野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

優雅なたたずまいのフタリシズカ

2019年05月31日 14時24分45秒 | 
高尾山ではヒトリシズカはもう終わっていたが
フタリシズカが群れて咲いていた。
優雅な名前をもらった植物の一つだ。
花のたたずまいも、名前に恥じずに優雅なものである。
このような花を撮影していると、都会の空気がすっかりと抜けるような気分になる。
(2019-05 東京都 高尾山)





フタリシズカ
フタリシズカ(二人静、学名:Chloranthus serratus)は、センリョウ科の多年草。

特徴
沖縄を除く日本全国の山林の比較的暗い場所に分布する。高さは30~60cm。花期は4~6月。茎の先に数本(2本の場合が多い)の穂状花序を出し、小さな白い花をつける。花には花弁も萼もなく、3個の雄しべが丸く子房を抱いている。花序は立っているが、果実ができると下に曲がる。夏頃(果実の成熟期)に閉鎖花をつける。

和名は、2本の花序を、能楽「二人静」の静御前とその亡霊の舞姿にたとえたもの。ヒトリシズカと対を成す。ただし、花序は二とは限らず、3-4つく例もある。

梅に似た大きな黄色い花を開くキンシバイ

2019年05月31日 08時29分28秒 | 
金糸梅が咲き始めた。
昔はよく調べずに、よくうつ病に効くというセイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)だと思い込んでいた花だが
ふっくらとしたどこか大柄に梅に似た花の雰囲気は、はるかに優雅だ。
気になると、いたるところで見かけるようになる。
葉のつき方と蕾の形で、花が咲いていなくても、すぐにそれと分かるようになる。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)




キンシバイ
キンシバイ(金糸梅、学名:Hypericum patulum)はオトギリソウ科オトギリソウ属の半落葉小低木。

本種のことをヒペリカム(Hypericum)ということも多いが、ヒペリカムは、オトギリソウ属のラテン名であり、必ずしも本種とは限らない。

特徴
中国原産で、江戸時代の宝暦10年(1760年)に渡来したといわれる。花の形が良く梅に似ており、色が黄色であることが名前の由来である。

庭木や地覆い用植え込みとして、北海道をのぞく日本各地に植えられている。

株立ち上に枝が出て、ゆるやかに枝垂れる。葉は対生で長い楕円形。暖かい地方では落葉しないことが多い。初夏、枝先に濃い黄色で、五弁の花を次から次に咲かせる。ビヨウヤナギのようにオシベは長くない。近縁種にセイヨウキンシバイ(西洋キンシバイ)がある。


子供の頃に草笛にしたスズメノテッポウ

2019年05月31日 06時41分33秒 | 
休耕田で昔懐かしいスズメノテッポウをみつけた。
子供の頃はこの穂の部分を引き抜いて、草笛を吹いたものだった。
薄い半透明な葉耳がリードとなっピ~と高く鳴る。
音の高さは変えられないので、ただピーピー鳴らすだけだが
子供の頃はそれでも満足していたものだ。
この穂をみると、かつての田んぼの風景が一瞬のうちで甦った。
(2019-05 神奈川県川崎市 田畑)





スズメノテッポウ
スズメノテッポウ(雀の鉄砲、学名:Alopecurus aequalis)とは、イネ科に属する小型の草本植物である。春の水田によく見られる細くて真っすぐな穂を一面に出すのでよく目立つ。史前帰化植物である。

特徴
草丈は20 cm からせいぜい40 cm 位。地下茎はなく、根元で多少枝分かれした茎は、少し横に這って立ち上がる。関節はやや膨らむ。葉は細長く、縁は少し波打ち、ほぼ上を向く。葉の基部は長い葉鞘となっており、鞘と葉身の境目には薄い膜状の葉耳が突き出る。植物体は全体に濃い緑色で、少し粉を吹いたようになっている。葉鞘の上の方が赤紫に染まる傾向がある。

花は春に出る。花茎の先端に3 - 8 cm の棒状の穂がつく。穂は真っすぐに立ち上がる。小穂は軸に密着し、互いに密に寄り集まっているので、外見では個々の区別がつかず、ただただ緑色の多少毛羽だった棒にしか見えないが、花が咲く時には、小穂から葯が突出してくる。この葯は濃い黄色になるのでよく目立つ。

小穂は長さ3 - 3.5 mm、楕円形で偏平。外側を一組の包穎が包む。包穎は緑色、小穂の縁に当たる竜骨沿いに多数の毛がはえる。その内側には、一個の子花だけが入っている。子花の護穎は小穂とほぼ同じ長さで包穎の間から顔を出す。護穎の基部近くの外側からは芒が伸びて、包穎の外まで少し突き出る。

利害
春の水田に出現する水田雑草として代表的なものである。特に害が論じられることもないが、役立つものでもない。しかし、穂が意外に目立つので、地味な割にはなじまれている。それに、草笛に使える。

葉鞘の部分を折り取り、中の茎を抜いて、葉身の部分を裏側を葉鞘に沿わせるように根元から折り曲げれば、薄い膜状の葉耳が突き出る。葉耳がリードの役をするので、この部分を口に収めて注意深く吹くと、ピーというような高い音が出せる。レンゲ畑での子供の遊びであった。

名前は「スズメの鉄砲」で、穂が真っすぐなところを鉄砲に見立てたものと言われる。

生育域
水田によく見られるが、畑地などにも見られる。北海道から九州までの平地に広く分布し、国外では北半球の温帯に広く知られる。なお、日本の水田にあるものを変種スズメノテッポウ(var. amurensis (Komar.) Ohwi)とし、原名変種、和名ノハラスズメノテッポウ(var. aequalis)を分ける説もある。原名変種の方はやや小柄で、畑地に多いと言う