野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

花はほとんど開かないけど、果実が楽しみなナワシロイチゴ

2019年05月23日 06時31分53秒 | 
イチゴの花が咲くのかと待っていたが、ピンクになったところで花はおしまいのようである。
街路わきのいたるところで地面を這うようにして増え、開花している。
実は少し酸っぱいが、ジャムにするとおいしいのだそうだ。
実がなるのが楽しみである。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)






ナワシロイチゴ
ナワシロイチゴ(苗代苺、学名:Rubus parvifolius)とは、バラ科キイチゴ属に分類される植物の一種。別名アシクダシ、サツキイチゴ、ワセイチゴ、サオトメイチゴ、ウシイチゴ[1]

特徴

ナワシロイチゴの果実(伊吹山)
茎は木質化するが、立ち上がらず、他の草の上に覆い被さるように育つ。その茎から出る枝は短く立ち上がる。茎には棘がある。葉は3出複葉、時に5出、あるいは繋がって三裂の場合もある。小葉の葉先は丸く、あらい二重の鋸歯がある。葉の表は明るい黄緑で、葉脈がくぼむのでしわがあるように見える。葉裏は白い綿毛を密生する。葉は落葉性。

花は短く立ち上がる枝の先に散房状につく。花は赤っぽい紫だが花弁が小さいので目立たない。苗代の頃に赤い実が熟すため、この名がある。花期は5-6月[1]。日当たりの良いところに生え、雑草的に生育する。赤紫色の花をつける。果実は食用になり、生食には向かないが、砂糖を加えてジャムにすると美味。

古くは琉球王国で「タカイチュビ」とされ他のキイチゴ(オオバライチゴ、リュウキュウイチゴ、ホウロクイチゴなど)とともに栽培され、現在首里城敷地内で展示されている。

分布と生育環境
日本、朝鮮半島、中国などに分布。畑地や道路脇などによく出現する雑草的低木である。

孤高の立ち姿が素敵なノビル

2019年05月22日 15時13分03秒 | 
古代から日本人に親しまれてきた野蒜。
すくっと立った立ち姿が好きだ。
他人がどうであろうと、他人にどう思われようと
そんなこと関係ない
とでも宣言しているかのようだ。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)






ノビル
ノビル(野蒜、学名: Allium macrostemon)は、ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属の多年草。一部地域では、「ねんびろ、ねんぶり、ののひろ、のびろ、ねびる」とも呼称される。生のネギのようにひりひりと辛いところから、「ひる」の名が付いた。

形態・生態
地下に球根(鱗茎)を持ち、地上に細い葉を伸ばす。

葉は線形で20 - 30cmのものを数本出す。雑草にまぎれて花茎が伸びてきてはじめて気がつくことが多いが、葉の表面に白く粉を噴くので慣れると見つけやすい。タバコ位の太さにしかならず、小さなタマネギのようである。

まっすぐ立ち上がる花茎は60cmに達し、先端に一個だけ花序(散形花序)をつける。花は長さ数mmの楕円形の花被片が6枚、小さいチューリップのように集まったもので、白または薄紫を帯びる。花柄はやや長い。花は開花するが、種子ができる系統はごくまれである。代わりに花序には開花後ないしは開花前から小さな球根のような珠芽(むかご)を着生し、それを散布体とする。珠芽は紫褐色で固く密生する。たくさん集まると表面に突起の出たボールのようになる。むかごの着生が遅れれば通常の花序となるが、開花前からむかごの肥大が始まり、開花がほとんど認められないことがある。これは小型個体より大型個体ではげしい傾向がある。

むかごの散布以外にも分球でも繁殖する。


河川敷に自生するノビル
東アジアに広く分布する。日本では北海道から沖縄までの畦道や堤防上など、丈の低い草が生えているところによく自生する。主として人里近く、畑地周辺や土手でよく見かける。一説によれば、古い時代に作物と共に日本へ入ってきた、いわゆる史前帰化植物ではないかとも言われるが、はっきりしたことはわからない。 北海道ではノビルの群生が簡単には見られないことから、分布に関して再調査が必要である。

人間との関わり
Allium macrostemon - LNDDYL.jpg
葉とともに、地下にできる鱗茎が食用となる。鱗茎は地下5 - 10cmにできるため、スコップなどで掘り起こさなければならない。積極的に栽培されることは少ないが、野草として食用にされ、タマネギに似た香りと辛味があり、アサツキ等よりも鮮烈な香味を持つ。収穫後、時間が経つと辛味が強くなり、香りも悪くなる。休耕地など土壌の養分が十分な場所で育つと、鱗茎がピンポン玉程の大きさになることがある。生食も可だが、軽く茹で酢味噌等の味付けで食されるほか、味噌汁の具や薬味としても用いる。一般的に春が旬であるとされる。

文化
古くは『古事記』にその名が見える。応神天皇の歌として、

いざ子ども 野蒜摘みに 蒜摘みに
また、『万葉集』の長忌寸意吉麻呂(ながのいみきおきまろ)の歌に、

醤酢(ひしほす)に
蒜(ひる)搗(つ)き合(か)てて
鯛(たひ)願ふ 吾にな見えそ
水葱(なぎ)の羹(あつもの)
がある。

記紀の東征神話においては、白鹿に化けた地の神をヤマトタケルが蒜で打ち殺すエピソードがあるが、これもノビルである可能性が高い。

野蒜 の例句

いのしゝのやぶほりかへすのびるかな一 野明
さりげなき別れの野蒜摘みゐたり 木村蕪城 寒泉
つひに老い野蒜の門をあけておく 飯島晴子
びんらんの野蒜を愛し一本杉 三橋鷹女
みちのくのひとはかなしや野蒜掘る 山口青邨
やうやくに日が手にとどく野蒜かな 古舘曹人 樹下石上
ゆく雲の幅だけ翳る野蒜摘 能村登四郎
わらんべはすでに一握の野蒜掘る 山口青邨
何もかも野蒜田螺も地獄茄で 高野素十
何掘ると訊くより野蒜さし出しぬ 星野麥丘人
千鈞の王を釣り上ぐ野蒜掘る 山口青邨
名を知りて野蒜を人にをしへけり 右城暮石 句集外 昭和七年
国分寺跡へのびるを摘みながら 細見綾子
摘みたきもの空にもありて野蒜摘 能村登四郎
樋水ます雨に花さく野蒜かな 飯田蛇笏 春蘭
汗ばみて指美しや野蒜籠 石橋秀野
白珠や道も生野の若野蒜 上田五千石『天路』補遺
籠いつぱい野蒜を摘みて才女ならず 鈴木真砂女 夕螢
耳鳴りのうしろ従きくる烏の子 佐藤鬼房
郭公や庭後に摘みし野蒜和 水原秋櫻子 緑雲
野蒜つむ擬宝珠つむただ生きむため 加藤秋邨
野蒜など摘みわが素顔茫々たり 橋閒石 卯
野蒜など生ふる山科こゝに住む 高野素十
野蒜出て須磨子の墓へ夕畷 古舘曹人 樹下石上
野蒜噛み月日いよいよ飛ぶごとし 岡本眸
野蒜噛む旧約悪しき予言満ち 有馬朗人 知命
野蒜噛む是又花鳥諷詠詩 阿波野青畝
野蒜掘り芹摘み己れ遊ばしむ 石塚友二 光塵
野蒜掘るあしたのことは考へず 鈴木真砂女 紫木蓮
野蒜掘る繊々と上ぐ大き球 山口青邨
野蒜掘れば強きにほひや暮の春 松本たかし
野蒜掘ルその根な添そ菫草 仙化
野蒜摘み八岐に別れゆきし日も 赤尾兜子 歳華集
野蒜摘む野に雲垂れぬ湖かけて 木村蕪城 寒泉
野蒜生ふ少年啄木歌つくる 山口青邨
野蒜野に出でて壮気を培はな 上田五千石 天路
雪を削ぐ山風いたし野蒜摘み 能村登四郎



目立たないけど可憐なヒメフウロ

2019年05月22日 15時04分53秒 | 
道端で咲いていたヒメフウロとおぼしき花。
以前のアメリカフウロと比較すると、こちらのほうが大柄で、色も濃い。栽培種が漏れだしたものだろうか。
可憐な花だ。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)



ヒメフウロ(姫風露)
本州や四国の一部の石灰岩地に自生する。全草に特有の臭気があり、軟らかい開出した白毛がまばらにある。茎は基部で分枝して、高さ20〜60cmになる。葉は互生し、長さ3cm、幅5cmほどで、深く3全裂し、小葉はさらに羽状に深裂する。茎の上部の葉は羽状葉状になる。葉腋から長い花序を伸ばして、直径15mmほどの淡紅色の花を1〜2個つける。花弁には2本、濃色の筋がある。雄しべの葯は赤い。果実は長さ2cmほどの嘴状となる。古くなった葉や、結実期に入った全草は赤く染まることが多い。最近、帰化したと思われるものが市街地に見られるようになった。萼片には開出毛と腺毛がある。萼片の先端は芒になる。花期は春。(日本帰化植物写真図鑑)
学名は、Geranium robertianum
フウロソウ科フウロソウ属
図鑑に葯は赤いと記載があるが、帰化植物MLで、「ヒメフウロの葯が赤、うすピンクと黄色の3タイプがあることがわかりました。」と教えていただきました。
ヤサカフウロ(Geranium purpureum)との果実の違い。Manual of the Alien Plants of Belgiumの右の画像がヒメフウロの果実。
参考サイト:「遅咲きの花は葯が鈍い黄色」 (occasionally dull yellow in late flowers)

清楚な感じのシロバナシラン、お寺にぴったり

2019年05月22日 09時33分12秒 | 
シラン紫蘭には名前どおりの紫のものだけではなく、白い品種もあるらしい。
お寺さんの境内に咲いていた。
なぜかお寺には紫蘭よりも白花蘭があうかも。
(2019-05 神奈川県川崎市 寺社)



別のところでは、紫蘭と白蘭が混在していた。




白花紫蘭(シロバナシラン)

白花紫蘭(シロバナシラン)はラン科シラン属の多年草である。
別名を白蘭(ハクラン)ともいう。
紫蘭(シラン)の品種の1つで、分布域は重なる。
本州の福島県から沖縄にかけて分布し、やや湿った岩の上や林の中に生える。
海外では、中国や台湾にも分布する。
草丈は30センチから70センチくらいである。
葉は大形の披針形で、茎の下部に4枚から6枚が互い違いに生える(互生)。
開花時期は4月から6月である。
花は茎先に数輪ずつつく。
花被片は6枚である。
外側に外花被片が3枚、内側に内花被片が3枚が互い違いにつく。
下側にある内花被片は他の5枚と形が違い、唇弁と呼ばれる。
唇弁の先は浅く3つに裂け、そのうちの真ん中の裂片には内側に襞がある。
内花被片を花弁、外花被片を萼片とする場合もある。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。

そこだけ太陽に照らされたように明るくなるキンポウゲの群落

2019年05月22日 06時28分43秒 | 
キンポウゲはウマノアシガタの八重を指すとされているが
俳句の世界などでは、どれもキンポウゲだろう。
馴染みの黄色い花が、道路わきに群れて咲いていた。
そこだけ太陽が濃く照らし出しているように明るくなっていた。
「黄は光る色一面の金鳳華 稲畑汀子」と言うとおりだ。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)




ウマノアシガタ
ウマノアシガタ(馬の足形、毛茛、Ranunculus japonicus)は、キンポウゲ科キンポウゲ属の野草。別名キンポウゲ(金鳳花、毛茛)はウマノアシガタの八重咲のものを指す。


特徴
日本では北海道〜南西諸島まで、日本国外では朝鮮、中国、台湾に広く分布する多年草で、日当たりの良い山野に生える。草丈30-60cmで茎と葉裏には白い長毛がある。葉は根生葉が長い柄のある掌状に3-5裂した単葉で、茎の中程には柄の短い掌状の葉がつき、茎の上部には線状の小さな葉がつく。葉身は円心形で、長さ2.5-7cm。花期は春。花は直径1.5-2cm、花弁は5枚で広倒卵形、長さ10〜12mm、色は黄色。その花弁に独特の光沢があることで知られている。花後には約5mmほどの小球状の果実(集合果)をつける。

和名の由来は根生葉を馬の蹄に見立てたものと言われる。

キンポウゲ科に多い有毒植物のひとつであり、これを食べた牛が中毒を起こしたことがある。中国では「毛茛」と書き、古くから薬として用いられているが、もちろん素人が扱うのは危険である。

金鳳華 の例句

あるけばきんぽうげすわればきんぽうげ 種田山頭火 草木塔
きんぽうげこの地たづぬる神ありて 角川源義
きんぽうげまだ珍らしき日の清み 細見綾子 桃は八重
きんぽうげハモニカは子を俯向かす 岡本眸
きんぽうげ午が夕日を踏んで来る 細見綾子
きんぽうげ川波霧を押しひらく 飯田龍太
きんぽうげ野にこけて音あらざりし 岡井省二 夏炉
きんぽうげ響灘潮あぐるなり 岡井省二 前後
きんぽうげ馬に面魂なんど 平畑静塔
たがやしの埋みてありし金鳳花 右城暮石 句集外 昭和十一年
だんだんに己かがやき金鳳華 中村汀女
ぬれるだけぬれてきたきんぽうげ 種田山頭火 草木塔
六月に入るきんぽうげ青き実を 山口青邨
切株の満面喜色きんぽうげ 鷹羽狩行
別の頃日きんぽうげ原をなす 岡井省二 有時
城址の記憶落窪と金鳳華 橋本多佳子
夕方の明るき花に金鳳華 星野立子
太宰府の畦道漬えきんぽうげ 山口青邨
女学生泣きに出てをり金鳳華 右城暮石 句集外 昭和三十五年
妻を得てまぶしく来りきんぽうげ(林徹氏結婚) 細見綾子
小町忌や堅田いちめんきんぽうげ 星野麥丘人
小町忌や捨田いちめんきんぽうげ 雨滴集 星野麥丘人
山坂やうまのあしがた右ひだり 雨滴集 星野麥丘人
島の陽の刻々強し金鳳華 中村汀女
川幅に水が窮屈きんぽうげ 岡本眸
我が背に咳の泡あり金鳳花 右城暮石 句集外 昭和二十二年
水ひいて畦縦横や金鳳華 原石鼎 花影
流速の嘆きひたすら金鳳華 岡本眸
湖見えて湖畔の遠さ金鳳華 及川貞 夕焼
熊野路のここにはじまる金鳳華 高浜年尾
燦々と愛してゐるかきんぽうげ 平井照敏 天上大風
臀並べたる女流らよ金鳳華 石田波郷
菜の花に咲かわりけり金鳳花 句空
葬具庫の扉の勝手開き きんぽうげ 伊丹三樹彦
走りたくなる日もありぬ金鳳華 亭午 星野麥丘人
農薬に負けぬ金色金鳳華 右城暮石 句集外 昭和六十一年
金鳳花蘇我につながる檜前道 松崎鉄之介
金鳳花踏絵も光さびにけり 水原秋櫻子 蓬壺
金鳳花風吹くたびに黄を加ヘ 飯田龍太
金鳳華午前のまぶた痙攣す 橋閒石 朱明
金鳳華咲き故郷の道そつくり 右城暮石 句集外 昭和四十九年
金鳳華宣長の母かつの墓 山田みづえ 手甲
金鳳華明りの谷の火宅かな 岡井省二 明野
金鳳華明日ゆく山は雲の中 飯田龍太
金鳳華昼しんかんと鉄路置き 岡本眸
金鳳華東なぞへに野は展け 大野林火 白幡南町 昭和二十九年
金鳳華汽車行きてまた時経たる 森澄雄
金鳳華照りて空しき天守かな 阿波野青畝
金鳳華神婢嬰児の墓に咲きぬ 山口誓子
黄がつよし帰郷一年きんぽうげ 右城暮石 散歩圏
黄は光る色一面の金鳳華 稲畑汀子
黄金花咲くごと佐渡はきんぽうげ 阿波野青畝


春の開花を迎えたアツバキミガヨラン。名前は仰々しいが

2019年05月21日 16時27分17秒 | 
日本ではアツバキミガヨランが代表的な花であるユッカが咲き始めた。
この樹は年に春と秋の二回開花するらしい。
「君が代」という名前は日本の国歌とは関係なく、牧野大先生が「Yucca gloriosa 和名アツバキミガヨラン(厚葉君が代蘭)」という学名のgloriosaから君が代と名付けたらしい。
名前は仰々しいが、目立つ花だけに、昔からなじみの花である。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)




ユッカ
ユッカ(学名:Yucca)は、リュウゼツラン科イトラン属(ユッカ属)の植物の総称。英語ではyucca(ヤッカ)。ユッカという名前は、初期にカリブ諸島でユカ(Yuca)と呼ばれるキャッサバと混同したために付けられた名前である[3]。

特徴
イトラン属(ユッカ属)の種は同じリュウゼツラン科のリュウゼツランと形態が似通っている。ユッカは常緑の多年生植物で多くは低木であるが、中には樹高10メートルを超すものもある。葉は放射状(ロゼット)に生え、多くの種では、葉は硬く厚みがあり、形状は剣状で先が針のように硬く尖り、縁にノコギリ状の歯があり取り扱いには注意を要する。この葉の特徴から多くの種の通称に銃剣(bayonet)、短剣(dagger)、剣(Sword)、針(needle)等と名付けられている。多くの種は乾燥地帯のある程度標高の高い所で自生する。いずれも長い花茎を伸ばし多くの白から乳白色の花をつける。主な原産地はメキシコを含む北米である。

ユッカは虫媒花で昆虫との相利共生関係にある。ユッカの花の雌しべと雄しべは離れており、自然には受粉しない、ユッカ蛾により受粉し、ユッカ蛾は花に産卵する。ユッカの種子しか食べない幼虫の寄生宿主となっている。ユッカの実は大きく殆どを食べ残しユッカとユッカ蛾はともに子孫を残す[4]。

通称ユッカガはホソヒゲマガリガ科に属する3属(Tegeticula, Parategeticula, Prodoxus)のガである[5]。

リュウゼツランとユッカの違い
近縁の種であるリュウゼツラン属とユッカ属は原生地が主にメキシコ・米国南西部の乾燥地帯、多肉植物で葉の形、ロゼット状の形態など類似点が多い。 

主な違い(例外もある)は[6][7]、

葉はいずれも放射状に生えるがリュウゼツランの方がより肉厚で葉の先にとげ、葉の縁にのこぎり刃状のとげがあるのに対し、ユッカはより薄く、細く、葉は真っ直ぐでとげがないものが多い。またユッカは成長に伴い幹を形成し高く成長するがリュウゼツランはほとんど幹を形成しない。 
受粉はユッカはユッカガによるが、リュウゼツランはハチ、ガ、鳥、コウモリなどによる。 リュウゼツランの大半は一回結実性で10年から数十年に一度しか開花せず、結実後には枯れるが、ユッカは成熟個体はほぼ毎年開花し結実後も枯れず成長を続ける。
分布

ユッカの米国周辺での分布
イトラン属(ユッカ属)(49種、24亜種(subspecies))[8]は中米から北米にかけて広く自生しており、南はガテマラから北はカナダのアルバータ州に及んでいる。特にメキシコ北部のバハ・カリフォルニア州、ソノラ砂漠、チワワ砂漠(英語版)、米国中西部の乾燥地帯に多く分布している。

生育環境は 主に乾燥帯(arid) からステップ気候(semi-arid)の乾燥した環境であるが、亜熱帯(subtropical)から亜温帯(semi-temperate)にも分布している。地形的には砂漠、悪地地形、プレーリーなどの草原地帯、山岳地帯から海岸の砂丘地帯と幅広い。

利用
17-8世紀に原産地の北米から各地へ移植され、観賞用に多くの品種が開発された。 ユッカは耐寒性・耐暑性があり、あまり水を必要とせず、手入れも殆ど必要としないので、米国西部では庭園植物として広く栽培されている。

ジョシュア・ツリーに関しては米国のいくつかの州では保護されており、採取は規制されている。また夏季の休眠期に過度の水をやると死んでしまう為、造園家は避けている。

米国のニューメキシコ州ではユッカを州の花としている。

原産地の北米では多くの種の果実、種、花、花茎、稀に根が先住民により食用・薬用に利用されていた。また葉や茎から取れる繊維は衣料や日用品に加工されて使われていた。サポニンを含む樹液は洗剤としても使われた。



やっと名前がみつかったシロバナマンテマ

2019年05月21日 16時12分49秒 | 
これは同定にずいぶん苦労した。さまざまな図鑑にも、似た花はいろいろあるのに、たくさん群れて咲いている小さなピンクの花の形と花のつきかたが一致するのはなかなかみつからなかった。
手掛かりになったのは花の下にある袋のようなふくらみだった。
これでマンテマ属らしいことがわかって、どうにかたどりついた。
もとは栽培種だったのかもしれないが道端の植木の足元に群生して咲いていた。
よくみると、ナデシコ科らしい、とてもかわいい花なのだ。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)






マンテマ
マンテマ(学名: Silene gallica L. var. quinquevulnera (L.) W.D.J.Koch[3][* 1])は、ナデシコ科マンテマ属に属する草本の一種。ヨーロッパ原産の一年草で[2][* 2]、日本では江戸時代に観賞用に持ちこまれ後に逸出し野生化し、本州中部以南の河川敷、市街地、海岸などに見られる外来種となっている[2]。

特徴
全体に開出毛と腺毛が密に生え[1]、茎は下部から分枝しやや横にはって、上部は直立し高さは 50 cm くらいになる[2][* 3]。葉は楕円形で、下部のものは先端の幅が広いへら形となり全縁で柄がなく対生し[2]、長さは 2-4 cm 幅は 0.5-1 cm となる[1]。

花期は春から夏で[* 4]、茎の先端に直径 1cm の暗赤色で縁の白い 5 弁花を一方向に向けて着いた短い穂を出す[2]。

基本種はシロバナマンテマSilene gallica L. var. gallicaで[1][2][4]、花弁の色は白色[1]から淡紅色[2]。


しろばなマンテマ (白花マンテマ)

●ヨーロッパが原産です。わが国へは、江戸時代の末期に渡来しました。現在では、本州以西から四国・九州の海岸沿いや市街地をはじめ、世界各地に帰化しています。高さは20~30センチになります。茎は葉は開出毛や短い腺毛に被われます。春から夏にかけて、茎頂に穂状花序をだし、白色から淡いピンク色を咲かせます。萼筒はつぼ形で10個の稜があり、花後に膨らんで卵形になります。「マンテマ」の学名上の母種です。
●ナデシコ科マンテマ属の越年草で、学名は Silene gallica var. gallica。英名は Common catchfly。

ふくよかなイメージでなごめるフヨウの花

2019年05月21日 06時35分00秒 | 
ピンクのフヨウが咲き始めた。
少し季節的には早いとおもうのだが。
ふくよかなおばさんのイメージでなごめる。
一日しかもたない一日花であるのも、いさぎよい。
槿ムクゲと花は似ているが、葉の形で区別できる。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)





フヨウ
フヨウ(芙蓉、Hibiscus mutabilis)はアオイ科フヨウ属の落葉低木。種小名 mutabilisは「変化しやすい」(英語のmutable)の意。「芙蓉」はハスの美称でもあることから、とくに区別する際には「木芙蓉」(もくふよう)とも呼ばれる。

概要

日中の花の色の変化
中国、台湾、日本の沖縄、九州・四国に自生する。日本では関東地方以南で観賞用に栽培される。幹は高さ1.5-3m。寒地では冬に地上部は枯れ、春に新たな芽を生やす。

葉は互生し、表面に白色の短毛を有し掌状に浅く3-7裂する。

7-10月始めにかけてピンクや白で直径10-15cm程度の花をつける。朝咲いて夕方にはしぼむ1日花で、長期間にわたって毎日次々と開花する。花は他のフヨウ属と同様な形態で、花弁は5枚で回旋し椀状に広がる。先端で円筒状に散開するおしべは根元では筒状に癒合しており、その中心部からめしべが延び、おしべの先よりもさらに突き出して5裂する。

果実はさく果で、毛に覆われて多数の種子をつける。

同属のムクゲと同時期に良く似た花をつけるが、直線的な枝を上方に伸ばすムクゲの樹形に対し、本種は多く枝分かれして横にこんもりと広がること、葉がムクゲより大きいこと、めしべの先端が曲がっていること、で容易に区別できる。フヨウとムクゲは近縁であり接木も可能。

南西諸島や九州の島嶼部や伊豆諸島などではフヨウの繊維で編んだ紐や綱が確認されている[1]。甑島列島(鹿児島県)の下甑町瀬々野浦ではフヨウの幹の皮を糸にして織った衣服(ビーダナシ)が日本で唯一確認されている[2]。ビーダナシは軽くて涼しいために重宝がられ、裕福な家が晴れ着として着用したようである[3]。現存するビーダナシは下甑島の歴史民俗資料館に展示されている4着のみであり、いずれも江戸時代か明治時代に織られたものである[3]。


俳句でも芙蓉は好まれている。「亡母訪ねくるよな夕焼白芙蓉 大野林火 白幡南町 昭和二十九年」はすごみがある。
確かに夕闇の中で一輪の芙蓉で揺れたら、母親の亡霊かと思うかもしれない。



芙蓉 の例句
あふのけに汝の脛待つ芙蓉かな 齋藤玄 飛雪
ある朝の冷えや芙蓉を驚かす 安住敦
ある朝の芙蓉がひとつあと杜絶ゆ 安住敦
いたりつつその紅のとき酔芙蓉 岡井省二 有時
いちにちの終りし思ひ芙蓉閉ぢ 鷹羽狩行
いちまいに薄紅ひろぐ芙蓉かな 松村蒼石 雁
おはじきは今朝の空いろ芙蓉咲く 古沢太穂 捲かるる鴎
おもかげのうするる芙蓉ひらきけり 安住敦
お遍路のかくるる風の芙蓉かな 岸田稚魚
かくて秋定まる雨の芙蓉かな 安住敦
こころよきことのふしぎに芙蓉咲く 岡井省二 夏炉
こんなきれいな時間がありぬ花芙蓉 岸田稚魚 紅葉山
さかづきのめぐりそめけり酔芙蓉 水原秋櫻子 蘆雁以後
さはさはと松風わたる芙蓉かな 富安風生
すでに酔ひ午後の芙蓉でありしこと 稲畑汀子
そののちの日を重ねたる芙蓉かな 安住敦
その後のなほ野分めく芙蓉かな 中村汀女
たれもかれも親し白芙蓉紅芙蓉 山口青邨
つゆけさの一輪殊に酔芙蓉 水原秋櫻子 殉教
のどもとを潮の目ながれ夏芙蓉 岡井省二 有時
また秋の庭の芙蓉が咲いて呉れし 及川貞 榧の實
やぶ入の一日にしぼむ芙蓉哉 正岡子規 芙蓉
やゝ水のやさしさもどる花芙蓉 能村登四郎
マダム・バタフライのごとし酔芙蓉 鷹羽狩行
ロゼといふ色に出でたる酔芙蓉 後藤比奈夫
一輪のはや大酔や酔芙蓉 水原秋櫻子 殉教
中々に酔はざる白さ酔芙蓉 高浜年尾
九月来る醜男の庭に咲く芙蓉 三橋鷹女
亡母訪ねくるよな夕焼白芙蓉 大野林火 白幡南町 昭和二十九年
人の妻恋へば芙蓉に月険し 日野草城
人間世界芙蓉の花に日のあたりをる 中川一碧樓
今宵よりはじまる月夜芙蓉閉づ 阿波野青畝
今散りし芙蓉の花に蟻わたる 星野立子
仲秋や芙蓉は草の如く咲く 山口青邨
先づ以て亜米利加芙蓉咲きにけり 星野麥丘人
八ツ時の太皷打ち出す芙蓉哉 正岡子規 芙蓉
函館の芙蓉の朝のはじまりぬ 雨滴集 星野麥丘人
初嶋はかすみて漁戸の芙蓉咲く 飯田蛇笏 白嶽
初花の芙蓉に澄めり稽古笛 能村登四郎
初花の葉がくれ酔へり酔芙蓉 水原秋櫻子 蘆雁
十六夜や花閉ぢあへぬ白芙蓉 水原秋櫻子 緑雲
双鶴の離れて芙蓉水に濃き 渡邊水巴 富士
古家や芙蓉咲いて人なまめかし 正岡子規 芙蓉
名月や仙人掌上の玉芙蓉 正岡子規 名月
君が家の鯉いろいろや酔芙蓉 森澄雄
咲きつぎて芙蓉うつろはざり倦みぬ 及川貞 榧の實
啼くも飛ぶもいらだつ蝉や花芙蓉 渡邊水巴 富士
城石垣一片移す庭芙蓉 河東碧梧桐
夕光や芙蓉の蕊の座の紅さ 楠本憲吉 隠花植物
夕冷えに白さ極まる芙蓉かな 日野草城
夕風や芙蓉は莟数知れず 安住敦
大酔を微醺かこめり酔芙蓉 水原秋櫻子 蘆雁以後
妬心ほのと知れどなつかし白芙蓉 杉田久女
妹逝く背戸の芙蓉の桃色に 細見綾子
妻が歌芙蓉の朝の水仕かな 石田波郷
妻去れば養女かなしむ芙蓉かな 下村槐太 天涯
妻戸明けて一枚はねる芙蓉哉 正岡子規 芙蓉
子に供華の千万かなし紅芙蓉 及川貞 榧の實
子に供華の千萬かなし紅芙蓉 及川貞 夕焼
存へて浮世よろしも酔芙蓉 森澄雄
宝蔵に侍づき咲きて芙蓉の日 石塚友二 方寸虚実
居待月芙蓉はすでに眠りけり 安住敦
山人の盆の顔ある芙蓉かな 森澄雄
山門の白芙蓉まづ意にかなふ 山口青邨
島の中に島を作りて花芙蓉 鷹羽狩行
嵐めく芙蓉一叢見て去ぬる 岸田稚魚 筍流し
帰り見れば芙蓉散りつきし袷かな 杉田久女
廢舘に鷄遊ぶ芙蓉かな 正岡子規 芙蓉
廢苑や芙蓉を覆ふ葭の風 正岡子規 芙蓉
廣椽の折り曲りたる芙蓉かな 正岡子規 芙蓉
忘れ得ぬ日や初花の酔芙蓉 水原秋櫻子 餘生
打水の日を截るしぶき花芙蓉 渡邊水巴 富士
撫子も白芙蓉も白秋暑し 山口青邨
料理屋の夜の*間寂や白芙蓉 飯田蛇笏 霊芝
料理屋の夜の間寂や白芙蓉 飯田蛇笏 山廬集
旅毎日芙蓉が落ちし紅き音 西東三鬼
日や萩に雨や芙蓉にかく優し 安住敦
明家の草の中より芙蓉哉 正岡子規 芙蓉
昼過ぎつ芙蓉の下に鶏すくむ 河東碧梧桐
時に秋眉開かせくれぬ白芙蓉 松崎鉄之介
時化あとの新たなる花紅芙蓉 及川貞 夕焼
暁方の夢にこだはり白芙蓉 橋閒石 雪
月の蜘蛛寝ねし芙蓉へ力糸 後藤比奈夫
月出たり芙蓉の花の傍に 正岡子規 芙蓉
月明し明日咲く芙蓉かぞふべし 安住敦
有明の雨が濡らせる芙蓉かな 安住敦
朝々の芙蓉の数となりしかな 安住敦
朝な梳く母の切髪花芙蓉 杉田久女
朝の露汚して芙蓉珠おとす 能村登四郎
朝を果敢な蟻ら 芙蓉の底紅まで 伊丹三樹彦
朝駈けの雨の濡らせる芙蓉かな 安住敦
村會の議員住みける芙蓉哉 正岡子規 芙蓉
松が根になまめきたてる芙蓉哉 正岡子規 芙蓉
松風や芙蓉溺れむばかりにて 岸田稚魚
枝廣くたしかに開く芙蓉哉 正岡子規 芙蓉
柳散る芙蓉の庭や朝嵐 正岡子規 芙蓉
梢頭の覚めて冷たき白芙蓉 斎藤玄 狩眼
椽廣く折り曲りたる芙蓉哉 正岡子規 芙蓉
武藏野を見下す寺の芙蓉哉 正岡子規 芙蓉
歩きつつ芙蓉は萩にかくれけり 上野泰 佐介
歳月や亡師さながら芙蓉に病む 石田波郷
残月やひらかむ芙蓉十あまり 水原秋櫻子 残鐘
母の家の芙蓉や閉ぢぬ帰るべき 山田みづえ 忘
水櫛に髪しなやかな花芙蓉 中村汀女
池の日の眞つ晝間なり夏芙蓉 岡井省二 前後
池中や石も吹かるる萩芙蓉 石川桂郎 含羞
沓の跡芙蓉の下に印すらん 河東碧梧桐
深空より甍を垂るる芙蓉かな 富安風生
濤立ちて芙蓉を吹けり日本海 森澄雄
爪紅の手をのべて芙蓉折らんとす 正岡子規 芙蓉
痢人の手触れてをのゝく芙蓉かな 西島麦南 人音
白き猫芙蓉の光あつめ臥す 橋閒石 雪
白芙蓉しだいに灯恋はれけり 石橋秀野
白芙蓉ふたたび交す厚き文 野澤節子 未明音
白芙蓉凋みて落ちて綿のごと 山口青邨
白芙蓉墓大にして血統絶ゆ 福田蓼汀 山火
白芙蓉暁けの明星らんらんと 川端茅舎
白芙蓉添水のみづの流れくる 大野林火 方円集 昭和四十九年
白芙蓉白木槿庭さびしすぎ 山口青邨
白芙蓉睡竹堂の木椅子かな 松崎鉄之介
白芙蓉秋は夫人の愁ふ瞳に 飯田蛇笏 雪峡
矮鶏が鬨つくる芙蓉の花の雨 木村蕪城 寒泉
砂入れて平らかになりし芙蓉かな 右城暮石 句集外 昭和十一年
碁の音や芙蓉の花に灯のうつり 正岡子規 芙蓉
秋の空芙蓉の花に定まりぬ 内藤鳴雪
秋風をいろづけせむと酔芙蓉 阿波野青畝
空蝉や芙蓉落ちたる音閑か 渡邊水巴 富士
競ひ咲く花にはあらず芙蓉咲く 三橋鷹女
箒木は皆伐られけり芙蓉咲く 河東碧梧桐
紅芙蓉まづ白芙蓉一日ずれ 高田風人子
紅芙蓉一花の高しくらら庵 石川桂郎 四温
紅芙蓉春樹素読の声透くや 林翔 和紙
紅芙蓉村水没のダム際に 右城暮石 句集外 昭和五十年
紅芙蓉枝の向きむき四山退く 中村草田男
紅芙蓉白芙蓉又紅芙蓉 星野立子
紅芙蓉鉄扉鳴らして出入口 右城暮石 句集外 昭和五十五年
翡翠や芙蓉の枝に羽つくろひ 正岡子規 翡翠
老人の妻も老人酔芙蓉 亭午 星野麥丘人
肥汲が辞儀して括る芙蓉かな 渡邊水巴 白日
胸の手のつめたく覚めし花芙蓉 鷲谷七菜子 黄炎
船つくる木の香の匂ふ花芙蓉 清崎敏郎
色どれど淋しき頬やな花芙蓉 杉田久女
芙蓉くれなゐ蟷螂斧をかまふるは 山口青邨
芙蓉ことに簀戸のへだての美しき 及川貞 榧の實
芙蓉には蝕むといふ障りあり 後藤夜半 底紅
芙蓉に鯰裸かの胸にちちろとぶ 金子兜太
芙蓉の日うすらぐほどの雲過ぎぬ 橋閒石 雪
芙蓉の翳古郷忌幾日過ぎにけむ 石田波郷
芙蓉の花多し海鳴の曇り日 金子兜太
芙蓉の葉巻きけり蜘蛛に似し虫が 阿波野青畝
芙蓉は妙齢老の釣針魚もだゆ 中村草田男
芙蓉みな萎みぬ星座さやかなり 渡邊水巴 富士
芙蓉より明けて潮汲に明けをはる 加藤秋邨
芙蓉ヨリモ朝顔ヨリモウツクシク 正岡子規 芙蓉
芙蓉一花まづ咲き珠の小家建つ 能村登四郎
芙蓉咲いて古池の鴛やもめ也 正岡子規 芙蓉
芙蓉咲いて蟷螂の子の薄みどり 橋閒石 雪
芙蓉咲いて面影胸に甦る 日野草城
芙蓉咲きこんなに暗い真つ昼間 金子兜太
芙蓉咲きぬけふの暑さは易からむ 及川貞 榧の實
芙蓉咲き今朝の供華とす終戦日 及川貞 夕焼
芙蓉咲き倉敷川は朝澄めり 水原秋櫻子 餘生
芙蓉咲き後ろ手といふ無心あり 秋元不死男
芙蓉咲き自転車二台で竹運ぶ 金子兜太
芙蓉咲き見えぬ月見えぬ蛾眉山 金子兜太
芙蓉咲き風邪ひく山羊の風情かな 飯田蛇笏 山響集
芙蓉咲くかぎり白露結びけり 安住敦
芙蓉咲くかみなりさまとお別れだ 能村登四郎
芙蓉咲くしづけさにあり百ヶ日 安住敦
芙蓉咲く橋の袂の小家かな 正岡子規 芙蓉
芙蓉咲く風音は人々が聴いて 金子兜太
芙蓉峰うち仰ぎもす汐干狩 飯田蛇笏 雪峡
芙蓉数えていても女の険去らず 楠本憲吉 孤客
芙蓉白妙蟷螂真青秋新た 山口青邨
芙蓉見えてさすがに人の聲ゆかし 正岡子規 芙蓉
花の底美酒たたへ紅芙蓉 山口青邨
花芙蓉今宵火星は近づくと 星野立子
花芙蓉水に映りて揺るるなし 清崎敏郎
花芙蓉門跡稀に出で給ひぬ 村山故郷
草とつて芙蓉明かになりにけり 河東碧梧桐
草の中あはれ白芙蓉紅芙蓉 山口青邨
菜園のほとり芙蓉を咲かしめぬ 三橋鷹女
萎みたる芙蓉の花や磬の聲 正岡子規 芙蓉
萩を焚くついで芙蓉も鶏頭も 星野立子
萩芙蓉一日の妻を見棄てけり 齋藤玄 飛雪
萩芙蓉馬場移公子来て雨鮮し 星野麥丘人
落芙蓉すうっと 終章いそがねば 伊丹三樹彦
葉を出でゝ雪一塊の芙蓉かな 渡邊水巴 白日
葉を打つてしぼみ落ちたる芙蓉かな 杉田久女
蒼天や芙蓉はさらに身に近き 渡邊水巴 富士
薪割って初咲芙蓉ゆれにけり 及川貞 夕焼
藤村晩年の町曇天に芙蓉うかぶ 古沢太穂 火雲
蟷螂のほむらさめたる芙蓉かな 河東碧梧桐
行く秋を開ききつたる芙蓉哉 尾崎放哉 大学時代
行李空しきを芙蓉の宿に置き捨てん 中川一碧樓
袖の如ひるがへる葉や酔芙蓉 水原秋櫻子 殉教
裏庭は山つゞきなり紅芙蓉 星野立子
西子湖に映り源平咲き芙蓉 鷹羽狩行
西子湖の芙蓉のつぼみ拳大 鷹羽狩行
覚めてふと胸のくもりや白芙蓉 鷲谷七菜子 黄炎
豊満の美に佛性や紅芙蓉 富安風生
賓蔵に待づき咲きて芙蓉の日 「方寸虚実」石塚友二
起きぬけにシャヮー浴びたる芙蓉かな 草間時彦
跨虹橋に師とある如し白芙蓉 松崎鉄之介
逢いたさの雨白芙蓉擦過して 楠本憲吉 方壺集
逢ひにゆく袂触れたる芙蓉かな 日野草城
酔ひも酔ひさまにならむと芙蓉かな 阿波野青畝
酔態をへだてし葉あり酔芙蓉 水原秋櫻子 蘆雁以後
酔芙蓉すぐ午後が来て夕ベきて 安住敦
酔芙蓉のこして拓く駐車場 水原秋櫻子 餘生
酔芙蓉よりいささかの酔おくれ 能村登四郎
酔芙蓉ヨハネ村上忌も過ぎて 燕雀 星野麥丘人
酔芙蓉倚らしむ月日ありにけり 星野麥丘人
酔芙蓉溝より鼠跳びにけり 岡井省二 猩々
酔芙蓉白雨たばしる中に酔ふ 水原秋櫻子 殉教
酔芙蓉雪膚花顔と詩にも言ふ 水原秋櫻子 蘆雁以後
銀水引掛けばや白芙蓉そへて 山口青邨
門の辺の芙蓉の数も夕爾の忌 安住敦
雑草園女の客や酔芙蓉 山口青邨
雜草の雨にぬれたる芙蓉哉 正岡子規 芙蓉
雨にぬれて雜草の中の芙蓉哉 正岡子規 芙蓉
雨の芙蓉花かたつらになひきけり 正岡子規 芙蓉
霧ふかく酔いまだしや酔芙蓉 水原秋櫻子 殉教
露ながら一瓣すでに酔芙蓉 水原秋櫻子 晩華
露なくて色のさめたる芙蓉哉 正岡子規 芙蓉
面影は風に吹かるゝ白芙蓉 日野草城
風すぐに白き芙蓉を抜けにけり 星野麥丘人
風のまま芙蓉の花のひろがりて 後藤夜半 底紅
風はらむはずみにひらく芙蓉かな 阿波野青畝
風よりも細き身のひと花芙蓉 鷹羽狩行
髪刈りしのみの日曜芙蓉落つ 能村登四郎
鰯焼く煙芙蓉を犯しけり 日野草城
鵞の卵孵らず芙蓉散りそむる 橋閒石 雪
黒髪を梳くや芙蓉の花の蔭 日野草城

芙蓉 続補遺

*ずずだまを植し母なし芙蓉咲 松窓乙二
おしむなよ芙蓉の陰の雨舎り 支考
まだ痩ぬ蝶や芙蓉の暖まり 中川乙由
刈揚や芙蓉の寺も門並に 鈴木道彦
夏の僧の無沙汰佗るや散芙蓉 鈴木道彦
山も岡も芙蓉に露を置がごとし 樗良
星の精や八日にさける白芙蓉 加藤曉台
暮の鐘きかずにしぼむ芙蓉哉 木導
曇る日は猶ちからなき芙蓉かな 木導
月やこの芙蓉も持たずくもる庵 松窓乙二
月宵~芙蓉日~にはなの露 井上士朗
月満て芙蓉の花のすわりけり 加藤曉台
有明の鏡になをる芙蓉哉 林紅
朝露のはれなる白き芙蓉哉 旦藁
枝ごとに苔もちあふ芙蓉哉 卓池
百合は過芙蓉を語る命かな 風麦
立出て芙蓉の凋む日にあへり 加舎白雄
笄に芙蓉の落花集めけり 三宅嘯山
笠の内色をふくめる芙蓉哉 りん女
筆と見て見ひらく芙蓉の命かな 素堂
芙蓉さく今朝一天に雲もなし 宮紫暁
芙蓉の香苔のみづらにこぼれけり 椎本才麿
花芙蓉美女湯あがりて走りけり 素堂
茶筌もて真の掃除や白芙蓉 其角
蕣のつぼみて渡す芙蓉哉 卯七
露と日に光りわかるゝ芙蓉哉 三宅嘯山
鵙の声院の芙蓉を鄙にする 鈴木道彦



端正な花なのに名前で不利になっているドクダミ

2019年05月21日 06時14分31秒 | 
いたるところで咲き始めたドクダミ。
この前までは野原の白い花はハルジオンだったが、
今ではドクダミが大半を占める。よく見ると端正な花だ。それに芽の形も美しい。
名前がひどいけど、ドクダミ茶などで馴染みの名前になってきた。
もともとは毒を抑えるという意味らしい。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)




ドクダミ
ドクダミ(蕺草、蕺、学名:Houttuynia cordata)はドクダミ科ドクダミ属の多年草。 別名、ドクダメ(毒溜め)、ギョセイソウ(魚腥草)、ジゴクソバ(地獄蕎麦)。

名称
古くは、之布岐(シブキ)と呼ばれていた。どくだみの名称は「毒矯み」(毒を抑える)から来ている。ドクダミ自体に毒はない[1]。中国語と同様の魚腥草(腥の意味は「生臭い」)、ベトナム語のザウザプカーまたはザウジエプカー(ベトナム語: rau giấp cá/ rau diếp cá 、意味は「魚の野菜の葉」)、英語のfish mint, fish herb, fishwortなど、魚の匂いに纏わる名称も多い。英語にはそのほか、lizard tail(トカゲの尻尾), chameleon plant(カメレオンの植物), heartleaf(心臓の葉)や、bishop's weed(司教の草)という表現もある。

形態・生態等
多年生の植物[1]であり、住宅周辺や道ばたなどに自生し、特に半日陰地を好む。全草に強い臭気がある。開花期は5~7月頃。茎頂に、4枚の白色の総苞(花弁に見える部分)のある棒状の花序に淡黄色の小花を密生させる(総苞は実質イミテーション)。本来の花には花弁も萼(がく)もなく、雌蕊と雄蕊のみからなる。 繁殖力が高く、ちぎれた地下茎からでも繁殖する。

利用
食用
加熱することで臭気が和らぐことから、日本では山菜として天ぷらなどにして賞味されることがある。日本において料理用のハーブとして用いられる事は無いが、葉を乾燥させてどくだみ茶を製造する事がある。これは一種のハーブティとして、麦茶のように飲まれる事が多い。どくだみ茶は商品化もされている。爽健美茶の主原料の1つとしても有名。


他の香草と共に食されるドクダミ(ベトナム)
また、ベトナム料理では、とりわけ魚料理には欠かせない香草として生食される。ただし、ベトナムのものは日本に自生している個体群ほど臭気はきつくないとも言われている[要出典]。

中国西南部では「折耳根(ジョーアルゲン 拼音: zhéěrgēn)」と称し、四川省や雲南省では主に葉や茎を、貴州省では主に根を野菜として用いる。根は少し水で晒して、トウガラシなどで辛い味付けの和え物にする。

薬用

生薬として、開花期の地上部を乾燥させたものは生薬名十薬(じゅうやく、重薬とも書く)とされ、日本薬局方にも収録されている。十薬の煎液には利尿作用、高血圧、動脈硬化の予防作用などがある。なお臭気はほとんど無い。 また、湿疹、かぶれなどには、生葉をすり潰したものを貼り付けるとよい。

漢方では解毒剤として用いられ、魚腥草桔梗湯(ぎょせいそうききょうとう)、五物解毒散(ごもつげどくさん)などに処方される。しかし、ドクダミ(魚腥草、十薬)は単独で用いることが多く、漢方方剤として他の生薬とともに用いることはあまりない。


俳句の世界でも、名前の余波は大きい。
「どくだみやこの世のユダの数ほどに 鷹羽狩行」はあまりにかわいそうかも。



十薬 の例句

うしろ手を解き十薬に親しみぬ 岡本眸
さからはず十薬をさへ茂らしむ 富安風生
しづかな道となりどくだみの芽 種田山頭火 草木塔
どくだみに降る雨のみを近く見る 秋元不死男
どくだみのくもりのひとを近づけず 大野林火 冬雁 昭和二十二年
どくだみのわれはがほなる二葉かな 富安風生
どくだみの十字に目覚め誕生日 西東三鬼
どくだみの密生神を斎く庭 山口誓子
どくだみの白妙梅雨の一日昏る 橋本多佳子
どくだみの終りしからに灸花 後藤夜半 底紅
どくだみの花いきいきと風雨かな 大野林火 冬雁 昭和二十一年
どくだみの花と夏天の鷺と白し 山口青邨
どくだみの花を踏みくる氷室守 百合山羽公 春園
どくだみの花咲くと洗ふ蜆かな 山口青邨
どくだみの花炎天の水に咲く 松村蒼石 寒鶯抄
どくだみの香にたつ土の薄暑かな 西島麦南 人音
どくだみへ 踏み込む 薬師は裏拝み 伊丹三樹彦
どくだみもやさしき若葉してゐたり 平井照敏 猫町
どくだみやこの世のユダの数ほどに 鷹羽狩行
どくだみや年々に喜怒淡くなり 鷹羽狩行
どくだみや真昼の闇に白十字 川端茅舎
どくだみや繁みが上の馬ぼこり 史邦
どら猫やどくだみの花踏みしだき 相生垣瓜人 負暄
一藪をたゞ十薬の匂ひ哉 正岡子規 十薬
人踏みし十薬匂ふ新しさ 右城暮石 句集外 昭和十三年
十薬が匂ふ恋しさともちがふ 細見綾子
十薬に一点の雨廃工場 桂信子 晩春
十薬に外出や三たび降りつのり 石橋秀野
十薬に彳ちて己を宥さずをり 野澤節子 未明音
十薬のそこら咲きみち梅雨宣言 山口青邨
十薬のましろき襟の信徒たち 平井照敏
十薬の匂ひに慣れて島の道 稲畑汀子
十薬の十字じめりへ発破音 秋元不死男
十薬の十字を額に悔いにけり 上田五千石『田園』補遺
十薬の大なだれしてゐるところ 石田勝彦 秋興以後
十薬の枯れたる花の十文字 清崎敏郎
十薬の根の長々と瓦礫より 細見綾子
十薬の根を押す雨となりにけり 岡本眸
十薬の水に映るは一弁欠く 山口青邨
十薬の渚のごとく歩を返す 古舘曹人 砂の音
十薬の白梅天となら妥協 後藤比奈夫
十薬の聖十字満つわが歩々に 山口青邨
十薬の花が白いなどこのやうな生涯 中川一碧樓
十薬の花に涼むや楽屋裏 松本たかし
十薬の花のたひらは浄土まで 鷹羽狩行
十薬の花の十字に襟正す 山口青邨
十薬の花の十字の梅雨入かな 石田波郷
十薬の花の咲く花圃薬学科 後藤比奈夫
十薬の花の真白きこと不安 後藤比奈夫
十薬の花咲きたてや草の中 星野立子
十薬の花庭埋むまた見るべし 山口青邨
十薬の花粉をくわへ蟻走る 上野泰
十薬の蕊高くわが荒野なり 飯島晴子
十薬の蕚あはれにも低きかな 山口誓子
十薬の雨朝々を鬱しをり 角川源義
十薬の香の墓に子とあそびをり 石田波郷
十薬はにはの醜草人のくすり 山口青邨
十薬も天に咲く花九十九谷 林翔 和紙
十薬も梅雨のあがりし朝の日に 長谷川素逝 暦日
十薬やうごきて杜の外の空 岡井省二 前後
十薬やつひにひとりの旅の尿 小林康治 四季貧窮
十薬やわびしけれども世を遁げず 上田五千石『天路』補遺
十薬や世に古りそめしわが俳句 石田波郷
十薬や人に尽くせし尽くし甲斐 鷹羽狩行
十薬や何を植ゑても出来ぬ土地 正岡子規 十薬
十薬や夏のものとて花白し 田川鳳朗
十薬や夜へ突立つ坂がかり 鷲谷七菜子 銃身
十薬や山路細まり土湿り 星野立子
十薬や才気ささふるもの狂気 鷹羽狩行
十薬や捧げて担ぐ米五升 伊藤白潮
十薬や木魂遊ばす子のたむろ 角川源義
十薬や母には会へぬ世に生きて 上田五千石『風景』補遺
十薬や母の生地の土やはらか 上田五千石 田園
十薬や犬をつなげば猫が来て 岡本眸
十薬や瓦の文の聖十字 水原秋櫻子 餘生
十薬や石垣つゞく寺二軒 村上鬼城
十薬や蕗や茗荷や庵の庭 正岡子規 十薬
十薬や衰へねども石に倚り 上田五千石『天路』補遺
十薬や酔のこりたる咽喉の奥 藤田湘子 途上
十薬や鴉吹かるる峡の雨 角川源義
十薬を摘みに来る姉巷に老い 山口青邨
十薬を白と思ふまで稲光 斎藤玄 狩眼
十薬を見れば農婦に見られけり 山口誓子
十薬を踏むやたちまち臭ひだつ 上村占魚
十薬咲く清く痩せたる苔地かな(王龍山) 細見綾子
取り果てず草と十薬に花咲かす 及川貞 榧の實
墓群よりも十薬ひしと寄り合へる 石田波郷
大甍どくだみ生えて垂れさがり 野見山朱鳥 曼珠沙華
巖迫り雨の饒舌どくだみに 古舘曹人 能登の蛙
指に莨熱くどくだみの中に立つ 大野林火 青水輪 昭和二十六年
村中を墓にどくだみ花ざかり 斎藤玄 雁道
熱の眼に十薬遠し置きにけり 石川桂郎 含羞
男神寧し十薬花を消し 岡井省二 明野
石垣の雨にどくだみ初夏の花 廣瀬直人 帰路
禅寺に咲きし十薬白十字 右城暮石 句集外 昭和五十年
細香の恋どくだみの臭に立つよ 山口誓子
芍薬にうき十薬のしげり哉 尚白
花言葉なき十薬は十字切る 上田五千石『琥珀』補遺
華僑の塀から 噴き出し十薬 暮色阻み 伊丹三樹彦
葉桜やどくだみの叢は夜のごとく 山口青邨
藪跡の十薬匂ふ明地かな 正岡子規 十薬
蛇の匂ひ十薬に似し記憶あり 右城暮石 句集外 昭和十三年
螢袋十薬畳拭きて咲く 山口青邨
裾まく十薬 討死武将の墓双つ 伊丹三樹彦
車庫に干すどくだみげんのしやうこなど 右城暮石 一芸
道冷えて十薬は咲き満ちにけり 山田みづえ 忘
金星も十薬もいま囁くほど 岡本眸
階上にまで十薬のはつきりと 山口誓子
雨のなか十薬の白のみ信ず 鷹羽狩行
雫落ち十薬の花またゝきぬ 清崎敏郎
露草の瑠璃十薬の白繁り合へ 石田波郷


三位一体のムラサキツメクサ

2019年05月20日 14時32分24秒 | 
かつて五世紀頃にアイルランドを訪れてキリスト教を布教したパトリックが、クローバーの三枚の葉を使って三位一体を教えたのだという。それでクローバーはアイルランドの国の花となっている。この花もその栄誉にあずかっているらしい。ゲンゲと同じようにミツバチのために蜜を供給し、鋤き返して畑の肥料になるという。
(2019-05 神奈川県川崎市 公園)






ムラサキツメクサ
ムラサキツメクサ(紫詰草、Trifolium pratense)はシャジクソウ属の一種である。和名ではアカツメクサとも、あるいは一般に赤クローバーとも呼ばれる。

ヨーロッパ、西アジアおよび北西アフリカ原産であるが、世界中に移入されている。以下の7変種が知られており、変種毎に分布も変わる。日本にはシロツメクサと共に牧草として明治以降移入されたようである。

形態
多年生の草本で、大きさは株により 20-80cm とまちまちであり個体変異が大きい。互生する葉は3枚の葉片から構成されるいわゆる三つ葉で、葉片3枚をあわせた径は 15-30 mm であり、葉片1枚の幅は 8-15mm である。各葉片には葉の中ほどに特徴的な三日月型の白い模様が入る。葉柄は長さ 1-4cm で2本の托葉を備える。

花は鞠状の集合花序をなし、その径は 2-3cm である。花色は黒みがかったピンクで、基部ほど色が薄くなる。稀に白花を咲かせる株もあり、この変異が固定された園芸種をセッカツメクサ(雪華詰草)またはシロバナアカツメクサ(白花赤詰草) Trifolium pratense f. albiflorum とも呼ぶ。

花が終わって果穂が目立つアカシデ

2019年05月20日 14時21分51秒 | 
公園で、果穂をたくさん吊り下げているアカシデが目立った。
日の光だけがひたすらまぶしい。
新緑の季節を満喫できる最近の日々である。
(2019-05 神奈川県川崎市 公園)





アカシデ
アカシデ(赤四手、赤垂、学名:Carpinus laxiflora)は、カバノキ科クマシデ属の落葉高木。別名はコシデ、シデノキ、ソロノキ、コソロ[4]。

特徴
北海道南部、本州、九州、朝鮮半島に分布する。特に関東地方の雑木林には多い。高さは15mほど。花期は3月〜5月頃で、若葉が生えると同時に咲く。秋には葉が紅葉する。ケヤキに似て箒状に育つが、ケヤキほど大きくはならないため、庭木として雑木林の野趣を演出したい場合などによく利用される。自然樹形に観賞価値があるため、剪定に不向きであるが、剪定せずとも樹形が整いやすい[4]。その他、シイタケのほだ木、製炭材、公園木などに利用される。

和名の由来は、若芽が赤いこと、秋に美しく紅葉することから。「しで」は、注連縄(しめなわ)などに使われる紙垂(しで)のことで、花穂の垂れ下がる様子が似ていることから[4]。

ソロと呼ばれる木には、ほかにイヌシデ、クマシデがあるが、アカシデはそれらに対しやや小ぶりで新芽が赤く、全体に赤みを帯びることから「アカシデ」と呼ばれるが、「赤芽シデ」、「赤目シデ」の呼称もある[4]。

種小名 laxiflora は「まばらな花の」という意味。

シンプルさが好ましいニガナ

2019年05月20日 05時43分44秒 | 
この種の花としてはとても作りがシンプルなので、好きな花です。
花弁が多すぎないのも涼しそうでいいですね。
もう季節は過ぎたのに、まだ元気なニガナでした。
(2019-05 神奈川県川崎市 公園)




ニガナ
ニガナ(苦菜、黄瓜菜[1]、学名:Ixeris dentata)は、キク科の多年草である。

路傍・田畑・山野に普通で環境により多形を示し、日本全土、東アジアの温〜亜熱帯に分布する。高さ約40〜70cmで、茎は上部が枝分れし白汁を有し、苦味が多く、和名の由来にもなっている[2]。根出葉は柄が長く、茎葉は基部が茎を抱き、下のものほど細長い。
5〜7月に、黄色の5弁花に見える舌状花を5〜7個もつ頭花を散状に開く。雄蕊は筒状に合着し、先が二つに分かれた雌蕊を抱く。

由来の恐ろし気なテイカカズラ

2019年05月20日 05時35分38秒 | 
恋する人の墓に絡みつくとは、恐れ入った由来のテイカカズラ。
言われてみればどことなく、その雰囲気のある花です。
巻きつかれた樹木は枯れてしまうほどの強い力をもった植物とか
恋の怨念でしょうか。好かれたほうも大変そうです。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)






テイカカズラ
テイカカズラ(定家葛、学名: Trachelospermum asiaticum)は、キョウチクトウ科テイカカズラ属のつる性常緑低木。有毒植物である。

和名は、式子内親王を愛した藤原定家が、死後も彼女を忘れられず、ついに定家葛に生まれ変わって彼女の墓にからみついたという伝説(能『定家』)に基づく。

形態・生態
茎からは気根を出して他のものに固着する。茎の表面には多数の気根が出た跡が残るので、樹皮には多数の突起がある。大きくなると、枝先は高木層の樹冠に達し、幹は直径数cmに達する。

成木になると樹皮から離れて枝を空中に伸ばし、葉は大きく黄緑色になる。葉は長さ1cm(幼木)から数cm(成木)あり、質感は様々で、一般に幼木の方が革状で光沢がある。特に幼木の間は地上をはいまわり、地面に葉を並べる。このときの葉は深緑色で、葉脈に沿って白い斑紋が入ることが多い。

茎や葉を切ると白い乳液が出る(有毒)。

6月頃に花を咲かせる。花は房状の花序が垂れ下がったところにつく。花弁の基部は筒状で、先端は5裂して広がる。それぞれの裂片は先端が断ち切られて丸まったような三角形で、それぞれにわずかにねじれ、全体としてプロペラ状になる。花ははじめ白く、次第に淡黄色になり、ジャスミンに似た芳香がある。

果実は細長い袋果で、2個が対になってぶら下がり、熟すると縦に裂け目を生じて種子を散布する。種子にはとても長く白い綿毛があり、風で飛ぶ。

ヒルガオに代わって目を奪うヒルザキツキミソウ

2019年05月19日 14時34分23秒 | 
ヒルガオと対照的に最近よく目にするようになったのがヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)。
もとは園芸種だが、今ではいたるところに進出している。
明治時代からはいってきたユウゲショウとならんで、
ヒルガオをすっかり圧倒してしまった。
どちらもマツヨイグサの名残りが濃く残っている。
こうした外来種で日本の植生が変わっていくのは避けられないことだし、わたしたちの目を喜ばせてくれる。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)






ヒルザキツキミソウ
ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草、学名:Oenothera speciosa)は、アカバナ科マツヨイグサ属の多年生植物。

特徴
草丈は30-60cmくらい。葉は披針形で互生する。5-7月頃に、4-5cmくらいの大きさの、白または薄いピンク色の花を付ける。花弁の数は4枚で、8本の雄蕊と、先端が十字型をした雌蕊がある。

北米原産の帰化植物であり、観賞用として輸入・栽培されていたものが野生化している。名称の由来は、宵に咲くツキミソウと違って、昼間にも開花していることによる。


花が終わりかけているウツギ

2019年05月19日 12時42分57秒 | 
ウツギの花が終わりかけている。
同じく花期が終わりかけているエゴノキと花がそっくりだが、
葉を比べてみると、葉の手触りや形、とくに外縁部の形状などで区別できる。
ウツギはまた卯の花の愛称で知られる。唱歌は有名だろう。
ぼくもウツギの花を見た日は、一日あのメロディが心の中で鳴っていた。
俳句も多く作られている。あまり多いので省略したが。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)





ウツギ
ウツギ(空木、学名:Deutzia crenata)[注釈 1]はアジサイ科ウツギ属の落葉低木。
特徴
樹高は2-4mになり、よく分枝する。樹皮は灰褐色で、新しい枝は赤褐色を帯び、星状毛が生える。葉の形は変化が多く、卵形、楕円形、卵状披針形になり、葉柄をもって対生する。花期は5-7月。枝先に円錐花序をつけ、多くの白い花を咲かせる。普通、花弁は5枚で細長いが、八重咲きなどもある。

ウツギの名は「空木」の意味で、茎が中空であることからの命名であるとされる。 花は「うつぎ」の頭文字をとって「卯(う)の花」とも呼ばれ、童謡『夏は来ぬ』で歌われるように初夏の風物詩とされてきた。 旧暦4月を卯月と呼ぶのは「卯の花の咲く季節」の意であるとされる。

分布と生育環境
北海道南部、本州、四国、九州に広く分布。 山野の路傍、崖地など日当たりの良い場所に生育するほか、畑の生け垣にしたり観賞用に植えたりする。


ウツギは卯の花の愛称で「夏は来ぬ」で歌われたのでおなじみだろう。
風物詩としてはもうすたれたものばかりかもしれないが。
「楝(おうち)ちる」とはセンダンの花が散っていることだ。これは今では耳で聞いても理解できないだろう。



「夏は来ぬ」
卯の花の 匂う垣根に
時鳥(ほととぎす) 早も来鳴きて
忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ

さみだれの そそぐ山田に
早乙女が 裳裾(もすそ)ぬらして
玉苗(たまなえ)植うる 夏は来ぬ

橘の 薫るのきばの
窓近く 蛍飛びかい
おこたり諌むる 夏は来ぬ

楝(おうち)ちる 川べの宿の
門(かど)遠く 水鶏(くいな)声して
夕月すずしき 夏は来ぬ

五月(さつき)やみ 蛍飛びかい
水鶏(くいな)鳴き 卯の花咲きて
早苗植えわたす 夏は来ぬ