レンキン

外国の写真と
それとは関係ないぼそぼそ

アレルギー

2006年08月29日 | ぼそぼそ
 新しく入ったバイトのK君は蕎麦アレルギー。
「日常生活に支障は無いですけど、まんじゅうは警戒しますね」と語る。
そばまんじゅうとみそまんじゅうは区別がつけにくく
一度食べてひどい目にあったそうだ。何というか、
まんじゅうを警戒しなければならない人生というのも大変だ。
パートのNさんの子供は小麦アレルギーであるため
小麦の代用を探していろいろ試しているらしい。
Sちゃんはある特定のばんそうこうアレルギー。貼った場所が
ばんそうこうの形にきちんと真っ赤になる。


アレルギーとは大変だなあと思っていたが
私も他人事ではないようだ。
以前の記事にも書いたが
数年前飼っていたハムスターに噛まれてえらい目にあった事がある。
飼いはじめて三年、随分懐いてかわいいハムスター(名前はうり)
だったが、そろそろ寿命が近くなってきたなあと
思った矢先の出来事だった。
カゴの中をぐるぐると回ったり、呼んでも来なかったり上の空だったりと
奇行が目立ってきた。
ハムスターは晩年脳の病気にかかることが多いらしく
彼もそうだったようだ。年老いておぼつかない足取りで
よろよろ歩き回っている姿は可哀想だった。
以前は呼んだらカゴの隅まで来て
とうもろこしやタマゴボーロをねだったものなのにと
しんみりして彼を見ていたら
ちょっと昔のように手に乗せてみたくなった。
(間違いのはじまり)

病気になる前は私の手の上は彼のお気に入りで
乗せているうちによく寝られたものだ。
その時の小さい寝息と柔らかさ、僅かな重さが懐かしくなり
私のことなど上の空で歩き回っているうりをつまみあげ
掌に乗っけてみた。
うりは何も分からないように手から何度も落ちようとし、
その度に私はもう片方の手を歩く先に持っていった。
毛並みはもさもさしていて、昔のような艶は無かったけど
小さくて冷たい足の感触がうれしかった。
渡らせ渡らせ何度目か、左掌が彼の身体を支えた時だった。
彼は歩くことをやめ、中指の付け根に顔をもぐもぐと埋めた。
寝る前の合図だ。私は嬉しくなってじっとしていた。
そうしたら唐突に、中指の付け根を噛まれたのだ。

噛まれたのは初めてだったのでびっくりしたが
以前もエサと間違えて指先をちょっとパクパクされた事がある。
エサではないと気付けばすぐに離すだろうと思ったので
やはりじっとしていたのだが、どうやらいつまで経っても
口を開く気配がない。段々痛くなってきたので仕方なく
彼を剥がそうとしたがどうにもこうにも離れない。
掌を逆さまにしたら歯だけでぶら下がる始末だ。
らちがあかないのですまんすまんと言いつつ
小さな口をこじ開けて無理やり引っ剥がし、カゴの中に戻した。
噛まれた所を見ると小さい穴があいている。
うりは何事も無かったように、又上の空で歩みを再開していた。

異変が起きたのは僅か何十秒後だ。
消毒しとかなきゃなあ、と思ったのだがその前に
左腕がムズムズと熱く痒くなり
たまらず水道で傷口と腕をゴシゴシ洗った。
しかし洗っている間も手首から二の腕、肩と
痒い範囲がどんどん広がり、私は何がなにやら分からず
ゼエゼエと息を荒げながら手を洗い続けた。
痒いだけで腕に目立った異変は無い。が、
手を洗いながらふと自分の足を見ると、内腿にびっしりと
蕁麻疹が現れはじめていたのだ。噛まれて五分も経っていない。
その頃には既に身体のやわらかい所は蕁麻疹だらけで
ゼエゼエ息が荒いのもどうやらアレルギーのショック症状のようだ。
私は大パニックに陥って、どうやって病院へ行ったのかも
よく分からないまま近所の救急病院へ駆け込んだ。
白目や(!)耳の中や(!)喉にも蕁麻疹が出ていて
血圧もかなり低くなっていた。
それより何よりぼっこぼこの自分の見てくれが気持ち悪くて
色々な場所に映る自分や自分の身体を極力見ないようにしていた。
抗アレルギー薬と、念のため破傷風予防の注射を打って
三時間後ぐらいにようやく恐怖のパニックルームから戻ってこられた。
どうやら鼠にアレルギーがあるようなので、気をつけて下さい。と
お医者さんに言われた。「どうしたらいいのでしょう」と聞くと
「噛まれないようにして下さい。」
うーん、了解です。


そんな訳で私にはねずみのアレルギーがあるが
そんなに日常うろうろしていないものであって良かったと思う。
ペットショップで腹を見せて寝ているハムスターを見るたびに
可愛いくて腹を撫でたいなあと思うが
命が惜しいのでやはり手は出さない。
素敵な動物を警戒しなければならないのは切ないが
避けようと思えば何とか避けられるものであるのは幸いだ。
少なくともねずみはみそまんじゅうに隠れてはいないし
みそまんじゅうと区別がつかない事もない。

みそまんじゅうそっくりのねずみがいたら、それは致命的だ。

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2 コメント

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Unknown (ひろ)
2006-08-29 01:12:58
アナフィラキシーショックですねー。

体験したみたいなので分かると思いますが、普通に死ぬのでほんとに気をつけてください…。

1回あれば、2回3回と来ますし、耐性がつくということもなく、むしろひどくなるくらいです。

これからはハムさんとどう付き合っていったらいいんでしょうねー。アレルギーは怖いけど、スキンシップ不足で不良ハムスターになるのも困りものです。



ようやくここを見つけました!

これからもよろしくお願いします。
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Unknown (レンキン)
2006-08-30 01:28:54
ひろさんこんばんわ!

お元気でしたか。無事に来て頂けてほっとしております。

引き続きどうぞよろしくお願いしますであります!



普通に死にますか。死にますね!

何かが身体を巡るあのスピードは本当にいけません。

思い出しただけでも気分が悪くなるくらいです。

私を噛んでからしばらくして、私のハムスターは他界して

しまいました。以来ねずみの類は飼っておりません。

ねずみの類は大好きなんですけど、切ない片思いであります。
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