野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

春の野原に撒かれた宝石のようなオオイヌノフグリ

2019年05月14日 15時03分21秒 | 
名前にまったくそぐわない早春の宝石のようなオオイヌノフグリ。
春一番にこの花をみつけるのが、毎年の楽しみだ。
すっかり時期遅れになった五月の初めに
東高根森林公園でまだ咲いていた。
(2019-05 神奈川県川崎市 東高根森林公園)





オオイヌノフグリ
オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢、学名: Veronica persica)は、オオバコ科[2]クワガタソウ属の越年草。路傍や畑の畦道などに見られる雑草。

和名はイヌノフグリに似てそれより大きいために付けられた。フグリとは陰嚢のことで、イヌノフグリの果実の形が雄犬の陰嚢に似ていることからこの名前が付いた。オオイヌノフグリの果実はハート型で、フグリに似てはいない。

形態・生態
秋に芽を出して他の植物が繁茂しない冬に横に広がって育ち、早春に多数の花をつけ、春の終わりには枯れてしまう。夏の間は種子で過ごす。寒さに耐えるため、細胞内の糖濃度を高める機能を持ち、葉と茎に生える短い毛で雪と霜を遠ざけて保温する。

草丈10–20cm。葉は1–2cmの卵円形で、鋸歯がある。

花弁は4枚。ただし、それぞれ大きさが少し異なるので、花は左右対称である。色はコバルトブルーだが、まれに白い花をつけることがある。 花は太陽の光によって開閉し、1日で落花するが、2日めにもう一度開くものもある。花の中心にある蜜でハチ、ハナアブ、チョウなどの虫を誘う虫媒花だが、自家受粉も可能で、自家受粉でよく見られる近交弱勢はないか非常に小さい。

自然群落の5個体で、1個体あたり平均545個の種子が生産されたという調査結果がある。

配色がシックなエビネ

2019年05月14日 09時33分22秒 | 
もうすっかり花が終わりかけたエビネ。
むかしはどこでも普通にみられたものだが今では珍しくなった。
配色がシックだ。
これも多くのところで絶滅危惧種に指定されている。
神奈川県では絶滅危惧Ⅱ類の指定である。
投機ブームもあったというからすごい。
(2019-05 神奈川県川崎市 東高根森林公園)




エビネ
エビネ(海老根、学名:Calanthe discolor)は、ラン科エビネ属の多年草。地上性のランである。ジエビネ、ヤブエビネと呼ばれることもある。

分布
日本、朝鮮半島南部、中国の江蘇省、貴州省に分布する。日本では北海道西南部から沖縄島までに分布。

形態
球茎は広卵状-球状で長さ、径ともに約2cm。古い球茎は時に10年以上も残り、地表近くに連なる。和名はこの形をエビに見立てたことに由来する[1]。直径2-3mmの根を多数生じる。秋には翌年の新芽を生じ、冬までに少し生長してから越冬する。葉は2-3枚つき、薄く、形は長楕円形から倒卵状披針形で先は尖り、縦に5本の脈がある。基部は細い葉柄になる。冬を越すと横伏するが、数年間は枯れずに残る。

花は春咲きで、新芽の展葉とともに高さ30-40cmの花茎を伸長させる。2、3個の苞がある。花序の半ばより上に多数の花をつける。花はほぼ横向きに平開する。がく片は狭卵形、側花弁は倒卵状披針形、共に先はとがる。唇弁は三つに裂け、左右の裂片が広い。中央の裂片には縦に3本の隆起線があり、先は板状に立ち上がる。唇弁の基部は深くくぼんで後ろに突出し、長さ0.8-1.0cmの距となる。花期は4-5月[1]。

変異・変種
花の色は変異が大きい。がく片と側花弁は赤褐色、褐色、黄褐色、緑褐色、緑など。唇弁は白または薄紫紅色。花の色に基づいてアカエビネ、ダイダイエビネなどの品種を認めることがある。
固有の変種とされるものにアマミエビネ(var. amamiana (Fuk.) Masam.、奄美大島および徳之島に分布)、カツウダケエビネ(var. kanashiroi Fuk.、沖縄県に分布)、ハノジエビネ(var. divaricantipentala、徳之島に分布)がある。

利用など

霊仙山(鈴鹿山脈)のエビネ
鉢栽培・庭園植栽用に販売される。一般には栽培が困難な植物とされていないが、春咲き系のエビネ属は栽培中にさまざまな植物ウイルスが容易に感染し、あるいは栽培下への移行によって植物内ウイルス濃度が上昇する[2]。ウイルス量の増加した個体は、葉の壊疽や落蕾、花の変形などの諸症状が出現し観賞価値が著しく低下する。 ジエビネが栽培下で長期にわたってウイルス感染を発症せず栽培できている事例は稀で、(特別な品種を除いて)同一個体が栄養繁殖により増殖普及した例はほとんどない。

植物ウイルス感染は事実上治療法が無く[3]、他の植物への感染源にもなる。そのため感染症状が出現した個体に市場価値は無く、教科書的対応としては焼却処分が推奨されている。1970年代から80年代にかけてエビネ類の栽培が爆発的に人気が高まり投機対象にもなった、いわゆる「エビネブーム」においても、ウイルス感染症の多発により栽培撤退者が続出したことでブームの終焉を迎えている。

幸いなことにエビネは無菌播種による人工増殖技術が確立されており、ウイルス感染個体でも種子を播くと病徴の無い実生を得ることができる[4]。 専門業者の多くは、感染個体を処分し、実生個体と入れ替えていくことで栽培・生産を継続している。 しかしながら原種エビネは(オオキリシマエビネを除いて)市場価値がそれほど高くないため、営利的な種苗生産はほとんど行われていない。そのため現在も、販売されている原種の一部[5]は野生採取により供給されている。

野生種保護において盗掘は大きな問題ではあるが、近年は選別交配種が営利生産され一般花卉と大差の無い価格で容易に入手できるため、相対的に原種エビネの園芸需要は減少している。採集によってほぼ絶滅状態であった自生地で個体数の回復が確認されたという報告[6]も散見されるようになっている。

種の保全状況評価

霊仙山のエビネの群落
準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)

Status jenv NT.svg
環境省のレッドリストの準絶滅危惧(NT)に指定されている[7]。総個体数は約20,000、平均減少率は約60%、減少の主要因が園芸用の採集、森林の伐採、土地造成であると推定されている[7]。

日本の大多数の都道府県で、レッドリストの絶滅寸前(CR)・絶滅危惧種(EN)・危急種(VU)・準絶滅危惧の種に指定されている[8]。



絶滅危惧種のチョウジソウ

2019年05月14日 08時47分29秒 | 
端正な花を咲かせるチョウジソウ。
絶滅危惧種に指定されている。
東高根森林公園では大切に保護されていた。
園芸種のようにもみえるが、かつては林間でごく普通にみられたという。
(2019-05 神奈川県川崎市 東高根森林公園)





チョウジソウ
チョウジソウ(丁字草、学名 Amsonia elliptica)は、リンドウ目キョウチクトウ科に分類される多年生草本植物。

なお、日本国内で「チョウジソウ」の名で園芸用に市販されている株は、外観は似るが北米原産のホソバチョウジソウ (A. angustifolia) やヤナギバチョウジソウ (A. tabernaemontana) などの他種であることも多い(#園芸を参照)。

特徴
葉は長さ 6〜10cm、幅 1〜2cm の細長い披針形で、互生する。種小名の elliptica は「楕円形の」という意味で、これは本種の葉が同属他種に比べ丸みを帯びていることから。

宿根草で、5月頃になると茎を高さ 40〜80cm まで伸ばし、5〜6月になると茎頂に集散花序を出し薄青色の花を多数咲かせる。萼は深く 5裂し、花冠は 15mm ほどで平らに開く。

果実は 2本の円柱状の細長い袋果で、長さ 5〜6cm。

他のキョウチクトウ科植物と同様、本種も全草にアルカロイドを含み有毒である。

分布
東アジア(日本、朝鮮半島、中国)に分布する。

日本では北海道から宮崎県にかけて分布し、川岸の氾濫原や原野などの、やや湿った草地に自生する。

本種はフジバカマなどと同様に、かつては全国的に分布する普通種であった。近年になり減少が著しく、2000年版環境省レッドデータブックでは、100年後の絶滅確率が約 97% と推計され、絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されていた。2007年8月の新しい環境省レッドリストでは、準絶滅危惧(NT)に評価替された。減少の原因は、一つには自生適地である湿地の人為的開発・造成や護岸工事などに伴う生育地の喪失である。もう一つは、そのような地域の一部は農業のために定期的に攪乱を受けて草地を保っていたものが、農業の変化に伴い手入れが行われなくなったことによって植生の遷移が進んで草地でなくなったことが挙げられている。

ほとんどの都道府県では、野生絶滅あるいは絶滅危惧種に指定されている。