曖昧

　知っていると思っていたが
実はほとんど知識が無かったこと　ありませんか。



職場で年末年始にやるドラマの話をしていた。


「今年は討ち入りやらなかったけど、年明けてからやるのかな」
「何か里見八犬伝がやるらしいよ」
「里見八犬伝って、よく聞くけどどういう話？」
「犬の話だよね」
「違うと思う」
「でも何か犬が出てくるんだよね」
「犬は出なかったと思うよ」
「じゃあ何で八犬伝なのさ」
「犬は最初に出てきて…死んで…」
（この辺りから各々好きに話しはじめる）
「姫とかいたね」
「ああ姫姫。姫いた」
「名前に犬が付く人が出て来るんだよ」
「犬兵衛とか」
「犬右衛門とか」
「苗字に付くんだよ」
「八人いるんだよね。そういうのが各地に散らばってて」
「集結するんだ、そうだそうだ」
「何で集まるの」
「何らかの使命にかられてさ」
「八人で何するの」
「何かと戦うんだよ」
「何と戦うの」
「え……悪？」
「何で戦うの」
「悪いからかなあ…」
「玉持ってなかったっけ。玉」
「そうだそうだ、その玉を集めるんだ」
「仁・義・忠・孝・礼…心・技・体」「後半が違う」
「集めると願いが叶うんだ」
「違うと思う」



読んだはずだが　滝沢馬琴。
ドラマで話を再確認します。

緊張

　先日久しぶりに面接官をした。


この前の面接は春だった。
その時トップバッターで面接に来たおっさんは
話の間中ずっと頬杖をついていた。
悪気はなくて多分癖なんだろうと思う。
話が乗ってくると両手で頬を挟み
随分ファンシーな格好で熱心にうなずいていた。

「うん、うん、分かるよそれー」（おっさん）


不合格。


今回HPを見て応募してきた短大生の女の子は
終始緊張した面持ちで背筋を伸ばしていた。
私も５年ちょっと前、こんな感じで今の会社に
面接に来たのだ。
それが今や此方側に座り、もう１０年もいるような顔をして
すましている。えらく（図々しく）なったもんだ。

志望動機を聞き、勤務希望を聞いた。
私　　 「最初はアルバイトからだけど、
　　　　　どのくらい働きたいとか、希望はありますか？」
彼女　「でっ、出来るだけたくさんです」
私　　 「週何日、とか」
彼女　「何日でも！」
私　　 「日曜祝日は」
彼女　「全然OKです」
全般的に印象の良い子だった。
帰り際に見送っていると、緊張した彼女は急いでスリッパを片付け
靴を両手に一足づつ持ち「ありがとうございました」とお辞儀をして
外に飛び出ようとした。


どろぼうかね。


焦らなくていいからここ（玄関）で靴を履いていって、と引きとめた。
靴のかかとを踏んづけて、慌てて出て行く背中を見送りながら
また一人、おっちょこちょいが仲間入りかあと思った。

25日 追記

『私は料理とケーキを用意するから、
　お酒とおつまみを用意しておいて下さい。』


と彼にお願いした結果
酒はしそ焼酎
つまみはあんパンとみかんと芋けんぴでした。



年越しか何かと間違っていないか。

ホワイトクリスマス 或いはＷＣ

…（むっつり）


　「恋のから騒ぎ」、本日のテーマは最低のクリスマスでしたが
私もなかなかレベルの低いクリスマスを過ごして参りました。
彼は今日の午前中、健康診断を受けて来たそうです。
そこでバリウムを大いに飲んだそうです。
バリウム飲むと下剤を渡されますね。
バリウムは下剤を使用しないと排泄されにくいそうなので
まあそこまではいいです。当たり前です。
問題は家に帰ってすぐに　下剤を飲んだ辺りです。


ケーキを買い、料理を用意して彼の家に行きましたが
程よい時間に下剤が効いてきた彼は
バリウムうんこと戦ってばかりで
あまり相手をしてくれませんでした。
排泄時間以外も、常にもよおしていて気もそぞろ。
彼曰くバリウムうんこは大層流れにくいそうで
その流しておる時間も私は暇であったのです。


ようやくバリウムでない物が出たと
彼が嬉々として報告してきた時間は
私が帰らなければならない時間であり、
バリウムでないものはつまり
本日わたくしが用意した料理であり、ケーキであります。
このやろう。



少々帰し方行く末を考えようと思います。
とりあえず風呂に入ります。

ショック

　来春新卒、就職予定の若者が
内定を辞退してきた。
就職に向けて週末だけの職場体験をしていたのだが
向いていなかったらしいと
彼なりの思うところと辞退の旨を綴ったメールが来た。


メールかい。


辞退があったと聞いてそれなりにショックだったが
それがメールで来たと知り
なあんだと思ってしまった。
じゃあまあ、いいやという気持ちになれて
ある意味良かったかもしれない。

メールかあ。メールじゃあな。
（続きは控えよう）