かなり間があいてしまいましたが、3/10付トピックの続編です。
適度な輝度バランスで星の光跡と夜景を表現したい。
それを実現する方法とは?
まず、撮影時の作業内容から解説しましょう。
分単位以上の長時間露出を行うにはシャッターを開きっ放しにできる
「バルブ」もしくは「タイム」というシャッターモード機能を持つ
カメラが必須、というのがこれまでの定説だったように思います。
フィルムを使う「銀塩カメラ」の場合は確かにその通りでしたが、
デジタルカメラでは必ずしもそうではなくなっています。
秒単位の露出ができるカメラでたくさん連写し、
多数の撮影画像をフォトレタッチソフトで合成すれば、
よほどの暗い被写体を相手にしない限りは、
分単位で1コマ撮影した画像と類似した結果が得られます。
例えば、5秒露出で12コマ連写して得られた画像を
全部加算合成すれば、バルブモードで1分露出した画像と
同等になる訳です。そんな処理をした作例がこちら↓
星は確かに光跡となって写ってますが、夜景の方は明る過ぎですネ。
合成にはPhotoshopという有名なレタッチソフトを使っていますが、
合成方法として単純加算の「スクリーン」を選択するとこうなります。
ここで「比較明」合成にすると夜景の露出オーバー状態を改善できます。
その作例がこちら↓
複数の撮影画像を画素レベルで明暗比較し、明るいピクセルを代表させて
合成画像のピクセルにするといった処理が行われた結果、
違う画像でもほぼ同じピクセル上に写る夜景はその最大輝度で表現され、
日周運動で移動していく星は異なるピクセル上に記録されているため、
合成後は光跡となる訳です。
星の光跡を長くしたければ単純に撮影枚数を稼いでおけばいいだけのこと。
ただし、バッテリーとメモリーカードの容量はそれなりに必要となります。
また、撮影時にシャッターボタンを押し続けるのはたいへんですし、
ブレの原因にもなるので、リモコンコード等で撮影できるカメラが望ましいです。
ちなみに当ブログ管理人はデジタル一眼レフのキヤノンEOS Kiss Digital Xに
タイマーリモートコントローラ改造品を取付けたものを使ってます。
コンパクトデジカメでは「レリーズブラケット」なるものと
銀塩一眼レフカメラ用のケーブルレリーズを用意すれば、連写モードで
指の代わりにシャッターを押し続けてくれて便利かもしれません