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上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その20)

2009-12-30 18:56:42 | 八ッ場ダム騒動
いい加減終わりが見えてきたようなそうでないような、上毛新聞で 2009年9月23日から22回に渡って掲載された『八ッ場の57年』という連載記事への突っ込み、という謎更新。
今回は、用地買収価格の補償基準額調印後に長野原町で起こった住民の移動について触れてる部分となる(2001年6月~)。
・住民が町外流出:長期化で将来描けず(2009年10月15日 raijin.com)

つーことで、2009年10月15日分上毛新聞『八ッ場の57年 苦悩の軌跡 20』を全文引用をしてみた。
ただし、一部表記を変更+強調を入れておく。

---- 以下引用 ----
住民が町外流出
長期化で将来描けず

2009年10月15日 上毛新聞


2001年6月の国土交通省と水没関係5地区連合補償交渉委員会による用地買収価格の補償基準額調印を機に、住民達の長野原町外への流出が進んだ。
ダム計画の長期化で、高齢化が進む中、将来設計が描けず、多くの住民が住みなれた古里を後にした。

水没予定世帯がもっとも多い同町の川原湯地区は2001年3月末に176世帯あったが、今月9月末現在、約3分の1の56世帯に減少、川原畑地区は93世帯から19世帯に激減した。

川原畑地区から2005年1月、約15キロ離れた中之条町伊勢町に移り住んだ篠原 正作さん(73)。
当初は代替地での生活再建を思い描いていた。
しかし、代替地の整備がなかなか進まなかった。
そのうちに近所の人が少しずつ町内外へ移転を始めた。
自宅周辺では、大型トラックが砂ぼこりを上げて行き交い、重機が音を立てていた。

「落ち着いて生活できる環境ではなかった。自分も年を取り、当時、年老いた両親もいた。先が見えず、精神的に追い詰められてしまった」

移転はやむを得ない決断だった。
同じ気持ちで、地元を離れた住民も多かったという。

八ッ場ダム事業は、標高の高い場所に代替地を造成し、水没地区住民が移り住む「ずり上がり方式」により、現地で生活再建を進めるのが特徴だ。
だが、住民の流出が進んだことで、一部見直しを余儀なくされる。

国交省は2005年1月、水没対象住民の意向調査を受け、移転希望者が無かった地域の造成を取りやめることを決めた。
増税面積は当時の計画(54ヘクタール)から4割縮小して34ヘクタールになった。

国交省と県、町は 2006年7月、住民の減少を理由に生活再建関連事業の見直し案を住民に提示。
1年半に渡る協議の結果、「全事業を行うのが原則」という地元の強い主張から、大半の項目が実施される方向となった。
2007年6月、代替地の第1期分譲手続きが長野原地区で始まり、生活再建に向け具体的な一歩を踏み出した。

一方、国交省は同年12月、それまで2010年度としていたダム完成年度を2015年度に延長することを住民側に表明。
生活再建に関わる事業を最優先する方針を示した。

延長方針について、高山 欣也町長は「工期が伸びれば町の負担が増え、町政運営が厳しくなることは間違いない」と苦悩の表情を見せた。

県は今年1月、下流都県とともに拠出する利根川・荒川水源地域対策基金事業の総額を、当初案の249億円から178億円に圧縮する考えを明らかにした。
県は「地元が要望する事業は賄える」と説明したが、住民側からは反発が相次いだ。


八ッ場ダム建設建設事業の進ちょく状況

国交省八ッ場ダム工事事務所によると、9月末現在で用地取得82.9%(377.8ヘクタール)、家屋移転77.9%(386世帯)、国道付け替え89%(9.5キロ)、県道付け替え76%(9キロ)、鉄道付け替え87%(9キロ)。
代替地への移転を希望する134世帯のうち23世帯が移転済み。

---- 引用以上 ----

2007年12月に国土交通省が公表した八ッ場ダムの工期延長に関する発表は↓
・関東地方のダム事業等について(2007年12月13日 mlit.go.jp;.pdfファイル)

以下、2007年12月13日分 mlit.go.jp『関東地方の~』P.2 から八ッ場ダムの工期延長について触れてる部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
1.八ッ場ダム(事業主体:国土交通省)

群馬県吾妻郡長野原町に建設中の八ッ場ダムは、代替地計画やダム本体施工時間帯等を見直したことにより事業工期を5年延長し、平成27年度末に変更することが必要となりました。
事業費については、「コスト縮減技術委員会」の提言を受け、ダム本体のスリム化や橋梁の施工計画の見直し等のコスト縮減を図ることとしており、現在の事業費内で完了する見込みです。
(以下略)
---- 引用以上 ----

いや、この調子だと約4600億円の事業費じゃ足りないような気がするけど・・・。

ちなみに、2007年12月以降も、八ッ場ダム建設予定地の住民支援策は変更されている。
その1例は↓
・: 「八ッ場ダム 支援策見直し」(朝日新聞)(2008年9月16日 yamba-net.org;元ネタは2008年9月13日分朝日新聞群馬版の記事)

泥沼だ。


おまけ:
第1回目~第19回目については以下を参照(手抜き)。
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その19)(2009年12月29日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その18)(2009年12月28日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その17)(2009年12月27日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その16)(2009年12月26日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その15)(2009年12月24日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その14)(2009年12月19日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その13)(2009年12月17日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その12)(2009年12月12日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その11)(2009年12月7日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その10)(2009年11月29日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その9)(2009年11月27日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その8)(2009年11月25日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その7)(2009年11月20日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その6)(2009年11月18日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その5)(2009年11月15日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その4)(2009年11月11日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その3)(2009年11月10日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その2)(2009年11月7日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その1)(2009年11月5日 flagburner's blog(仮))


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