野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

小さな花だが、あたりを照らし出すような輝きのあるツルマンネングサ

2019年05月05日 11時59分37秒 | 
丹沢で崖っぷちに咲いていたツルマンネングサ。
ぱっと地面を照らしだすような明るさ。
今年はふつうよりも花期がみんな早いような気がする
以下のサイトに多数の写真がある。
(2019-04 神奈川県伊勢原市 林間)





ツルマンネングサ
ツルマンネングサ(蔓万年草)
多年草
朝鮮、中国東北部原産.。古くから日本に帰化していたと考えられている。都市近郊に多く、河原や石垣などにもよく見られる。茎は紅色を帯び、花をつけない茎は地をはう。葉は3個ずつ輪生し、淡緑色〜黄緑色で、長さ1.5〜3cm、幅3〜7mmの狭長楕円形または倒披針形。花は直径1.5〜1.7cm。裂開前の葯は橙赤色。日本のものはふつう結実しない。花期は6〜7月。(野に咲く花)
学名は、Sedum sarmentosum
ベンケイソウ科マンネングサ属

ゴージャスなキンランとの出会い

2019年05月05日 10時50分52秒 | 
丹沢のジュウニヒトエの群落からほど遠からぬところでキンランを発見。
キンランに出会うのはなんとも久しぶり。
ただ一株だけど、なんともゴージャスなこと!
絶滅危惧種らしいけど、なんとかがんばって生き延びてほしい。
(2019-04 神奈川県伊勢原市 林間)








キンラン
キンラン(金蘭、Cephalanthera falcata)はラン科キンラン属の多年草で、地生ランの一種。和名は黄色(黄金色)の花をつけることに由来する[1]。

特徴
山や丘陵の林の中に生える地上性のランで、高さ30-70cmの茎の先端に4月から6月にかけて直径1cm程度の明るく鮮やかな黄色の花を総状につける。花は全開せず、半開き状態のままである。花弁は5枚で3裂する唇弁には赤褐色の隆起がある。葉は狭楕円形状で長さ10cm前後、縦方向にしわが多い。柄は無く茎を抱き、7、8枚が互生する。

性質に関して
キンランの人工栽培はきわめて難しいことが知られているが、その理由の一つにキンランの菌根への依存性の高さが挙げられる。

園芸植物として供させるラン科植物の、菌根菌(ラン科に限ってはラン菌という言葉も習慣的に用いられる)はいわゆるリゾクトニアと総称される、落ち葉や倒木などを栄養源にして独立生活している腐生菌である例が多い。 ところがキンランが養分を依存している菌は腐生菌ではなく、樹木の根に外菌根を形成するイボタケ科、ベニタケ科(担子菌門)などの菌種である[2] [3]。外菌根菌の多くは腐生能力を欠き、炭素源を共生相手の樹木から得、一方で樹木へは土中のミネラル等を供給し共生している。キンランはその共生系に入り込み、養分を収奪し生育している。

ラン科植物は多かれ少なかれ菌類から炭素源(糖分など)や窒素源(アミノ酸など)を含め、さまざまな栄養分を菌根菌に依存している[4]。。菌への依存度はランの種類によって異なり、成株になれば菌に頼らなくても生きていける種類(独立栄養性種=栽培できる有葉ラン)から、生涯を通じてほとんどすべての栄養分を菌に依存する種類(菌従属栄養性種=一般に‘腐生ラン’と総称される)までさまざまな段階がある。本種の菌依存度は独立栄養植物と菌従属栄養植物の中間(混合栄養性植物)で、坂本らの調査[5]によれば本種は炭素源の34~43%、窒素源の約49%を菌から供給されており、同属のギンランでは炭素源の48~59%、窒素源の90%以上と、さらに高い依存度を示している。

このような性質から、キンラン属は菌類との共生関係が乱された場合、ただちに枯死することは無いが長期的に生育することは困難になる。そのため、自生地からキンランのみを掘って移植しても5年程度で枯死してしまう。外生菌根菌と菌根共生するラン科植物は多くあり、キンランと同様に里山に生育するオオバノトンボソウ(ノヤマトンボソウ)も同様の性質を持つ[6]

理論上は菌根性樹木・菌根菌・キンランの三者共生系を構築すれば栽培が可能である。実際Yagame and Yamato(2013)[7] .は、キンランからイボタケ科の菌根菌を分離培養後、外生菌根性の樹種であるコナラの根に分離株を接種し菌根を形成させ、そこへ無菌培養条件下で種子発芽から苗まで育てたキンランを寄せ植えし、30ヶ月育成させることに成功している。この実験では、植え付けたキンランの多くの苗が地上部を形成せず、根のみを伸長させ生育する様子が観察されている。この現象から、キンランが高い菌従属栄養性を有することがわかる。しかし、このキンラン・菌根菌(イボタケ科)・樹木(コナラ)の3者共生系の構築は①菌根菌の分離・培養、②菌根菌の樹木への接種、③安定した共生系の維持(ほかの菌根菌のコンタミネーションの防止)といった技術上解決しなければならない問題点が多く、一般家庭で行うことは困難である。自然環境中に外菌根菌は6000種程度存在し[8]、キンランが生育する環境下にも多様な外生菌根菌が共存していると考えられる。その中でキンランに養分を供給する菌種は限られており、単純にキンランと樹木を寄せ植えにしても、その樹木にキンランと共生関係を成立させうる外菌根菌が共生していなければ、キンランを生育させることはできない。



林の奥の優雅なジュウニヒトエ

2019年05月05日 06時36分03秒 | 
丹沢の林の中にジュウニヒトエが群生していた。
典雅な名前をつけてもらったが
淡い紫がまたつつましい色合いだ。
学名にみられるように、アジュガ属の日本固有種である。
(2019-04 神奈川県伊勢原市 林間)






ジュウニヒトエ

開花時期 4月、5月
花の色 白、青、紫
名前の読み じゅうにひとえ
分布 日本固有種
本州と四国に分布
生育地 丘陵地や林の中
植物のタイプ 多年草
大きさ・高さ 15~20センチ
分類 シソ科 キランソウ属
学名 Ajuga nipponensis
花の特徴 葉の脇から穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、小さな青紫色ないし白い唇形の花を輪生させる。
花は幾重にも重なって咲く。
花径は5ミリから10ミリくらいである。
上唇は2つに浅く裂ける。
下唇は大きく3つに裂け、真ん中の裂片が大きい。
雄しべは4本で、2本が長い。全体に白い毛を密生させる。
葉の特徴 葉は長い楕円形で、向かい合ってつける(対生)。
葉の縁には粗い波状のぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の裏面は白っぽい。
実の特徴 花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で、4つのブロックからなる。
その他 和名は、花の咲く様子を宮中の女官などが着る十二単に見立てたものである。
俳句の季語は春である。


意外に俳句でもよく歌われているようだ。
「十二単小さき塔なす院の奥 松本澄江」などは花の感じがでている。


十二単

うちかけし広さに十二単濃し 橋田憲明
しんかんと十二単衣の花ありき 井上雪
北欧の森めき十二単かな 高田風人子
十二単小さき塔なす院の奥 松本澄江
古草の緋いろに十二単かな 小林鱒一
名に負けて十二単の花咲きぬ 辻本青塔
咲ききつて十二単の居丈高 行方克己 知音
山は錦繍十二単衣は草の名や 福田蓼汀 秋風挽歌
巖涼し十二単衣のほつれつつ 西本一都 景色
幻聴は十二単の先の闇 村田まさる
日を浴びて十二単衣の草の丈 岡本まち子
汝にやる十二単といふ草を 高浜虚子
汝にやる十二単衣といふ草を 高浜虚子
濡場猫十二単を乱したる 阿波野青畝
男ひとり十二単に執しゐる 山田弘子 こぶし坂
略襲ねたまへる十二単かな 後藤夜半 底紅
秋翳の十二単衣の巌に濃き 西本一都 景色
茗荷の子十二単にやや足らぬ 角川 照子
裳裾曳く十二単と言ふからに 柴崎博子
試歩の母十二単に足とどむ 三澤いつ子
風見ゆる丈あり十二単とは 稲畑汀子