介していこうと考えてます。