野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

真っ赤な実が実り始めたが、誰も見向きもしないヤマグワ

2019年05月26日 10時52分55秒 | 
公園に植えられていた大きなヤマグワの木に、実が実り始めた。
子供の頃には桑の実を食べたものだが、今では食べる子供もいないだろう。
手と舌が紫色になってバレてしまうのだが。
(2019-05 神奈川県川崎市 公園)




ヤマグワ(山桑)
落葉低木
北海道〜琉球の低山地の林内に生える。高さ3〜10mになる。若枝は無毛。托葉は線状披針形または狭長楕円形で、先がとがり、長さ7〜12mm、背面に長い灰白色の軟毛が密生する。葉柄は長さ2〜3.5cmで無毛。葉身は卵状広楕円形でしばしば深く3〜5裂し、先は短く尾状にとがり、基部は切形または浅心形、長さ6〜14cm、幅4〜7cm、表面は脈上に短毛が散在するほかは無毛であるが、異形細胞の先が突出し、多数の微小な毛があるように見え、裏面は脈上に短毛が散生し、側脈の基部に軟毛がある。若枝下部の鱗片葉または葉のわきから1個ずつ尾状花序を伸ばす。雌雄異株まれに同株。雄花序の柄は長さ1cmほどであらい毛があり、雄花序は円筒形で長さ約2cm、幅5mm、無柄または短柄のある雄花をつける。雄花の花被片は卵形で先は鈍いく、背面にあらい毛があるほかは無毛。雌花序の柄は長さ4〜10mmであらい毛があり、雌花序は球形または楕円形で、長さ4〜6mm、幅5mm、多数の雌花をつける。雌花の花被片は円形で、縁に短毛が散生するほかは無毛。花柱は長さ約2〜2.5mmで、1〜1.5mmの柄があり、先は浅く2裂する。複合果は紫黒色に熟す。花期は4〜5月。(日本の野生植物)
冬芽は、卵形で長さ3〜6mm。芽鱗は4〜7個あり、淡褐色で無毛。葉痕は半円形〜扁円形。多数の維管束痕が輪状に並ぶ。(樹に咲く花)
学名は、Morus australis

ゴギョウ、ハコベラの春の七草のひとつ、ハハコグサ

2019年05月26日 10時18分48秒 | 
近くで咲いていたハハコグサ。
最近では大きな株のように成長するものもあるようだ。
「母と子を臼と杵でつくのは縁起が良くない」という命名の由来は変だが、ゴギョウあるいはオギョウという名前で春の七草のひとつに入っている食用の草だ。
(2019-04 神奈川県川崎市、道端)





ハハコグサ
ハハコグサ(母子草、学名: Gnaphalium affine)は、キク科ハハコグサ属の越年草である。春の七草の1つ、「御形(ごぎょう、おぎょう)」でもあり、茎葉の若いものを食用にする。

形態・生態
冬は根出葉がややロゼットの状態で育ち、春になると茎を伸ばして花をつける。

成長した際の高さは10〜30cm。葉と茎には白い綿毛を生やす。花期は4〜6月で、茎の先端に頭状花序の黄色の花を多数つける。

分布・生育地
中国からインドシナ、マレーシア、インドにまで分布する。日本では全国に見られるが、古い時代に朝鮮半島から伝わったものとも言われる。

人里の道端などに普通に見られ、冬の水田にもよく出現する。

利用法
かつては草餅に用いられていた草であった。しかし、「母と子を臼と杵でつくのは縁起が良くない」として、平安時代ごろから蓬に代わったともされているが、実際には、出羽国秋田や丹後国峯山など、地方によっては19世紀でも草餅の材料として用いられている。もっとも、古名はオギョウ、またはホウコである。新芽がやや這うことから「這う子」からなまったのではとの説もある。

ハハコグサの全草を採取し細かく裁断して日干しし、お茶にする。咳止めや内臓などに良い健康茶ができる。これには鼠麹草(そきくそう)という生薬名があるが、伝統的な漢方方剤では使わない。

優美な金色のキエビネ

2019年05月26日 07時38分56秒 | 
高尾山の野草園で大切にされていたキエビネ
キンランと同じような豪華さで、盗掘が多かったらしい。
また普通に山の中でみつかるようになるといいのだが。
(2019-05 東京都 高尾山)






希少で貴重な「キエビネ」
今回はキエビネとエビネをご紹介します。


キエビネはラン科の多年草で、花が美しいこともあって非常に人気の高い野生ランです。

4月下旬~5月上旬、木々の新緑が眩しさを増す頃、薄暗い森の中にあってキエビネが黄金色の光を放つように華やかな黄色い花を咲かせます。

非常に豪華さを感じさせる花のせいか盗掘が横行し、一時期(1970年代から1980年代にかけて)人の目に触れるようなところからは姿を消してしまいました。そしてやっと最近になって復活の兆しが見え始めたようです。それでも以前の状態には程遠いように思います。これからも平戸の財産として守っていきたいものです。

大きな花弁の波が目立つコバノタツナミソウ

2019年05月26日 07時22分46秒 | 
五月半ばに高尾山にいったときにとくに目をひいたコバノタツナミソウ。
これは紫の基本バージョン。
タツナミソウはどれも花弁が立つ波のようにみえるという素敵な命名だが
これはとくに花弁が大きいので目立つ。
(2019-05 東京都 高尾山)





コバノタツナミソウ
コバノタツナミソウ (シソ科タツナミソウ属)【小葉立浪】
(Scutellaria indica var. parvifolia)


普通の「タツナミソウ」よりも葉が小さく背も低い変種です。

低地や海岸性で、路傍などにも生える種類です。

丸い葉には細かい毛が密生してビロード状の表面になっています。

それで別名「ビロードタツナミ」ともいわれます。

通常はタツナミソウ標準の紫系ですが、かなりの比率で白花も多いようで、「シロバナコバノタツナミ」とされ、園芸種としても人気があるようです。

遠くからみても優雅なヤマボウシ

2019年05月25日 06時50分40秒 | 
ヤマボウシはハナミズキよりも落ち着いていて、しっとりとした印象を与える。
「アメリカヤマボウシ」と呼ばれるハナミズキとは違って、
山地に自生する国産の種らしいのも好ましい。
果実がおいしいらしいが、いつか食べてみたいものだ。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)






ヤマボウシ
ヤマボウシ(山法師、山帽子、学名 Cornus kousa)はミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木。

特徴
高さ5~10メートル。幹は灰褐色。葉は対生し、楕円(だえん)形または卵円形で長さ4~12センチ、全縁でやや波打つ。花は6~7月に開き、淡黄色で小さく、多数が球状に集合し、その外側に大形白色の総包片が4枚あり、花弁のように見える。

果実は集合果で9月頃に赤く熟し、直径1~3センチで球形、食用になる。種子は約3ミリで、大きい果実には3~4個、小さい果実では1個入っている。果肉はやわらかく黄色からオレンジ色でありマンゴーのような甘さがある。果皮も熟したものはとても甘く、シャリシャリして砂糖粒のような食感がある。果実酒にも適する。

山地に普通に生え、本州から九州、および朝鮮半島、中国に分布する。街路樹・庭園樹・公園樹としても用いられる。材は器具材として用いられる。近縁にハナミズキ(アメリカヤマボウシ)があるが、こちらの果実は集合果にならず、個々の果実が分離している。

庭木などにも利用されるが、本来山の谷筋などに自生する樹木であるので、水はけのよい常に水が存在する場所を好む。夏に乾燥すると葉の回りが枯れたり、小枝やひどい場合は全体が枯れたりするので、乾燥させないことが必要である。また、粘土質の土壌では根の張りが悪くなりがちなので、土壌改良などをして水はけのよい状態にして根が伸び易いようにしてやることが必要である。花・果実・紅葉と3回楽しめるので、庭木にもよく用いられるが10m近くまでに育つ樹であるので周囲に空間を必要とする。

病気では特に目立ったものはないが、害虫ではアブラムシ、カイガラムシが付くことがあり、すす病(昆虫の排泄物に黒いカビが生えたもの)を誘発する。また、幹に穴を開けて食害するテッポウムシが付くことがあり、注意が必要。

ヤマボウシは、同じヤマボウシ亜属の近縁種であるハナミズキ(アメリカヤマボウシ)の深刻な病害であるハナミズキ炭疽病に抵抗性がある。ハナミズキ炭疽病の感染地域では、感染によってハナミズキの街路樹が枯死すると、ハナミズキ炭疽病に抵抗性があるヤマボウシまたはハナミズキのヤマボウシ交配品種に植え替える病害対策が行われることがある。

一目みて驚いたブラシノキ

2019年05月25日 06時43分10秒 | 
図鑑でみたことがあるだけで、実際にみると一目で名前が分かる植物というのも珍しい。
今回みかけたブラシノキはまさにその特別な例だ。
ほかに名付けようがないかもしれない。
キッチンで、瓶の底の部分を洗うために使われるブラシにそっくりなのだ。
なんとも驚いたので、紹介したくなった。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)






ブラシノキ
ブラシノキ(学名:Callistemon speciosus)は、フトモモ科ブラシノキ属の常緑小高木。別名、カリステモン(本来は属名のラテン名である)、ハナマキ(花槙)、キンポウジュ(金宝樹)。 学名のカリステモンはギリシャ語で「美しい雄しべ」という意味

特徴
オーストラリア原産で、観賞用に栽培される。5-6月頃に開花し、花弁は緑で小さくて目立たないが、赤(ときに白)の長い花糸が目立つ。穂状花序をなし、花序全体がブラシのように見える。花序の先から枝が伸びるという珍しい特徴を持つ。

果実は朔果で、見た目には枝全体を取り巻く昆虫の卵のように見える(前記の特徴から、2,3年前の果実が順に枝に付く)。果実には粉状の種子が入っており、オーストラリアでよく起こる森林火災が起こると割れて種子を放出する。

ブラシノキ属には計34種があり、そのうちの数種が観賞用に栽培されている。


円錐形のアジサイ、カシワバアジサイ

2019年05月25日 06時36分54秒 | 
道端に奇妙な格好のアジサイが咲いていた。
花の部分が長く突き出た円錐形をしているのだ。
ノリウツギの園芸種で、ピラミッドアジサイとかカシワバアジサイと呼ばれているらしい。
いろいろな改良種が登場するのは、楽しいものだ。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)




カシワバアジサイの魅力
もうすぐ6月。梅雨入りより一足早く、カシワバアジサイが咲きました。今日はカシワバアジサイをご紹介します。

カシワバアジサイは、カシワの葉のような形の大きな葉と、ピラミッド形に咲く花が特徴です。花は、隙間なく密に咲きます。一重咲きの他、八重咲き品種も出回っています。

カシワバアジサイは、アジサイ科の落葉低木で、半日陰~日なたを好みます。開花期は5月中旬~7月、葉の観賞期は5~10月。開花期が終わったら、咲き終わった花を切り取ります。長く花を咲かせ続けると株が弱り翌年に花が咲かなくなるので、早めに切って室内に飾ることもおすすめします。7月中に花よりも2節下を切り落とすと、新しい芽が伸びて秋までに翌年の花芽ができます。

カシワの葉に似た葉は、花が無い季節にも観賞できます。秋になると葉の色は深みがある赤紫色になり、味わいが深いです。

耐寒性、耐暑性ともに強く、他のアジサイと同じように育てられ、挿し木を行うこともできます。少し変わった形のカシワバアジサイを育ててみるのも楽しいですよ。ぜひ今年はカシワバアジサイに挑戦してみてください。

道端で目立たぬように自己主張しているヒメツルソバ

2019年05月25日 06時28分45秒 | 
どこかシロツメクサにも似たヒメツルソバ。
もともとは園芸種だろうが、いまでは逃げ出して道路の片隅で自己主張している。
たしかにソバに似た花をつけるが
まんまるでかわいい。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)




ヒメツルソバ
ヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)とは、タデ科の植物の1種。学名はPersicaria capitata(シノニムはCephalophilon capitatum、Polygonum capitatum) 。別名はカンイタドリ、ポリゴナム。ヒマラヤ原産。

日本にはロックガーデン用として明治時代に導入された多年草。 花は集合花で小さい花が球状に集まった金平糖のような形をしている。開花直後はピンク色をしているが、徐々に色が抜けて白へと変化する。 花期は5月頃から秋にかけてであるが、真夏には花が途絶える。冬季には降霜すると地上部が枯死するが、地面が凍結しない限り翌年には新芽が成長する。花は小花が球形にまとまっており、内部には種子が成熟する。葉にはV字形の斑紋があり、秋には紅葉する。

茎は匍匐(ほふく)性。1株でおよそ直径50cmほどに広がる。

性質が丈夫であるためグラウンドカバーとしても用いられる。種子や株分け、挿し木などで容易に繁殖が可能なほとんど手のかからない植物であるため、空き地や道端などで雑草化もしている。

近縁に白い花のツルソバ(蔓蕎麦)がある。花も葉もソバ(蕎麦)に似ていることからの命名。

名前もペアで咲く花もかわいいツクバネウツギ

2019年05月24日 14時26分31秒 | 
よく垣根になっているツクバネウツギ。二つの花がペアで咲くのが特徴だ。
羽根付きの羽根に似ているという名前も素敵だ。
植物の和名にはひどいのが多いが、かわいい名前をつけてもらったものだ。
アベリアという学名で呼ばれることも多いのだが
古来の名前を大切にしたい。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)





ツクバネウツギ
ツクバネウツギ(衝羽根空木、学名:Abelia spathulata)はスイカズラ科ツクバネウツギ属の落葉低木。

特徴
樹高は2mになり、密に分枝する。若い枝にはわずかに毛があり、しばしば赤みを帯びる。葉は長さ1-3mmの葉柄をもって対生する。葉身は広卵形から長楕円状卵形で、長さ2-5cm、幅1-3.5cmになる。縁にはあらく不規則な鋸歯があり、葉の両面には短い毛が生えるが、表面には生えない場合がある。

花は4-6月に咲く。枝の先端から共通花柄を出し、5個の同じ長さの萼片をつけ、ふつう2花をつける。花冠は二唇状の鐘状漏斗形で、白色、黄白色、ときに黄色、まれにピンク色になり、長さは1.5-3cmになる。雄蕊は4本ある。果期は9-11月で、果実は長さ8-14mmの線形の痩果になる。

和名は、果実がプロペラ状の萼片をつけ、羽根突きの「衝羽根」に似ることに由来する。

分布と生育環境
本州の東北地方の太平洋側、関東地方および中部地方以西、四国ならびに九州の北西部に分布し、丘陵地や山地に生育する。

厚みのある葉が特徴のテリハノイバラ

2019年05月24日 14時19分26秒 | 
近くの道路で野ばらが咲いていた。
これまで気づかなかったが、テリハノイバラのまとまった大きな株だった。
葉が厚く、テカリがあることでノイバラと区別できる。
今の時期は花が次々と咲くので、それまで気づかなかった樹木を改めて認識することができるようになる。
楽しい季節だ。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)





テリハノイバラ(照葉野茨)
つる性落葉低木
本州〜沖縄の日当たりのよい草地や河原に生える。海岸から標高1000mを超えるブナ帯まで分布する。枝は無毛。長さ3〜5mmの鈎形の刺がある。葉は互生。長さ4〜9cmの奇数羽状複葉で、小葉は2〜4対ある。頂小葉と側小葉はほぼ同じ大きさ。小葉は長さ1〜2cmの楕円形または広倒卵形で、ふちには粗い鋸歯がある。先端は丸いものが多いが、尖るものもある。革質で厚みがあり、両面とも無毛。表面は濃緑色で光沢があり、裏面は淡緑色。側小葉には柄はほとんどない。托葉は緑色で下部が葉柄と合着し、ふちに先端が腺になった鋸歯がある。枝先に芳香のある白い花が数個集まってつく。花は直径3〜3.5cm。花弁は5個。雄しべは多数。花柱は柱状に合着し、有毛。萼片の内面には短毛が密生する。果実は萼筒が肥大した偽果で、先端に花柱や萼片の一部が残る。直径6〜8mmの卵球形で、10〜11月に赤く熟す。偽果のなかに入っているそう果は、長さ4〜5mm。花期は6〜7月。
冬芽は小さないぼ状。(樹に咲く花)
学名は、Rosa luciae
バラ科バラ属

花も蕾の形もユニークなアメリカシャクナゲ

2019年05月24日 06時16分32秒 | 
道端に大きなカルミアの木があって、青空に向けて花を咲かせていた。
ふだん歩く道なのに、いつもは前方を見て歩いているだけなので
首を上に向けなければ目に入らないこの華麗な花が咲いているのを
まったく知らなかったのは、うかつだった。
蕾の形もまたユニーク。
アメリカシャクナゲとも呼ばれるこの木は、
日本の街路を華やかにしてくれる一本だろう。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)








カルミアの特徴
原産地では樹高10mほどになりますが日本では1m~3mほどにとどまる常緑低木でその花とつぼみの姿が特徴的です。つぼみは金平糖のような、チョコレート菓子のアポロに似た形で花が開くと五角形の皿型になります。晩春につぼみが膨らみ開花期間は初夏から梅雨入りにかけて約1カ月ほどと長く、終わった花は散らずに茶色くなって残ります。葉は長さ7~10cmの光沢のある革質の濃い緑色で通年鑑賞できます。葉がシャクナゲやローレルに似ていることから別名アメリカシャクナゲやハナガサシャクナゲ、アメリカン・ローレルと呼ばれています。

カルミアの詳細情報
園芸分類 庭木、常緑
草丈・樹高 1~3m
耐寒性 普通
耐暑性 やや弱い
花色 白,赤,ピンク,茶
開花時期 5~6月

子供の頃を思い出させるユキノシタ

2019年05月24日 06時03分42秒 | 
昔からなじみのあるユキノシタ。
子供の頃に住んでいた家に大きな株があって
ときおり母親の命令で、葉が摘まれて天ぷらにされていた。
ミゾカクシに似た不均衡な花の形が面白いし
ひっそりと孤独に咲いている感じもすきだ。
「白き火をたらたらゆきのした咲けり 平井照敏 天上大風」という見方もあるだろうが。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)




ユキノシタ
ユキノシタ(雪の下、学名:Saxifraga stolonifera)はユキノシタ科ユキノシタ属の植物[1][2]。

特徴
本州、四国、九州及び中国に分布し、湿った半日陰地の岩場などに自生する常緑の多年草である[2]。人家の日陰に栽培されることも多い[2]。葉は円形に近く(腎円形)、裏は赤みを帯びる[2]。本種は種子に因る種子繁殖のみならず、親株の根本から地上茎である走出枝(runner/ランナー)を出して栄養繁殖する[2]。

北半球での開花期は5-7月頃で、高さ20-50 cmの花茎を出し、多数の花をつける[2]。花は5弁で、上の3枚が小さく濃紅色の斑点があり基部に濃黄色の斑点があり、下の2枚は白色で細長い[2][3]。花弁の上3枚は約3-4 mm、下2枚は約15-20 mmである[4]。本種の変種[5]または品種とされる[6]ホシザキユキノシタには、こうした特徴は現れず、下2枚の長さは上3枚と同じくらいとなる[7]。開花後、長さ約4 mmほどの卵形の蒴果(さくか)を実らせる[8]。

種子は、全体に焦げ茶色或いは黒色であり、全体にほぼ楕円形の不定形をしていて、表面にはコブ状突起が多数備えられている。

名称
和名ユキノシタは、雪が上につもっても、その下に緑の葉があることからだと言われる[10][11]。また、白い花を雪(雪虫)に見立て、その下に緑の葉があることからとする説がある[12][13]。このほか、葉の白い斑を雪に見立てたとする説もある[11]。

学名のstoloniferaは、ほふく枝(stolon)で増えることからきている[14]。

俳句では鴨足草と書いて「ゆきのした」と読ませることが多い。夏の季語[14]。

人の利用
生薬
漢方薬の薬味として用いられることはなく、民間薬として用いられた。

虎耳草(こじそう)という民間薬で、その葉をあぶり腫れものなどの消炎に用いた[13]。凍傷や火傷にも使える[4]。また、葉のしぼり汁は耳だれ、中耳炎、漆によるかぶれ、虫刺されなどに効く[15]。小児のひきつけ(痙攣)には小さじ5杯ほどの生葉のしぼり汁が効くとされる[15]。風邪にはユキノシタの葉20g、氷砂糖、ショウガ1片を加えて煎じて飲むと良い[15]。

乾燥させた茎や葉は、煎じて解熱・解毒に利用する[4]。

食用
葉は山菜として、天ぷらなどにして賞味される[12]。葉の裏面だけにうすく衣を付け、揚げたものを「白雪揚げ」という[10]。

このほか茹でて水にさらしたものをゴマあえや辛子あえにして食べる方法もある[10]。


雪の下 の例句

きらめきて行刑耕地雪の下 斎藤玄 狩眼
ふもと井や湯女につまるる鴨足草 飯田蛇笏 山廬集
ふるさとや井戸草と呼ぶゆきのした 山口青邨
ゆきのしたかろ~咲いてはなやげる 渡邊水巴 富士
ゆきのした金屋の神の好き給ふ 山口誓子
下闇に点せるものや鴨足草 石塚友二 玉縄抄
人とゐて眠つてしまふ鴨足草 岡本眸
何代の燈籠の苔か雪の下 正岡子規 雪の下
何代の苔むす石が雪のした 正岡子規 雪の下
卯の花の散り残りけるは鴨足草 尾崎放哉 大学時代
古井戸のいつも滴り鴨足草 山口青邨
夕焼は映らず白きゆきのした 渡邊水巴 富士
庭中を鴨足草が跳び歩く 後藤比奈夫
庭催合ひ湯の宿二軒雪の下 阿波野青畝
心臓がゴトゴト言ふ日ゆきのした 草間時彦
悪筆をこの頃恥ぢず鴨足草 草間時彦
捨て雪の下溝水の抜け走る 右城暮石 句集外 昭和五十五年
揺れ~るさまに映りて雪の下 清崎敏郎
旧道は歩くに如かず鴨足草 亭午 星野麥丘人
桐立つや雪の下土あたたかく 岸田稚魚 筍流し
歳月やはびこるものに鴨足草 安住敦
死ぬまでは装う女人 鴨足草 伊丹三樹彦
湧き水を汲むたびに濡れ鴨足草 鷹羽狩行
物の怪の憑きて鴨足草となる 後藤比奈夫
生れ変りてゆきのしたならば不可 山口誓子
白き火をたらたらゆきのした咲けり 平井照敏 天上大風
目覚の声か満開の雪の下 飯田龍太
筧水鴨足草に落ちてゐし 細見綾子
花の名の夏なき庭や雪の下 中川乙由
花散るやひそかにそだつ雪の下 中村汀女
虎耳草うゑる穴あり聖石 村上鬼城
虎耳草葵の紋を葉の紋に 山口青邨
衰ふる目を励ませば鴨足草 岡本眸
裏切られても夏がいい虎耳草 佐藤鬼房
貴船より北はおそろしゆきのした 藤田湘子 神楽
跳箱とびそこねし女児や鴨足草 赤尾兜子 玄玄
釣瓶より飲みて鉄臭鴨足草 鷹羽狩行
鎌倉は夏さへ寒し雪の下 中川乙由
門川は日光山より鴨足草 山口青邨
雪の下名のらで寒し花の色 越人
雪の下短かき唄をくりかへす 細見綾子 雉子
雪の下細滝生れしかなしさよ 鈴木真砂女 夏帯
鬆のごとき路地の歳月ゆきのした 佐藤鬼房
鱒池の水ためらふにゆきのした 石川桂郎 含羞
鴨足草一叢おいて声かはす 飯島晴子
鴨足草天津磐境石囲む 右城暮石 句集外 昭和五十四年
鴨足草雨に濁らぬ泉かな 飯田蛇笏 山廬集



小さな花をけなげに咲かせているコメツブツメクサ

2019年05月23日 12時01分51秒 | 
公園の広場を埋め尽くすように咲いていたのが黄色のコメツブツメクサ。
バックグラウンド・ノイズのように、注意しないと目につかないほどの小ささである。
それでもけなげに咲いていて、元気でやれよと、励ましたくなる。
花が葉とそれほど変わらない大きさなので、コメツブウマゴヤシでもクスダマツメクサでもないと判断。

(2019-05 神奈川県川崎市 公園)





コメツブツメクサ
ヨーロッパなどを原産とする一年草。道端や草地などにグラウンドカバー状に大々々々大群生する。非常によく似たものにコメツブウマゴヤシ(米粒馬肥やし)とクスダマツメクサ(薬玉詰草)があるが、大規模公園や緑地でまるで芝生のような顔をして地面を覆い尽くしているのはまずもって本種である。生命力が強く、芝刈り機で丸禿げに刈ってもすぐまた元通りに繁る。湘南・鎌倉・三浦半島では、お役所などが大規模な造成・土木工事を行ったような場所で普通種。参照)

イワシの頭はトベラとともに?

2019年05月23日 11時44分13秒 | 
イワシの頭も信心からと言うが、
イワシを節分に戸口に飾るのは柊の葉に刺してだと思っていたが
匂いの強いトベラの枝とともに飾るのだという説もあるらしい。
この木はその風習から扉、そしてトベラと名付けられたのだという。
そんなこととは知らぬげに、道端でトベラが白い花をつけていた。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)








トベラ
トベラ(扉、Pittosporum tobira)はトベラ科トベラ属の常緑低木。東北地方南部以南、韓国、台湾、中国南部までの海岸に自生する。

特徴
主に枝の先に葉が集まって付く。葉は倒卵形、互生、主脈は白っぽく、葉全体はつやのある緑色で、周辺部がやや内に巻くように、葉全体が反っている。5月頃芳香のある白い5弁の花をつける。果実は熟すと3裂し、赤い粘液が付着した種子を多数露出し、これが鳥のくちばしなどに粘着して運ばれるといわれる。

海岸では海浜植物などの草本につづく海岸性森林の最前線に位置し、低くて密な群集を形成する他、海岸林の中では高木層を形成する場合もある。また、潮風や乾燥に強く、つやのある葉を密生することなどから観賞用あるいは街路樹として道路の分離帯などに栽培される。雌雄異株。

野生状態ではあまりトベラを食樹とする昆虫は大量発生しないが、都市に植樹されたトベラには、新芽に虫えいをつくるトベラキジラミというキジラミ科の昆虫がしばしば大量発生して、排泄物の甘露にすす病菌が発生しているのを見ることが多い。

枝葉は切ると悪臭を発するため、節分にイワシの頭などとともに魔よけとして戸口に掲げられた。そのため扉の木と呼ばれ、これがなまってトベラとなった(学名もこれによる)[1]。属名のピットスポルムはPitta(樹脂)とSporos(種子)に由来し、これは上記のように熟した果実から粘液が付着した種子が露出するのが特徴的なことから付けられたものである[1]。

猛烈なジャスミンの香を放つソケイ

2019年05月23日 06時42分35秒 | 
道路を歩きながら猛烈な匂いに驚いた。
垣根で咲いているソケイの花だった。
この花からジャスミンがとれるのだという。
さもありなんの匂いである。
花の形もキュートだ。素馨という漢字のイメージも素敵。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)





そけい(素馨、ジャスミン 、羽衣ジャスミン)
Jasmine, Jasminum officinale つる性常緑樹
【もくせい科そけい属】原産地:インド
4~5月に白い花をつける  花径3cm程度
この濃厚な花の香には酔いそうだ
温暖化のせいか軒下の寒風の吹かない暖かい場所で越冬する
冬は室内の日のあたる暖かい場所に取り込む  挿し木で増やす
排水の良い用土を使う   乾燥に弱い  水は充分与える
夏は野外の直射日光のあたらない場所に置く
素馨とは中国の美人の名からきた
ジャスミンはこの花から取れる香水を言う
用途:鉢植、暖地の垣根用