レンキン

外国の写真と
それとは関係ないぼそぼそ

Indirect Mail

2006年08月31日 | ぼそぼそ
フェリーから見る平坦なウルグアイの土地。



越後妻有アートトリエンナーレのお土産にと
Kちゃんがくれたのは往復はがき。
「時間差レター」といって、私がある人に手紙を出し、
その人が返事を書いてポストに投函する。
するとその手紙は越後妻有で三年間保管され
三年後に開催されるアートトリエンナーレ会場で
受け取ることが出来るそうな。
…ややこしいがそういう事だ。
さあどれでも好きなのを取って下さい、とKちゃん
三種類十数枚のハガキを昼飯を食べたテーブルに並べるも
誰も手を出そうとしない。
「だって、怖いよね」と誰かがつぶやく。
三年後にその手紙を宛てた人とどうなってるか分からないし、
自分が死んじゃってたらとか考えると皆気が進まないようだ。
一番怖いのは、自分が今とちょっとも変わっていない事だろう。
今よりも賢い訳でもない、お金持ちになっている訳でもない、
ただ時間だけを浪費した結果を
三年前に自分が書いたハガキによって知らしめられる。
うーん、最高におそろしい。
しかし尻込みしていては変わるものも変わらない。
一つ彼にでも手紙を書いてみるか、と
一枚頂いてきて現在手元にある。
これからの季節は手紙を書くのに最も適していないと
誰かが言った(言っていない)秋の夜長である。
せいぜい三年後の私を悶死せらしむような
手紙を書いてやろうと思う。
イッヒッヒ。

(自分の首を真綿で絞める)

加減知らず

2006年08月30日 | ぼそぼそ
ブエノスアイレスからウルグアイへ



ゲーム(FF3)の話。
セーブポイントが全くないダンジョンで
ボスに倒され全滅してしまった。大変くやしい。
次は絶対やられたくないのでダンジョン内をぐるぐる回り
レベル上げに勤しんでいるが
どこまで上げていいのか分からず今も上げ続けている。
前戦った感じだとこのくらい、いや保険のためにもう1レベル、
後少しで次のレベルだからもうひとつ
いやいや奥さんここは私が、と止まらない。
そろそろボスに戦いを挑みたい所だが
ここまでレベルを上げた時間はボスに負ければ消えてしまう。
…ううん怖い。

この階をもう一度回ったら戦いに行こう。
あっ、もうちょっと頑張れば●●が次のレベル……

(振り出しに戻る)

アレルギー

2006年08月29日 | ぼそぼそ
 新しく入ったバイトのK君は蕎麦アレルギー。
「日常生活に支障は無いですけど、まんじゅうは警戒しますね」と語る。
そばまんじゅうとみそまんじゅうは区別がつけにくく
一度食べてひどい目にあったそうだ。何というか、
まんじゅうを警戒しなければならない人生というのも大変だ。
パートのNさんの子供は小麦アレルギーであるため
小麦の代用を探していろいろ試しているらしい。
Sちゃんはある特定のばんそうこうアレルギー。貼った場所が
ばんそうこうの形にきちんと真っ赤になる。


アレルギーとは大変だなあと思っていたが
私も他人事ではないようだ。
以前の記事にも書いたが
数年前飼っていたハムスターに噛まれてえらい目にあった事がある。
飼いはじめて三年、随分懐いてかわいいハムスター(名前はうり)
だったが、そろそろ寿命が近くなってきたなあと
思った矢先の出来事だった。
カゴの中をぐるぐると回ったり、呼んでも来なかったり上の空だったりと
奇行が目立ってきた。
ハムスターは晩年脳の病気にかかることが多いらしく
彼もそうだったようだ。年老いておぼつかない足取りで
よろよろ歩き回っている姿は可哀想だった。
以前は呼んだらカゴの隅まで来て
とうもろこしやタマゴボーロをねだったものなのにと
しんみりして彼を見ていたら
ちょっと昔のように手に乗せてみたくなった。
(間違いのはじまり)

病気になる前は私の手の上は彼のお気に入りで
乗せているうちによく寝られたものだ。
その時の小さい寝息と柔らかさ、僅かな重さが懐かしくなり
私のことなど上の空で歩き回っているうりをつまみあげ
掌に乗っけてみた。
うりは何も分からないように手から何度も落ちようとし、
その度に私はもう片方の手を歩く先に持っていった。
毛並みはもさもさしていて、昔のような艶は無かったけど
小さくて冷たい足の感触がうれしかった。
渡らせ渡らせ何度目か、左掌が彼の身体を支えた時だった。
彼は歩くことをやめ、中指の付け根に顔をもぐもぐと埋めた。
寝る前の合図だ。私は嬉しくなってじっとしていた。
そうしたら唐突に、中指の付け根を噛まれたのだ。

噛まれたのは初めてだったのでびっくりしたが
以前もエサと間違えて指先をちょっとパクパクされた事がある。
エサではないと気付けばすぐに離すだろうと思ったので
やはりじっとしていたのだが、どうやらいつまで経っても
口を開く気配がない。段々痛くなってきたので仕方なく
彼を剥がそうとしたがどうにもこうにも離れない。
掌を逆さまにしたら歯だけでぶら下がる始末だ。
らちがあかないのですまんすまんと言いつつ
小さな口をこじ開けて無理やり引っ剥がし、カゴの中に戻した。
噛まれた所を見ると小さい穴があいている。
うりは何事も無かったように、又上の空で歩みを再開していた。

異変が起きたのは僅か何十秒後だ。
消毒しとかなきゃなあ、と思ったのだがその前に
左腕がムズムズと熱く痒くなり
たまらず水道で傷口と腕をゴシゴシ洗った。
しかし洗っている間も手首から二の腕、肩と
痒い範囲がどんどん広がり、私は何がなにやら分からず
ゼエゼエと息を荒げながら手を洗い続けた。
痒いだけで腕に目立った異変は無い。が、
手を洗いながらふと自分の足を見ると、内腿にびっしりと
蕁麻疹が現れはじめていたのだ。噛まれて五分も経っていない。
その頃には既に身体のやわらかい所は蕁麻疹だらけで
ゼエゼエ息が荒いのもどうやらアレルギーのショック症状のようだ。
私は大パニックに陥って、どうやって病院へ行ったのかも
よく分からないまま近所の救急病院へ駆け込んだ。
白目や(!)耳の中や(!)喉にも蕁麻疹が出ていて
血圧もかなり低くなっていた。
それより何よりぼっこぼこの自分の見てくれが気持ち悪くて
色々な場所に映る自分や自分の身体を極力見ないようにしていた。
抗アレルギー薬と、念のため破傷風予防の注射を打って
三時間後ぐらいにようやく恐怖のパニックルームから戻ってこられた。
どうやら鼠にアレルギーがあるようなので、気をつけて下さい。と
お医者さんに言われた。「どうしたらいいのでしょう」と聞くと
「噛まれないようにして下さい。」
うーん、了解です。


そんな訳で私にはねずみのアレルギーがあるが
そんなに日常うろうろしていないものであって良かったと思う。
ペットショップで腹を見せて寝ているハムスターを見るたびに
可愛いくて腹を撫でたいなあと思うが
命が惜しいのでやはり手は出さない。
素敵な動物を警戒しなければならないのは切ないが
避けようと思えば何とか避けられるものであるのは幸いだ。
少なくともねずみはみそまんじゅうに隠れてはいないし
みそまんじゅうと区別がつかない事もない。

みそまんじゅうそっくりのねずみがいたら、それは致命的だ。